Interview

前山剛久&小松準弥&佐伯 亮の和気藹々トーク。舞台「妖怪アパートの幽雅な日常」のことから物件探しのこだわり!?まで

前山剛久&小松準弥&佐伯 亮の和気藹々トーク。舞台「妖怪アパートの幽雅な日常」のことから物件探しのこだわり!?まで

妖怪たちの暮らすアパートに入居した男子高校生の心の成長を丁寧に描いていくストーリーが共感を呼び、シリーズ累計580万部発行となった小説『妖怪アパートの幽雅な日常』の舞台化作品が、1月11日(金)から紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA にて上演される。
主人公・稲葉夕士を演じるのは前山剛久。夕士の親友・長谷泉貴を演じるのは小松準弥。アパートに暮らす霊能力者・龍さんを演じるのは佐伯 亮。多くの舞台で重要な役どころを担ってきた注目の若手俳優たちだ。大人気2.5次元シリーズの舞台『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』で共演していた3人は気の置けないトークで、ブルッとくるような心霊体験談から、熱い想いがうかがえる今作への意気込み、作品にちなんだ質問「賃貸のこだわり条件」「最近、世界が広がったこと」に対してまで、愉快な回答を繰り広げてくれた。

取材・文 / 片桐ユウ 撮影 / 冨田望


実は、さっきも心霊写真が撮れちゃったんですよ

お稽古が始まったところだとお聞きしました。カンパニーの雰囲気はいかがですか?

小松準弥 それはもう!……ねえ?

佐伯 亮 んん?

前山剛久 まだ準弥はいないでしょ?(笑)

小松 そうなんです。別舞台の本番中(取材当時)なので、僕はまだ参加できていなくて(笑)。なので、僕もぜひ稽古場の雰囲気を聞きたいです。

前山 雰囲気で言うと、ほんわかしているよね?

佐伯 ですね。

前山 精神面を使うお話ではあるから集中力はいるけど。今は学校か大学のゼミみたいな感じ。本読みして「ここの感情ってどうなの?」「こうだと思います」「でもコッチのほうが合っている気がしない?」って演出家さんとやりとりしてる。この作品について研究しているみたい。まるで、教授と生徒?(笑)

佐伯 “テーブル稽古”の最中なんですよね。みんなで丸くなって座って、作品について語っている。「一幕では夕士がこうで、二幕ではここまで変化して……」って、みんなで共有していっている段階です。

前山 でも今日から立ち稽古だから、また変わってくる気がする。

小松 子役の子たちも参加しているの?

前山 クリ役の子たちは、今日の立ち稽古から参加するよ。

佐伯 荒井 悠くんと猪股怜生くん。ふたり合わせて“ユウ、レイ”っていう。

小松 あっ! たしかに……!!

前山 偶然、悠くんと怜生くんって名前の子が選ばれたんだって。

小松 それで“ユウレイ”……なんかゾワッとするものがある!(笑)

前山剛久

不思議なご縁、さっそく「妖怪アパート~」感がしますね。

前山 実は、さっきも心霊写真が撮れちゃったんですよ。

佐伯 そうなんです! (別の現場で)チェキを撮ったら、僕の額にだけ謎の光が浮かんでいて……でも守護霊的な良いモノだと解釈することにします(笑)。

小松準弥

「妖怪アパート~」には、それこそたくさんの妖怪や幽霊たちが登場しますが、皆さんは霊的なモノを感じたことは?

前山 信じてはいますね。でも夕士の台詞に「いてもいなくても、どっちでもいいと思っていた」というのがあって、僕もそうだなと思います。特に害がなければ、どちらでもいい存在だと思っているところがある。

佐伯 僕はこの作品に出演するとなってから、見方というか居方がちょっと変わった気がします。僕が演じる龍さん的にはそれらの存在が当たり前なので、そこに近付けようと思って、幽霊や神様、「イザナギとイザナミ」の神話とかからたくさん調べていて。知っていくと、そういったものの存在が当たり前になってくる感覚があるんです。そう思うと、昔から神社に神頼みとかにも行っていたなあって。「オーディション、受かりますように~!」とか、そういう感じですけど(笑)。

全員 (笑)。

小松 僕は昔から「いるだろう」と思っていたタイプでした。幽霊とかって絶対いるものなんだろうなって。実際に見たこともあって「ああ、やっぱり」と思いました。

佐伯 亮

体験談もおありになる? “劇場”には多いと聞きますが……。

小松 ◯△劇場の裏で見たことあります。共演者の衣裳を着ている人が廊下の向こうにいたから声をかけたのに振り返ってくれなくて、そのまま角を曲がって行っちゃったんです。「聞こえなかったのかな?」と思っていたら、その人が後ろから「おう!」ってやってきて。「あれ? じゃあ、行っちゃった人はいったい誰だったんだろう?」と……。それを他の共演者にも言ってみたら、口々に目撃談が出てきて盛り上がりましたよね。

前山 そうそう。でも僕も◯△劇場で見たんだけど、その後の△×劇場にもいたから……。

佐伯 それは劇場じゃなくて、絶対誰かに付いていたヤツですね(笑)。

前山 体験談として、一番経験値が高いのは亮じゃない?

