Interview

GLIM SPANKY 2ndアルバム『Next One』、とめどない創作意欲の結実

GLIM SPANKY 2ndアルバム『Next One』、とめどない創作意欲の結実

破竹の進撃を続けるGLIM SPANKYが、早くもセカンドアルバム『Next One』をリリースする。 今年1月に出たミニアルバムのタイトル曲「ワイルド・サイドを行け」がすでに今年のベストロックチューンとの呼び声が高い中、さらに強力なリード曲「怒りをくれよ」が映画『ONE PIECE FILM GOLD』の主題歌に抜擢された。その両曲が収録されているといえば、このアルバムの重要度と勢いがわかるだろう。
他のロックバンドの追従を許さないハードなサウンドと、力強いメッセージをたずさえたリリックを擁した曲がズラリと並ぶ。メンバーの松尾レミ(vo&g)と亀本寛貴(g)の爆発的な創作意欲は、目もくらむほどの輝きを見せている。
ロックに特化する一方で、エキゾティックなサウンドにもチャレンジした『Next One』は、GLIM SPANKYのエナジーと懐の深さを聴かせてくれる痛快なアルバムだ。

取材・文 / 平山雄一 撮影 / 増永彩子


アルバム作りを意識し始めたのは?

松尾 ファーストアルバム『SUNRISE JOURNEY』を録り終わってすぐ!

亀本 マジで?(笑)

松尾 すぐ意識し始めました。

亀本 ウソだ。

ウソって(笑)

松尾 どんなことをやりたいかなあ、こういう曲を入れたいなっていうぐらいの程度ですけど、構想は練り始めていました。

亀本 マジか!

松尾 ただ、その前にミニアルバムをリリースする話が来ちゃったので、フルアルバムの中に入れたいと思う曲を、ミニアルバムで小出しにして作ろうかなと。なので、ちゃんとアルバムの曲を作り始めたのは去年の10月ぐらいからですね。 

GLIM SPANKY

ファーストでやりたいことをやれなかったってことではないよね。

亀本 もちろんもちろん。

松尾 もっとやりたいことがたくさんあったんだけど、そのときの自分たちでは表現しきれなかったから、今回は“できなかったこと”に挑戦したって感じですね。

ファーストアルバムと作り方が変わったところは?

亀本 根本的に違います。ファーストは全曲、プロデューサーがいたけど、今回はいない。そこが圧倒的に違いますね。ただ「怒りをくれよ」だけは前作「ワイルド・サイドを行け」と同じく亀田さんとやりました。けれど、それ以外は基本、自分たちでやってるっていうのは大きいよね。

松尾 うん、大きい。

まず、リード曲の「怒りをくれよ」は?

松尾 これはもう、自分の感情をそのまま歌った歌。ワンピース側からは、こういう曲を書いてくださいっていうリクエストが何もなかったんですよ。思う通りに作ってくださいって言われた。でも何を書いていいかわかんない。それでもどんどん時間は過ぎていく。焦りと怒りで私の感情が爆発したとき、「そうか、これを曲にすればいいんだ」と思って(笑)。

完全に開き直りだね(笑)。

松尾 怒りをそのまま書きました(笑)。そうしたら、この感情はルフィと同じだと思った。ルフィは「ちくしょー、仲間をこんなにしやがって、ふざけんなー」って戦いに行くわけですよ。でも、その怒りや悔しさがすごいパワーになるんですよね。尾田(栄一郎)先生がルフィに託した「みんな頑張れよ!」っていうメッセージも、この曲にきっと含まれてる。ワンピースの曲を書こうと思って書いたわけじゃないのに、ルフィと私の精神って近いんだなと思いました。

レコーディング前にベースの亀田(誠治)さんとドラムのカースケさんに、「私たちは今、15歳です。15歳の気持ちでやりましょう」って言ったら、みんなが「オー!」ってなって。みんなの気持ちがひとつになった音源になったと思います。この曲が本当の意味で完成しました。

GLIM SPANKY

今回、どの曲も歌詞がすごくいいですね。

松尾 ホントですか。ありがとうございます。好き勝手、書いたんですが、「闇に目を凝らせば」とか「いざメキシコへ」とか、「風に唄えば」とかは、めちゃくちゃ大好きです。歌詞が今の自分にすごくフィットしてる。大好きなものを作れてよかったって感じです。

中で「NIGHT LAN DOT」は変わってますね。“バンドネオン豹”って言葉が出てくるけど?

