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『ペルソナQ2』映画の世界で邂逅するペルソナ使いの新たな物語

『ペルソナQ2』映画の世界で邂逅するペルソナ使いの新たな物語

苦労するのにクセになる!? 醍醐味の手作りマップ

さまざまな映画の世界に入り、先へと進んでいくことでストーリーも進行していく本作。各映画の世界はマス目で構成されたダンジョンが複数エリアで存在し、プレイヤーは1マスずつ進みながら最深部のエリアを目指すことになる。複雑に入り組んだダンジョンはまさにラビリンス。やみくもに進んでいると、すぐに自分がいまどこにいるのか見失ってしまう。

▲ダンジョンに入る際は、映画館にあるショップでアイテム“カエレール”の購入を忘れずに。映画の世界では、スタートと最深部以外だけが映画館への出口。強制帰還できるカエレールがないと、パーティーが全滅しかけていても戻る手段がない(写真は上画面)

▲最初に入ることになる映画『カモシダーマン』は、ニューヨークのような大都市が舞台で摩天楼が建ち並んでいる(各写真は上画面)

▲ほかには、あの有名な恐竜映画を彷彿とさせるような映画も。映画の世界ごとに風景はガラリと変わるので、新しい映画の世界に入るたびワクワクさせてくれる(写真は上画面)

そこで重要になってくるのが、ニンテンドー3DSの機能を使った本作ならではの要素“手描きのマッピング”。映画の世界では、下画面に真っ白な方眼紙のノートが映し出されており、タッチペンでノートに線を描き込んだり色を塗ったりすることができる。これを利用して、手描きのマップを作っていくというわけだ。

▲映画の世界に入ったばかりだと、ノートはまっさらな状態(写真は下画面)

プレイヤーが歩を進めると、ノートには進んだマスのぶんだけ自動で色が塗られていく。あとは、それをもとに壁となる場所に線を描き込んだり、扉があった場所にあらかじめ用意されている扉の記号を置いたりすることで、次第にダンジョンの様相を明らかにすることができる。まだ行けていないルートも描き込んでおけば、道に迷うこともなくなるだろう。また、映画の世界にはスイッチといったギミックやアイテムが手に入る宝箱などもあり、これらも該当する記号をマップに置けば、その位置に宝箱があることがわかるだけでなく、その宝箱を開けたかどうかもわかるようになっている。

▲『カモシダーマン』の舞台カモシティにはサーチライトがあり、ライトが当たっているマスに入ると強制的に戦闘へ(写真は上画面)

▲サーチライトの近くを探してみると、スイッチを発見。押してみると、ライトが消えて安全に先へと進むことができた(写真は上画面)

▲進んでいくと、歩いた場所に自動で色が塗られていく。色が塗られている周りに線を引いて壁を作ったりすると、よりマップの輪郭がわかりやすくなる(各写真は下画面)

手描きのマッピングに関して、行うか行わないかはプレイヤー次第。マップを作成しなかったからと言ってのちのストーリーに影響があるわけではないので、ノートに何も描き込まず最深部へと行くことも可能だ。また、コンフィグ画面でオートマッピングできるよう設定すると、自動で壁を描き込んでくれるので、マップを作る時間を短縮することもできる。しかし、それでも筆者としては、ぜひ手描きでマッピングをしてもらいたい。手描きを行うと時間がかかるし、苦労もする。ただ、本作はマップを進んでいるなかで敵と遭遇し、それを倒しながら先に進まないといけないため、一度も映画館に帰還することなく最深部まで歩を進めるのは難しい。ギミックの位置やショートカットできるルートなどをちゃんと描き込んでいれば、再び映画の世界に入っても迷うことなく先に進むことができる。苦労しただけ、よりスムーズに先へと進めるのだ

▲各エリアには金色の特別な宝箱が置かれており、開けるとめずらしいアイテムを入手できる。ただし、開けるためにはそのエリアの行ける場所すべてを巡り、エリア“踏破率”を100%にしなければいけない(写真は上画面)

マップの作りかたに関して特に決まりはないので、壁や扉、宝箱の位置などがわかるシンプルなマップから、その場所にどんなギミックがあったのか、どんなイベントが起きたのかなどを細かくメモしたマップを作ることだってできる。自分だけのこだわりを凝縮したマップ作りは、決して飽きることがない。一度マップ作成を始めると、だんだんと「こういうマップのほうが見やすいのでは?」と止めどきを見失っていき、気づけばマップ作成にハマっているはずだ。

