【voice×music】  vol. 3

Interview

『マクロス』最新作に抜擢された“声優アーティスト・鈴木みのり”とは?

『マクロス』最新作に抜擢された“声優アーティスト・鈴木みのり”とは?

現在放送中で音楽アニメの最高峰、『マクロス』シリーズ最新作に抜擢された“声優アーティスト・鈴木みのり”とは?

 2016年4月より放送がスタートしたTVアニメ『マクロスΔ(デルタ)』。このアニメファンでなくとも広く知られたビッグタイトルは、1982年の第一作『超時空要塞マクロス』以来、ずっと変わらず“音楽”を主題にしてきた。歌で戦う、歌で人を救う、歌で想いを届ける。最新作『マクロスΔ』においても女性5人による劇中ユニット・ワルキューレが重要な鍵となり、物語の進行を盛り上げている。
 ここではそんなワルキューレより、オーディションで見事ヒロイン&エースボーカルの座を勝ち取った鈴木みのりにスポットを当てたい。歴史あるシリーズのなかで、彼女はいかにフレイア・ヴィオン役を演じ、歌っているのか。アルバム『Walküre Attack!』のリリース(7月6日)を機に、現在の心境とこれまでの楽曲について振り返ってもらった。

取材・文 / 西原史顕 撮影 / 萩原大志
メイク / 鈴木 彩 スタイリング / 由田 静


約8,000人のオーディションを勝ち抜いてから早1年、声優アーティスト生活にはもう慣れましたか?

声優アーティストをめざしてこの世界に入ってきましたが、今は“声優アーティストとして”の慣れというよりは、TVアニメ『マクロスΔ(デルタ)』(現在放送中)のフレイア(・ヴィオン)役を通じて、アニメ作品を作るひとりの人間としての自覚のほうが大きくなっているような気がします。

アニメが放送されると同時にテレビ出演や雑誌などのメディア露出も続き、自分も芸能人になったという喜びは?

それはあんまりないです(笑)。逆にお仕事を通して、今までTV画面越しやCDで聴いていた方々とご一緒するようになって、皆さんも実際に存在する、同じ人間なんだなと思うようになりました(笑)。

冷静なんですね(笑)。

もちろん、子どもの頃から憧れていたアーティストさんやプロデューサーさんと一緒にお仕事できることが光栄という気持ちでいっぱいです。今回、一緒に活動することになったワルキューレ(『マクロスΔ』内の音楽ユニット)のメンバーも皆さんすごい方々で、自分はまだまだなんだなと痛感しつつも、頑張っていきたい。周囲にスゴイ人たちがいるからこそ、自惚れることなく活動することができていると思います。

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たしか子どもの頃に憧れた声優アーティストが、坂本真綾さんであり中島愛さんだったんですよね?

はい。元々歌や朗読、演技をすることが大好きで、それに繋がる何かがないかなと思っていたときに深夜アニメと出会って。『マクロスF(フロンティア)』をきっかけに知った坂本真綾さんと中島愛さんにどんどんのめり込んでいって、自然とあのようになりたいと思うようになりました。

なぜ、このふたりが好きになったのでしょう?

私が本格的に声優を意識しはじめた頃は、ちょうど水樹奈々さんが紅白歌合戦に初出場した年でした(2009年)。“アニソン”というものが世の中に広く注目されて、私もいろんな声優さんやアーティストさんの歌を聴いていくなかで、(ふたりが所属する)フライングドッグさんの音楽が、どこか他とは違って聴こえてきたんです。うまく言えないんですけど、アニメ作品に寄り添うと同時に、その人だけにしか歌えない音楽を貫いているというか。

たしかにフライングドッグの音楽は、アニメ業界のなかでも独自性を追求しているところがありますよね。

そういう雰囲気が好きで、私もああいう歌をうたいたいとずっと思ってました。

そうすると今回の『マクロスΔ』歌姫オーディションは、鈴木さんとしては願ったり叶ったりの機会だったんですね。

そうですね、合格できて本当にうれしかったです。「声優アーティストになる」と目標を定めてから、まっすぐいろんな準備をしてきたつもりなんですけど、何度か別のオーディションで落ちたこともあって。そのときは、自分が望む自分と周囲が望む自分には大きな隔たりがあるのかなと悩んだりもしました。でも、私のアピールポイントは明るさにあると信じて努力を続けて、今回はそれがフレイアのイメージにピッタリだと認めてもらえたので、「自分がやってきたことは間違ってなかった」と思えることができました。

合格の瞬間は?

結果の連絡が最終審査の次の日だったんです。電話がかかってきたときはまさか通知の連絡だとは思わなくて、「何か追加で確認したいことでもあるのかな?」くらいに思っていたんですけど、合格の言葉をいただいて。そのときは喜びで泣いてしまいました。

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さて、『マクロスΔ』は現在、物語の前半を終えて2クール目に突入しています。ヒロインであるフレイアを演じてきて、感じていることはありますか?

