Interview

YouTube再生2千万回の“超バズ”楽曲誕生には『ハルヒ』の影響も? 平成アニメソング史に爪跡を残したfhána 5年間のストーリー

YouTube再生2千万回の“超バズ”楽曲誕生には『ハルヒ』の影響も? 平成アニメソング史に爪跡を残したfhána 5年間のストーリー

佐藤純一(キーボード/コーラス)、yuxuki waga(ギター)、kevin mitsunaga(PC/サンプラー)という3人のサウンド・クリエイターに、紅一点のtowana(ボーカル)を加えた4人組バンドのfhána。2013年8月にランティスからメジャーデビューして以降、数々のアニメ作品とのタイアップ曲を通じてその音楽地図を広げてきた彼らが、メジャー5周年を記念したキャリア初のベストアルバム『STORIES』をリリースした。

現代的な洗練性を有したジャンルレスなサウンドメイクと、ストーリー性を感じさせるメロディ、towanaの華麗かつ芯の強いハイトーンボイスが合わさった世界観は唯一無二。今夏にはロックフェス“ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018”に初出演するなど、その活動の勢いは増すばかりだ。今もっとも注目すべきバンドである彼らの入門編にも最適な今回のベスト盤について、リーダーの佐藤に話を聞いた。

取材・文 / 北野創(リスアニ!)


デビュー5周年。改めてメンバーを振り返ると、すごくアーティストっぽい顔つきになったなって

メジャーデビュー5周年を迎えたわけですが、デビュー時と比べて自分たちの変化を実感することはありますか?

佐藤純一 改めてメンバーを振り返るとすごくアーティストっぽい顔つきになったと思うんですよ。今回のアーティスト写真もそうだし、SNSに出すような写真とかライブのリハとかで鏡越しに自分たち4人を観たときに、なんだか雰囲気があるんですよね。デビューの頃はみんな学生のような、良くも悪くもほわほわしてる感じだったんですけど(笑)、最近は4人が集まるとオーラみたいな空気感が出てる気がするというか(笑)。

メンバーはそれぞれどのように成長したと感じますか?

佐藤 towanaは最近歌詞を書くようになったこともあるし、ボーカリストとしてすごく研ぎ澄まされてるんですよ。これは海外で受けることにも繋がってくると思うんですけど、他に似たタイプがいないと思うんですよ。それは声の高さとか声質もそうだし、見た目の佇まいも小さくて華奢で、ライブでパフォーマンスしてる時も妖精が舞ってるような謎のフワフワした感じがあるし、ある意味、万能型ではなくて限定的な研ぎ澄まされ方をしてるんですよね。他に近いタイプがいない、めちゃめちゃピーキーな感じは他のメンバーも一緒で、yuxuki君もなんでも弾ける万能ギタリストというタイプじゃないし、kevinくんもkevinくんっぽいトラックしか作れない、限定的な能力を持ったキャラクターなんだけど、最近は踊ったりラップしたりムードメーカーみたいなところもあって。

で、僕自身もバランサータイプではなくて、一見物静かな感じだと思うんですけど、わりとラディカルで攻めるタイプの人だったりして。そう考えるとfhánaはピーキーな人の集まり、すごく研ぎ澄まされた集団なんだということは、この5年間を振り返って思ったことですね。こんなにも尖ったメンバー構成でよくここまでやってこれたなと思うし、だからこそ他のアーティストと差別化することができたのかな、とも思ってます。

ベスト盤として、過去を振り返るだけじゃなく、ちゃんと未来のこともいれた作品にしたかった

5周年を記念した今回のベストアルバムには『STORIES』というタイトルが付けられています。本作に収録の新曲「STORIES」も同じタイトルですが、こちらにはどんな想いを込めたのでしょうか?

佐藤 まず、ベストアルバムを出すアイデアは自分たちから出たものではないんですけど、『World Atlas』というアルバムを作ってるときから、5周年のタイミングでそれを記念した新曲を作りたいとは思ってたんですよ。なおかつその曲の歌詞はtowanaに書いてもらおうと考えてたところでベスト盤の話が持ち上がったので、ならそこに収録するのが一番いい形だと思ったんです。

で、ベスト盤というのは基本的に過去を振り返るものだと思うんですけど、僕はそれだけじゃなく、未来のこともいれた、キチンと意味のある一つの作品にしたかったんですね。だからベスト盤っぽくて、それ単体でも何か意味のあるタイトルにしたくて、ギリギリまで悩んでたんですよ。それで今回のジャケット撮影を行う2日前くらいに「そうだ、物語だ!」と思いついて。fhánaは物語性を重視した曲作りをしてきたし、シングルの表題曲はすべてアニメの主題歌なので作品自体の物語もあるし、バンド自体のストーリーもある。さらにこのベスト盤を聴いてくれる人それぞれのストーリーというのもあって、そういうたくさんの物語たちが交差するのでベスト盤も新曲も『STORIES』というタイトルにしたんです。towanaには今話したような内容を伝えつつ、fhánaの今までの物語とこれからの物語、そして物語はこれからも続いていくよ、というテーマで歌詞を書いてもらいました。

なるほど。本作にはバンドがこれまでに発表したシングル表題曲がすべて収められていますが、その中でも自分たちにとってターニングポイントになった楽曲をいくつか挙げるとすれば?

佐藤 もちろんどれも大切な楽曲ですけど、あえて挙げるとすれば「divine intervention」「星屑のインターリュード」「青空のラプソディ」の3曲かなと。そもそもfhánaのメンバーは結成前からそれぞれ音楽活動をしてたし、僕もすでにFLEETでデビューしてたので、「ケセラセラ」(1stシングル)や「tiny lamp」(2ndシングル)は元々僕の中にある引き出しから作った曲なんですね。でも、3rdシングルの「divine intervention」はタイアップ作品ありきで「バトルものっぽい熱い曲」というオーダーをいただいて(同曲はTVアニメ『ウィッチクラフトワークス』のOPテーマだった)、僕も他のメンバーもそういう曲を作ったことがなかったし、そもそも自分たちの中にはそういう曲を作ろうという発想がなかったんです。だけどアニメ作品側からの要請で自分たちの引き出しにない曲を頑張って作ってみたら、それが面白い曲になって、結果ライブでも盛り上がる曲になって。それでアニメとのタイアップというのは、作品との掛け合わせで自分たちが思ってもなかった面白い曲が生まれることに気づかされたんですよ。

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