佐伯 家に出ました! 引っ越す日、仕事で僕が部屋にいることができなかったので、友達に泊まりで部屋の引き渡しを頼んだんです。そうしたら、その夜に女の人が床を這いずり回っているのを見たっていう……。

小松 怖い~!

佐伯 後日、霊感の強い人に聞いたら「引っ越しして欲しくなかったんじゃない?」って言われました。でも僕は見たことがなくて、友達が見たっていうのが微妙(笑)。

前山 出るタイミング、間違えちゃったのかな?

全員 (笑)。

小松 僕も住んでいた部屋に人を泊めたときに「夜中、台所がガチャガチャうるさかったんだけど」って言われることがあったので、もしかしたら“いた”のかなと思います。僕自身は気にしたことがないから、霊感があるほうではないんでしょうけど。

前山 僕もそんなにあるほうじゃないなあ。金縛りとか、舞台上でちょこちょこ見かけたくらい。

小松佐伯 いや、それは結構見ているほうですよ!(笑)

いい話ですよね、「妖怪アパートの幽雅な日常」って!

エピソード、出てきますね! そのあたりの体験談が今回に活かせることは?

前山 どうだろうなあ……。僕が演じる夕士は、最初の頃は幽霊や妖怪を受け入れられないですけど、徐々に受け入れられるようになっていって、固定概念が溶けて成長していくので。その“今”感じている当たり前の感覚は、お芝居に活かせる気はしますね。それと、夕士は幽霊に対して虚勢を張るタイプらしいんです。「べつに怖くないし!」って(笑)。僕も「ビビってないし!」となるタイプだと思うので、そこの共通性も活かしていける気がします。

小松 幽霊って僕らの生活のちょっと先に“いる”と思うんですよ。日常的な枠の外にいて、身近じゃないからこそ存在も信じられるけど、いきなりコッチの枠に入ってこられたらやっぱり驚きますよね。でも……いい話ですよね、「妖怪アパートの幽雅な日常」って!

佐伯 え!!  何? 急に!?

前山 急にきたな(笑)。

小松 幽霊を身近に感じる生活は、“非日常”になるということですけど、夕士にとってはそれが“日常”になっていくんですよね。読み手からすると、一見ファンタジー要素ですけど、実は自分の中の枠をはずしていくお話なんだなって。……蚤の話、聞いたことあります?

前山佐伯 蚤? どんな話?

小松 蚤は小さいケースに入れて飼っておくと、そのケースをはずしてもケースがあった高さ以上には飛ばないし、その範囲から出て行かなくなるそうなんです。

佐伯 へえー!

前山 その範囲が当たり前になっちゃうんだ……。

小松 この蚤の話って、今回の作品のメッセージに近いのかなと思っていて。勝手に決めていた枠を取っ払って、そこから飛び出して世界を広く見ていくことが成長に繋がるし、人生において大切なことになるのかなと思ったんです。そういうことを幽霊との繋がりを通して感じることができる、すごく素敵なお話だなと……すみません、話がズレちゃいました!

いえいえ。蚤の話などからも繋げて作品をご覧になる視点、小松さんが演じる長谷泉貴くんっぽさを感じます。

前山 たしかに。長谷って賢いもんね。

佐伯 (小松の)賢い話、珍しい……(笑)。

小松 オイ!って、そのとおりだけど(笑)。見た目だけは「長谷くんと似ている」と言われるので助かっています。中身は稲葉くんに近いと思うんですけど、自分っぽいと思う人物を外側から見ることは新しい発見に繋がりそうですし、俯瞰で見るポジションが今の僕にとって必要なことなのかなと思ったので、そういうところも含めて長谷くんを演じていけたらと思います!

佐伯さんは、スタイリッシュで美男の霊能力者・龍さん役。

佐伯 僕は見た目、似ていないほうが多いですね(笑)。僕もこれまでは夕士くんのような役柄が多かった気がするので、龍さんのように全体を見ている、みんなより大人で上の役柄は初めてです。挑戦ですし、やりがいを感じます! 幽霊に関しては、自分が経験したことを活かせるかどうかはわからないけど……心霊写真も、正直まだ怖がっていますし(笑)。でも龍さんの考え方を通して見ることで、今持っている“普通”という概念を広げることができると思いますし、今後も幽霊に出会ったら良いふうに捉えていける気がします。

前山さんが演じる稲葉夕士くんは、両親を亡くした16歳。高校に入ってからは自立しようと気負っている少年です。

前山 ふたりは自分自身や演じてきた役柄が夕士に似ていると言っていましたけど、僕自身は夕士と違う部分が結構ありますね。でも人間くさい部分は共感できますし、演じるうえでは考え過ぎないことが大事なのかなと思っていて。スタートの気持ちさえつくったら、あとは感じるまま、流れに身を任せたほうがいいのかなって。夕士はTHE・主人公ですけど、成長具合がリアルなんですよね。少年漫画だったら師匠に鍛えてもらった途端にめちゃくちゃパワーアップして、また強い敵が現れることによって力のインフレがどんどん起こっていくところだと思うんですけど(笑)、この作品はそうじゃない。地道にちょっとずつ成長していく。そこが「人間だなあ」と思いますし、その部分を大切にして小手先で考えずに体当たりで演じていきたいです。

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