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『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』に見る3人の絆とこれからの夢

『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』に見る3人の絆とこれからの夢

文 / 藤井美保

 今年4月に2年半ぶりのオリジナル・アルバム『COSMIC EXPLORER』をリリースしたPerfume。作品を引っさげての全国ツアー『Perfume 6th Tour 2016「COSMIC EXPLORER」』は、幕張メッセでの「スタンディングエディション」2デイズという途方もない挑戦をはさみ、熱狂のうちに終了した。  8月の終わりからは、ロス、サンフランシスコ、シカゴ、NYの4都市5公演を回る北米ツアーもスタート。今回は海外向けの特別メニューではなく、日本ツアーと基本的に同じものを舞台に乗せるという。それだけでも十分パイオニアと言えるのだが、けっしてそれが3人のゴールではない。心のなかにあるより大きな具体的目標に向かっての、ある意味恬淡と続く着実な歩みのひとつだ。そんなツアーへの強い思いが読み取れる映像作品が、ベスト・タイミングでリリースされた。2014年に行われた3度目の海外ツアーを収めた『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』だ。

『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』より

『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』より

 Perfumeの最初の海外ツアーは2012年。台湾、香港、韓国、シンガポールといったアジアを回るものだった。2013年の2回目には、ドイツ、イギリス、フランスで成功を収め、3度目で念願のアメリカ初上陸。なぜ念願だったかというと、彼女たちが初めて「世界でライブをしたい」と思ったのがこの地だったからだ。

『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』より

『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』より

 それは2011年のこと。映画『CARS2』の挿入歌に「ポリリズム」が抜擢され、Perfumeはハリウッドで行われたワールド・プレミアに招待された。そのとき、ニュースを聞きつけて集まったアメリカのファンが、片言の日本語で、一生懸命「ライブに来てください」と話しかけてきたという。その姿が忘れられなかった3人は、いつか絶対アメリカでライブをすると決心。そこを見据えた歩みをすることになった。そして3年後、3人は海外ツアー3度目にしてその夢を見事に果たした。『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』は、その3度目の海外ツアーに密着ドキュメンタリー映画。Perfumeが結成15周年、デビュー10周年を迎えた2015年秋に、日米同時公開となった。

『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』より

『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』より

 けっして目標達成をクライマックスにして演出された、山あり谷ありのきれいなストーリーが観られるわけではない。ただただひたむきに、よりいいものを創ることだけにエネルギーを向け続けるPerfumeを、カメラもただただ淡々と追っていく。監督は、NHKのドキュメンタリー番組などでPerfumeを度々撮ってきた佐渡岳利。 「私たちが絶大な信頼を置いている方なんです。映像の隅々からPerfumeへの愛が伝わってきてうれしかった」と、のっちは言う。そんな関係があっての撮影だったからこそ、ライブの制作者であり、同時に演者でもある3人の、まんまの姿を我々は目撃できるのだろう。ナレーションは大のPerfumeファンで、プライベートでも親交の深い近藤春菜。その安心感のある声は、3人の人間っぽさにも通じていて心地いい。

『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』より

『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』より

 日本で綿密なリハを繰り返してスタートしたツアーだが、初日の台湾公演終了後、即ダメ出しミーティング。曲順や、もしかしたら1秒以下の曲間のタイミング、マイクの置き位置、メンバーのフォーメーション、衣装にいたるまで、あらゆる変更が当たり前のように話し合われていく。振りつけとステージ・ディレクションを務めるMIKIKO先生と3人のやりとりは、コワいほどクリエイティブだ。変更するということはイコール、演者である本人たちにも、音響、照明などすべてのスタッフにも、次の公演までの完璧な修正が課されるということだ。 「会場の状況で感じ方が変われば、それに応じて曲順も変えていきます。本番直前に変えたこともありました。本当に一回一回、全部違うライブ。Perfumeだけじゃなく、頑張ってくれたスタッフさんたちにも光があてられているのがうれしいんです」とかしゆかは言う。

『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』より

『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』より

 念願のロスでは、機材の搬入が遅れ、時間との戦いが余儀なくされるなか、本番直前の変更を断行。修正が間に合うのかとこっちもハラハラしてしまう。不安をにじませるあ〜ちゃんは、最後の最後までステージで確認。その背中に、「バッチリだ。まかせとけ!」と力強く声をかける舞台監督。ギリギリの状況でも、チーム全員がエンターテインメントのプロとして覚悟して3人を支えてる。だから、ステージのプロである3人もミラクルを起こせるんだなと感動する場面だ。  ロンドン公演では、のっちがフリを思いっきり間違えるという珍事件が発生した。映画では、それを3人で大ウケしながら解説つきで公開している。「いつもならカットする部分だけど、今回はドキュメンタリーだからと思って入れました。だから、そこは遠慮なく笑ってほしいです。私たちも人です、というのが出てると思うから」とあ〜ちゃんは笑顔で語った。

『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』より

『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』より

 結局、すべてが人であり、心なんだ。と、ファイナルとなったNYでのラスト・ナンバー「MY COLOR」を観て、あらためてドンと腑に落ちた。Perfumeと観客がお互いに手を差し伸べ合って、くしゃくしゃの笑顔でつながろうとしてる。本当に世界をつなぐって、こういうことなんじゃないかなと思う。素晴らしい光景に思わず「Beautiful!」と叫ぶあ〜ちゃん。映像体験であっても、きっとその気持ちとリンクできるはずだ。

『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』より

『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』より

 映画のエンディングでは、「マディソンスクエアガーデン」という具体的な目標まで飛び出した。その目と鼻の先に、「3rd」のファイナルだったHammerstein Ballroomがある。この夏の北米ツアーでは、その同じ場所で初の2デイズ。しかも今回は、「WORLD TOUR 4th」とは謳わないレギュラー・ツアーのスタンスだ。つまりPerfumeは、この映画の時点では想像もしてなかった遥か先へと、すでに歩を進めている。そして、我々はいつも、その凛とした後ろ姿を追いかけているのだろう。ジャケット写真から、「ねぇ、見てて!」という3人の元気な声が聞こえてくるようで、心踊った。

 
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WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT【初回限定盤】

2016年7月6日発売
2Blu-ray+特典CD UPXP-9006  ¥6,500+税
2DVD+特典CD UPBP-9008  ¥5,500+税

Disc-1:映画本編 メンバーの副音声特別収録
Disc-2:Behind the Scene of SXSW/Special Interview/Trailer
Disc-3:特典CD-Original Soundtrack-(初回限定盤のみ)
01.Teleportation 02.Expectation 03.Spring of Life(Piano ver) 04.Journey

WAP映像商品イメージビジュアル

WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT【通常盤】

2016年7月6日発売
2Blu-ray UPXP-1008/9  ¥5,500+税
2DVD UPBP-1008/9  ¥4,500+税

Disc-1:映画本編 メンバーの副音声特別収録
Disc-2:Behind the Scene of SXSW/Special Interview/Trailer