フレイアって、最初の頃は元気で突っ走ると何も見えなくなっちゃうような子だと思っていたんですけど、演じているうちに、周りのことをよく観て考えている子なんだなと感じるようになりました。目的がハッキリするとヤル気が出るところなんかは自分とよく似ていて(笑)、「ワルキューレに入るんだ!」「歌をうたうんだ!」と目標を決めて、それは絶対に揺るがないんだけど、そのなかでちょっと迷ったり悩んだりするところとかも一緒。すごく人間味のあるキャラクターだと思っています。

フレイアに関しては、1クール目の全13話をかけて、「自分が歌う理由」を見つけていく姿が描かれていたのかなと。

フレイアは伝える相手がいると歌が良くなるというか、力が出るタイプ。私もこの『マクロスΔ』を通じて、歌においていかに気持ちが大事かを教えてもらいました。どんな歌も、歌う人の気持ちで届き方が変わるんですよね。ワルキューレの楽曲も、誰がリードボーカルになるかで大きく変わる。同じ曲でもカナメ(・バッカニア)さんが歌えば力強くなるし、フレイアが歌えば優しく甘くなったり。

そんなところまで描いてしまう『マクロスΔ』は、改めて“音楽アニメ”なんだなと思いますよね。今回、アルバム『Walküre Attack!』がリリースされますが、収録曲はすべて劇中にも使用されています。

歌のシーンで印象的だったのは、第8話の「GIRAFFE BLUES」ですね。放送のあとにハヤテ(・インメルマン)役の内田雄馬さんが、「みのりちゃんの歌は気持ちが伝わってくる歌だ。8話のフレイアの歌には心を動かされた」とおっしゃってくれたんです。

第8話のラストは、歌で人を救うまさに『マクロス』シリーズらしい名シーンでした。フレイアの「歌はきっと届くから。歌は幻なんかじゃないから」というセリフが象徴的で。

ワルキューレの皆さんの歌のレベルがすごく高くって、そのなかで私は美雲(・ギンヌメール)さんと、ふたりでエースボーカルを務めさせていただいているのですが、その「届ける」ということが私にはできているのかなと、ちょっと不安な気持ちもあったんです。でも内田さんの言葉で、「私もワルキューレの一員として人の心を動かせる歌をうたえているんだ」と自信を持つことができました。

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『マクロスΔ』では劇中に音楽が使用される場合、CDの音源が流れてくるときと、アフレコ現場のマイク前で歌っているときとがありますよね?

そうですね。例えば第13話の「一度だけの恋なら」は、CDと違ってフレイアのリードボーカルで歌ったものです。あのシーンでは音を外さないようにしようとかそういう技術的なことは考えないで、CDと聴き比べると下手ってなっちゃうかもしれないんですけど、フレイアの心情にシンクロして勢いだけで歌い切りました。

フレイアが命がけで歌をうたう、1クール目最大の山場ですね。

アフレコ現場で歌いきったあと、「歌って気持ちいいな」と改めて思いました。あとは第3話の「僕らの戦場」も印象的ですね。これもCDとは違って私のアカペラから歌が始まるんですけど、とにかくハヤテのことだけを思って歌っています。

やはりレコーディングで歌うのとアフレコで歌うのとでは、勝手が違うものなのでしょうか?

私自身はこれといって区別していないですが、スタッフの皆さんからの指示がそのときによって違うので、どんな気持ちを込めて歌うのか、やっぱりそれが重要なんだなと思います。

そのほかにも、今アルバムに収録された楽曲で思い入れのある曲はありますか?

「ルンがピカッと光ったら」は、フレイアのための歌なので思い入れは強いです。あと「Walküre Attack!」が、とんでもなく難しい!(笑)。でもこの一筋縄ではいかない作りが『マクロス』シリーズのらしさなんですよね。美雲さんと私が頻繁に入れ替わりながらリードボーカルを取っているんですが、私自身も美雲さんを押す気持ちでガンガン攻めて歌えた曲でした。

自身がボーカルに参加していない曲ではどうでしょう?

「AXIA~ダイスキでダイキライ〜」は好きなタイプの曲調で、「私も歌いたい〜」ってなりました(笑)。

(笑)。この曲は第10話のクライマックスに流れたカナメの曲でした。“今、見た笑顔が 最後の笑顔かもしれない”という歌い出しが完璧にシーンとリンクしていましたね。

私の勝手な想像なんですけど(笑)、「AXIA~ダイスキでダイキライ〜」って、メッサー(・イーレフェルト)が作詞したんじゃないかと。メッサーが書いたものをカナメさんが歌ったんだと思うと、あのシーンにより感動してしまいますよね。

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8月からは全国ツアーもスタートし、アニメ本編共々ワルキューレの活動もより活発になっていきそうですね。

ライブのリハーサルはまだこれからなんですが、取材やイベントなどでワルキューレの5人が揃って活動する機会が増えてきているので、もっと交流を深めていきたいです。それぞれ個性豊かなメンバーなので、これまでにない存在感のあるユニットになれればと思います。

同じく10代で『マクロスΔ』の歌姫に選ばれ、美雲の歌唱役を務めるJUNNAの存在も、刺激になっているのでは?

