Interview

さめざめ 恋、愛、SEX・・・“メンヘラ界のカリスマ”が振り切って表現した女性が抱える赤裸々なリアル

さめざめ 恋、愛、SEX・・・“メンヘラ界のカリスマ”が振り切って表現した女性が抱える赤裸々なリアル
昨年インディーズ回帰作「HのつぎはI」をリリースし、誰にも言えない恋をする女性達にリアルで強烈なメッセージを届け、支持されているさめざめが2016年最初のシングルをリリースに際して、笛田さおりに話を聞く機会を得ることができた。
“日々の生活の中で、心のどこかが病んでいる人を、感受性がすごい豊かだ”という想いから、常に自身と向き合って、赤裸々に歌詞を綴り、振り切った表現を行ってることが支持される理由だと感じた。振り切った表現に対して、時にバッシングにあったということからも受け入れ、ブレない姿勢から見えてくる今の彼女の想いを感じてほしい。

取材・文 / 山田邦子 撮影 / 荻原大志

バッシングのコメントとかもすごかったけど、日の目を浴びないよりは全然いいなと思いました。

今でこそ“メンヘラ”という言葉も浸透してきましたし、そういうテーマで曲を書くアーティストも出てきてますが、さめざめとして活動を始めた頃は風当たりが強かったですか?

そうですね。さめざめを始める前は“笛田さおり”として、今もやってる「スカートめくり」とかは歌ってたんですけど、その頃はまだメンヘラって言葉も世の中に浸透してなくて。それから、さめざめを始める時に“なんでこういう下世話なことを歌ってる人っていないんだろう?”と思い、下世話だけどJ-POPな曲を作っていきたいと思ったんです。「コンドームをつけないこの勇気を愛してよ」とか「愛とか夢とか恋とかSEXとか」をYouTubeなどで発表した時はバッシングのコメントとかもすごかったけど、日の目を浴びないよりは全然いいなと思いました。

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反応があるということは、それだけ届いてるということですからね。

有名になるっていうのはそういうことなんだろうなと思ったし、この人たちに伝わらなくてもべつにいいやというぐらいだったので、もっともっと面白い曲を作ろうっていう気持ちになっていきました。でもその後メジャーに行くにあたって、私自身が勝手にいい子になっちゃった部分もあったんですよね。タイアップを取るために一生懸命プロモーションしてくださるんですけど、私なりに頑張って書いてもダメ、振り切っても使われない。じゃあどうしよう?ってみんな困ってた時期もありましたし。

でも、その「愛とか夢とか恋とかSEXとか」でメジャーデビュー出来たこと自体はよかったんじゃないですか?

それはありがたかったです。だけど有線で流す時は、歌の中の“SEX”って言葉はぼやかしてあるんです。聴こえてると思うんですけど、一応(笑)。レコード会社の方は、見えないところでいろいろ苦労されてたんですよね。あの曲でさめざめを知ったって方も多かったと思うから、なんとか上手く、その後もそのままいきたかったんですけど、やはりSEXの壁は(笑)。

自分のやりたいことを貫いてインディーズに戻ってやった方が後悔はないなと思ったんですよね。

厚かった、と。

そうですね。逆にそういうものじゃない、全く違うような作品でガツンと売れて、“これで自分を極められる”っていう自信にまで繋がるならよかったんですけど、そういうことでもなく。とにかく何しても中途半端だったんで、だったら自分のやりたいことを貫いてインディーズに戻ってやった方が後悔はないなと思ったんですよね。

現在はほぼひとりで動いてるんですよね。

リリースなど協力してもらってる部分もありますけど、基本はひとりです。

ひとりの方が自由でいいとか、やっぱり誰かと一緒にやりたいとか、そのあたりはどう感じてます?

んー、どっちもありますね。だけど、もともとは自分でやるのが好きな人間なんですよ。たとえばアートワークに関しては、今回も福井伸実さん(※ゲスの極み乙女。などのジャケットなども手掛けるアーティスト)と一緒にやってるんですけど、1対1で意見を交換しながら文字の配列まで細かく決めたり出来る今のスタイルは、性格的にも合ってるのかなとは思います。

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今回のジャケットもすごく目を引きますが、「君が死ぬとき思い出す女の子になりたい」ってこのタイトルがまたすごいインパクトですよね。

このタイトルになりましたって発表した時、Twitterの反応がすごくて。“私もそう思います”って言う人がたくさんいて、あぁ、みんなそう思ってるんだなあって思いましたね。

このタイミングで出そうと思ったのはどうしてだったんですか?

本当は、メジャーでもう少しだけリリース出来るはずだったんです。あと1枚フルアルバムを出した時点で契約が終わればよかったんでしょうけど、それが出来なかったから、自分の中では不完全燃焼だったんですね。だから、契約が切れたらすぐにCDを出したいと思い、まず「HのつぎはI」というインディーズ回帰作を出したんです。じゃあそこからどうしようか?と考えた時に、とりあえず2016年は何かしら動かないとダメだと思い、曲も何も出来てないのに“夏にリリースします!”って今年の元旦に宣言したんですよ(笑)。“夏のさめざめPOPソング、出しますよ!”ってホラ吹きながら自分に喝を入れ(笑)、そこに向けて作ってきました。

曲の内容としては、“メンヘラ界のカリスマ”であるさめざめらしさが全開です。

“帰ってきたメンヘラ界のカリスマ”って言葉、私が勝手に言い出したんです(笑)。実はインディーズに戻る時、ファンの方がすごい喜んでくださったんですよ。私としては“え?メジャーじゃダメだったのかな”ってちょっと悲しかったですけど(笑)。でもそれって、ある意味すごく嬉しいことでもあって。

インディーズに戻ったからにはインディーズらしくメンヘラを極めようと。

いわゆる“さめざめ”への期待感ですよね。

もともとユーザーの人たちからも“サブカル メンヘラ クソビッチ”って言われてたことだし、インディーズに戻ったからにはインディーズらしくメンヘラを極めようと。あと“メンヘラ”って言葉がもう当たり前になってきてるから、それを敢えてバンバン出すことによって、メンヘラ・ユーザーを囲っていこうっていう(笑)。

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メンヘラ・ユーザー(笑)!

私、10人中9人の女性はメンヘラだと思うんです。ライト・メンヘラとかダーク・メンヘラとか、メンヘラの割球みたいなのがあって、きっと誰しもが該当すると思ってるんですよ。手首にいっぱい傷があるのにすごい楽しそうに喋ってるような人はメンヘラの極みだと思いますけど、好きな人のことを好き過ぎてSNSで追っちゃうとか、彼氏のケータイを見ちゃうとか、外では普通なんだけど家に帰ってひとりになるとすごい暗くなるとか、タイプはいろいろあるから。

それをメンヘラだと言うか言わないかの問題であって、いまどきの女子としては結構普通なことですよね。

そうそう、自覚症状がないだけで(笑)。

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