爽快感が病みつきになる戦闘

映画の世界には、プレイヤーの行く手を阻むものが存在する。シリーズ共通の敵“シャドウ”だ。映画の世界を進んでいると一定の確率で遭遇するシャドウとの戦闘は、ターン制で進行。まずはパーティーの各キャラクターに攻撃や防御などの行動を指示し、すべてのキャラクターへの指示が終わると“速”のパラメーターが高い順に敵味方が行動を開始。すべての行動が終わると、再び行動の指示を行う。これら一連の流れを繰り返し、最終的に敵から逃げるか、敵味方のどちらかがすべて倒れると戦闘は終了する。

▲戦闘に参加できるパーティーは5人まで編成可能。“FRONT”と“BACK”のポジションがあり、“FRONT”は攻撃で敵に与えるダメージが上昇する代わりに敵から受けるダメージも上昇する。“FRONT”にはHPや攻撃力が高いキャラクターを置くといいだろう(写真は上画面)

▲上画面右下には数字が表示され、歩を進めていくと3→2→1とだんだん小さくなっていく。これは敵と遭遇するまでの指標となっており、1の状態になって移動しているとランダムで敵と遭遇する(写真は上画面)

そんな戦闘において重要になるのが、“弱点”を突いた攻撃だ。本作の敵のほとんどには弱点の属性が設けられており、たとえば炎が弱点の敵に炎属性の攻撃をすると敵は“ダウン状態”に。ダウン状態になった敵は行動順が最後になるのだ。しかも、1ターンの間にすべての敵をダウン状態にできるとパーティー全員で一斉に攻撃する“総攻撃”が可能になる。総攻撃はすべての敵に大ダメージを与えられるので、うまくいけば総攻撃1回で一網打尽にだってできる。

▲敵の情報は下画面でいつでも確認できる

ただし、敵の弱点は最初からわかるわけではない。一度弱点が判明した敵は、それが情報として更新されいつでも確認できるので、まずはさまざまな属性攻撃のスキルを使って敵の弱点属性を探っていく必要がある。とはいえスキルを使用するとHPまたはSPを消費し、当然のことながら敵も攻撃してくるので、戦闘を長引かせたくない。炎属性のスキルを使ってくる敵は氷属性が苦手なことが多いなど敵によって特徴があるので、戦闘ではいかに早くそれを把握して弱点を発見し、総攻撃で大ダメージを与えるところまでもっていくかがポイントになってくるのだ。これらすべてがうまくハマり、戦闘開始1ターン目で総攻撃を決め、敵を全滅させられたときの爽快感は病みつきになるレベル。いかにして敵を倒すのかではなく、いかにして弱点を突いて一網打尽にし“かっこよく”かつ“気持ちよく”敵を倒すか。そのために戦略を巡らせることこそ、本作の戦闘でのおもしろさと言っていいだろう。

▲総攻撃で敵を全滅させたときの特殊演出も見もの。こんなかっこいい演出で勝利を飾れるのだから、何が何でも総攻撃で敵を倒したくなる(写真は上画面)

▲一定の確率で遭遇する通常のシャドウとは異なり、映画の世界を目に見える形で徘徊している“F.O.E”と呼ばれるシャドウも存在。F.O.Eにぶつかってしまうと戦闘になるのだが、通常のシャドウと比べて非常に強力なため、レベルを相当上げないと太刀打ちできない。F.O.Eは特定のルートを行ったり来たりしているので、動きをしっかり観察すればぶつからず先へ進める(写真は上画面)

ここまで述べてきたことからもわかるように、手描きのマッピングに爽快感あふれる戦闘と、本作には中毒性の高い魅力的な要素が数多く備わっており、シリーズファンはもちろん、ゲーム好きならだれでも夢中になれる作品に仕上がっている。繰り返しになるが、シリーズ作品のキャラクターを一気にわかる本作は、『ペルソナ』シリーズをプレイしたことがないという人にも遊んでもらいたい。ゲームの難易度もストーリーの最初に設定できるので、ダンジョンRPGのようなジャンルが苦手だという方でも十分楽しめるはずだ。ちなみに、筆者は5段階ある難易度のうちの3段階目“NOMAL”でプレイしたが、戦闘では油断していると敵のスキルなどでごっそりHPを削られたりと、十分に歯ごたえのある難易度だった。

次回は、戦闘での戦略性をさらに深めてくれる“ペルソナ”や、ストーリーを進めていくことで追加されていくさまざまな要素について掘り下げていこうと思う。

フォトギャラリー

■タイトル:ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス
■メーカー:アトラス
■対応ハード:ニンテンドー3DS
■ジャンル:3DダンジョンRPG
■発売日:発売中(2018年11月29日)
■価格:パッケージ版、ダウンロード版 各6,980円+税


『ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス』オフィシャルサイト

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