ライバルなのかな。私よりもっと若いし声質も違うし、戦う土俵は別なのかなとも思うんですけど、でもやっぱり同じチームのエースボーカルを競う者同士として、お互いを高め合える関係になれればいいなと思っています。今、ふたりでダイエットを始めていまして、朝・昼・晩の食べたものを写真に撮って送り合うみたいなことをやっているんですよ。

(笑)。これから始まるツアーのなかで、鈴木さんはどんな自分を出していきたいですか?

ワルキューレの活動では、私は鈴木みのりではなくあくまでフレイア。彼女はみんなを元気な笑顔にする存在なので、私もそれができる立ち位置にいたいと思っています。フレイアは、美雲さんのことを先輩としてすごく尊敬しているんだけど、どこかに「歌では負けない」っていう気持ちもある子だと思うんです。美雲さんは、セリフのときは小清水(亜美)さん、歌のときにはJUNNAちゃんがそれぞれ演じているキャラクターですけど、私自身もアフレコ現場で小清水さんの演技に憧れる気持ちと、でも歌ではJUNNAちゃんはライバルだと思う気持ちが相まっていて、そんなところまでシンクロするフレイアには、不思議な親近感を抱いています。

これからのますますの活躍、期待しています。

『マクロス』の長い歴史のなかで先輩たちが積み上げてくださったたものに感謝をして、自惚れることなく、ファンの方々の期待に添う作品づくりに力を発揮していければなと思っています。

衣裳協力 / DISAYA(H3O ファッションビュロー)

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リリース情報

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ワルキューレ

『Walküre Attack!』

【初回限定盤(CD+DVD)】
VTZL-109 ¥3,500+税
【通常盤(CD)】
VTCL-60428 ¥2,900+税
2016年7月6日発売

【収録曲】
01.恋! ハレイション THE WAR~without Freyja~
02.一度だけの恋なら
03.ジリティック♡BEGINNER
04.不確定性☆COSMIC MOVEMENT
05.僕らの戦場
06.NEO STREAM
07.AXIA~ダイスキでダイキライ~
08.GIRAFFE BLUES
09.Walküre Attack!
10.ルンがピカッと光ったら~album version~
11.いけないボーダーライン~album version~
12.恋! ハレイション THE WAR~album version~

【初回限定特典内容(DVD)】
「一度だけの恋なら」Music Video

ライブ情報

SANKYO presents
『マクロスΔ』戦術音楽ユニット ワルキューレ 1st LIVE in Zepp Walküre Attack!

8月14日(日)Zeppなんば大阪
8月21日(日)Zepp名古屋
9月10日(土)Zeppダイバーシティ東京
9月10日(土)Zeppダイバーシティ東京

TVアニメ情報

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『マクロスΔ』

TOKYO MX(毎週日曜22:30)、毎日放送(毎週火曜27:00)、テレビ愛知(毎週水曜26:05)、テレビ北海道(毎週水曜26:05)、TVQ 九州放送(毎週月曜26:30)、BS11(毎週火曜24:00)、dアニメストア(毎週水曜12:00)にて放送中。
※曜日・時間につきましては放送局の編成の都合により変更となる場合がございます。
(C)2015 ビックウエスト / マクロスデルタ製作委員会

プロフィール

ワルキューレ


TVアニメ『マクロスΔ』に登場する、銀河系最強の戦術音楽ユニット。弱冠15歳のシリーズ最年少歌姫・JUNNA(美雲・ギンヌメール 歌唱役)と、マクロス・オーディションで見事ヒロイン役を勝ち取った期待の新人・鈴木みのり(フレイア・ヴィオン 役)をダブルセンターに、安野希世乃(カナメ・バッカニア 役)、西田望見(マキナ・中島 役)、東山奈央(レイナ・プラウラー 役)からなる5人組。番組本編で毎話O.A.される主題歌、挿入歌を担当する。
MACROSS PORTAL SITE マクロスポータルサイト

鈴木みのり


2015年春、17才のときに新作TVアニメ『マクロスΔ』歌姫オーディションを受け、約8,000人の中からグランプリを射止めた。2016年4月スタートのTVアニメ『マクロスΔ』のヒロイン「フレイア・ヴィオン」役として、声優・シンガーとして本格的に活動を開始する。 誕生日:1997年10月1日 星座:天秤座 血液型:A型 出身地:愛知県 趣味:音楽鑑賞、ムーミンのグッズ集め
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