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遊びかたは人それぞれ『レッド・デッド・リデンプション2』をもっと楽しめる10の魅力

遊びかたは人それぞれ『レッド・デッド・リデンプション2』をもっと楽しめる10の魅力

『レッド・デッド・リデンプション2』はとてもリッチなゲームだ。オープンワールドに詰め込まれた膨大な遊びと自由は、他のゲームの追随を許さない。このジャンルのゲームはさまざまな遊びかたや順序で進行できるため、得る体験や感動はプレイヤーによって大きく異なるものになっている。本稿ではライターのプレイフィールをもとに、是非とも知ってほしい10の魅力を紹介する。骨太なストーリーが用意されていて、エンディングを目指してストーリーイベントを追うだけでも十分にドラマティックな本作だが、寄り道をして気になるものに次々と触れてみれば、自分だけの冒険を描いていける。もうクリアしてしまったという方も、プレイの余白がありそうな場所を散策してみると新しい発見があるかもしれない。プレイヤー自身が楽しみを探すという姿勢で本作をプレイすれば、本作は新たなゲーム体験をもたらしてくれるだろう。

文 / 浅葉たいが


1.“ダッチギャング”という運命共同体

本作の主人公であるアーサーは、ダッチという人物が率いるギャングの一員だ。ストーリーを進め、クエストをこなし、行動を共にしているうちに彼らの人となりがわかってくる。ギャングという無法者の集団だけあって、一筋縄ではいかない人物たちが揃っているが、彼らは個性なき悪人というわけではない。それぞれに歩んできたドラマがあり、ときには信念や欲望が熱を帯びて顔を出すのだ。彼ら一人ひとりの価値観は特殊すぎて、アーサーともプレイヤーとも重ならず、共感できないものも多い。しかし、その価値観には、リアリティのあるえぐ味がある。

ストーリーにおいて最大の見どころとなるのは、アーサーとギャングの長であるダッチの間に生まれていく溝だ。中盤以降では、過酷な生活と過去に振り回され、自分を見失って凶暴化していくダッチと接しているうちに、アーサーのなかにあるギャングへの忠誠心が揺れ動いていくのだが、そこから物語は急加速を見せる。好き嫌いだけでは判断を下すことができない、忠誠心と絆の物語に筆者はすっかりやられてしまった。その着地点であるエンディングはとても美しく、心揺さぶられるものになっている。ネタバレになるので多くは語らないが、ストーリーに関しては前作『レッド・デッド・リデンプション』を遊んでおけば、グッとくる瞬間が後半に用意されている。本作単体でもストーリーを理解し損ねることはないが、前作の”ある要素”を知っておくと、物語にちょっとした余韻と意味が足されることになる。これから遊ぶという方は、前作から触れてみることをおすすめする。

2.匂いすら漂ってきそうな表現

本作を未プレイの方でも画面写真や動画を見ると、その美しいグラフィックに圧倒されるのではないだろうか。しかし、これらの断片的な素材は本作の豊かな表現のごく一部に過ぎない。実際にプレイすると、時間の経過に伴って刻々と変化する世界や主人公のアクションによって刻まれる痕跡などに驚かされるはず。深い雪のなかを歩くときの重い足取り、美しい河のツンとした冷ややかさ、電気の乏しい地域でのささやかなランタンの輝き、匂いすら漂ってきそうな草や木の躍動感。ゲーム内の目的だけを追いかけるのではなく、ふと立ち止まってみると世界が驚くほど美しいことに気づくはず。自らが動かなくとも、世界は刻々と変化し、生物たちもうごめいている。コントローラーを握り直し、まだ見ていない極上の表現をひとりでも多くの人に体験してもらいたい。

3.結末を追い求めるだけではないゲームプレイ

マップ上に白い”?”マークで表示されている場所へ行けば新たな出会いが起こり、ゲームクリアには影響を及ぼさないサブイベント的なミッションが始まる。エンディングへと至るストーリーイベントを追いかけるだけでも充実した体験を過ごせる本作だが、こうしたミッションまで手を広げればさらに楽しみが増す。世界中に散らばる不思議な骨を探している女性、日本に縁を感じる”トクシマ・サファイア”という宝の地図を売ってくれるというトレジャーハンターなど、そこに用意されている人物と物語はどれもおまけとは呼べない、深みのあるものとなっている。

マップ上に表示されているもの以外にも突如始まるイベントが豊富に用意されている。かすかに声が聞こえた方向に向かってみると、”何か”が待ち受けていることもあるので、本作をプレイするときは音にも注意を払うといいだろう。あなたに見えているものが、本作で起こることの全てではないことを強調しておく。突然食事に誘われてふらふらとついていったら、奇妙な事件に巻き込まれるということもあった。

弱って助けを求めている人を病院に連れていくと、症状が深刻なため腕を切断することになってしまうという衝撃的なイベントも心に残っている。ゆったりとプレイしていたときの出来事だから、かなり驚かされた。このイベントに関してはグロテスクなシーンがあるものの、それを”見る、見ない”の判断はプレイヤー自身で選択することができる。気軽に話に乗らなければよかったと思うようなことも少なくないが、好奇心は止められない。困ったものだ。しかし、好奇心のままに本作の世界を進み続ければ、初めての経験に嫌というほど出会うだろう。

4.時間泥棒のファッション

帽子、シャツ、コート、ズボン、ベルト、靴、その他のアクセサリーなど、ファッションアイテムのコレクションも時間泥棒な要素のひとつ。どのアイテムにも多彩なバリエーションとカラーが用意されているので、さまざまなコーディネートを実現することができる。ファッションを気にしだすと、ヘアスタイルやヒゲにもこだわりたくなる。そんなことをしているうちに主人公と自分がより重なってきて、充実した毎日を送ろうと努めるようになる。そして、風呂に入り、ときには娼婦に体を洗ってもらうというライフスタイルの確立にもこだわり始めたら、もうすっかりこの世界の住人だ。格好いいファッション以外にも、動物のかぶりもののようなネタ的コスチュームも用意されている。ゲームプレイに新鮮な空気を吹き込む遊び要素が充実しているのも、製作陣の細やかな配慮と言える。

ただし、ファッションはひたすら自由というわけではない。気候に合わせたコーディネートを選ぶ必要があるのだ。極寒の地で薄着をしていると、基本ライフがどんどん減っていくというペナルティが発生する。こうした、システムとして見るとやや不便な仕様も本作においては、「リアリティがある」としっくりくるから不思議なものだ。この仕様を理解したうえで、自分のファッションのこだわりを貫き通すという縛りプレイをしてみるのも楽しみかたのひとつだろう。

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