松尾 大学生時代に作った曲で、あがた森魚さんの「バンドネオンの豹(ジャガー)」というアルバムからいただきました。

80年代のアルバムだ! よく知ってるね。あがたさんには初期のTHE YELLOW MONKEYもすごく影響を受けてる。

松尾 私、高校のときに、あがた森魚さんのアルバムをすごく聴いてた時期があって。もともと文学者の稲垣足穂の作品がすごく好きだったんですけど、その作品をオマージュしてあがた森魚さんが曲にしたものなんです。なので、稲垣足穂つながりで私はあがたさんを聴くようになった。私も自分の言葉として稲垣への曲を作りたくて、あの言葉を借りちゃおうってことで。私の中で“密かなるあがた森魚とのコラボ”みたいな(笑)気持ちで作りました。

稲垣足穂とか読んでたら、学校で友達ができないでしょう(笑)?

松尾 あ、大学の友達には結構好きな子がいましたよ。私の父親がそういう系統のコレクターで、それに影響を受けてました。稲垣意外にも、渋澤龍彦とか寺山修司も好きだった。そういう世界観に憧れてたのが、その時期ですね。

GLIM SPANKY

変わってる親父さんだなあ、僕も好きだけど(笑)。亀本くんはそういう話についていけてた? 避けていた?

亀本 避けてた(笑)。僕、そういうこと全然興味ねえもん、知らんって。

(笑)

松尾 宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」とか、「この本を読んでみない?」っていろいろと渡したんですけど。

亀本 興味ない。本って読まない。マンガは読んでた、ネコのマンガとか。

松尾 あ、ますむらひろしの「アタゴオル玉手箱」ね。

亀本 マンガなら読める。

松尾 あとは画集とかでイメージを共有したりはしてました。今回のアルバムの「闇に目を凝らせば」は、私の中でかなりイメージに合った画家がいたので、ポール・デルヴォーとマックス・エルンストのエッチングの画集を見せて。 

亀本 うん。でも、基本、音楽でコミュニケーションしちゃうかなって感じだよね。

松尾 でも読んでないわりには、イメージ通りの音を作ってくれる(笑)。

亀本 だから音楽でしかわかんないんだって(笑)。

GLIM SPANKY

他に歌詞でのチャレンジはあったんですか?

松尾 アレン・ギンズバーグとか、憧れの外国のメキシコとか、今までそういう名前を出したことがなかったんで、出してみたり。自分の中では面白い挑戦でした。「grand port」は物語のある歌詞を書いたことがなかったので、それもやってみたり。「話をしよう」っていう曲では、一見、クサイと思われがちなテーマを本気で書くっていうことに挑戦しました。あとはホントに、自然にできた曲ばっかりですね。

どの歌詞からも強いメッセージを感じます。 

松尾 ファーストから変わらず、生々しさがあることが大前提の上で、誰が聴いたとしても自分のことだと思えるような、普遍的な言葉であること。そして、私は「ロックは希望だ」と思っているので、どんな暗い曲でも、どんなに前が見えない曲だとしても、最後は絶対に、希望や愛があること。それが私の作りたいロックの条件です。

ちなみに、これだけ忙しくレコーディングをしている中で、ライブのペースもまったく落ちていないですね。

亀本 二つはまったく別物です。レコーディングや曲作りはすごく悩むべき、シビアに考えるべきで、丁寧にやったほうがいいと思ってる。でもライブは、細かいことを考えるよりも、豪快さがもっと必要かなと思ってて。そのくらいのポテンシャルというか、素のエネルギーがないとね。レミさんのシャウトの説得力と、僕のギターのチョーキングひとつの説得力っていうところを高めたライブをするほうが、より僕ららしく、シンプルに伝わりやすいんじゃないかなと思ってます。

GLIM SPANKY

最後に『Next One』を完成させた感想は?

松尾 やりたいようにやらせてもらったんで、もうセカンドはOKって感じです。これからやりたいことが、もっとたくさんあるんで。

まさか、もうサードアルバムのことを考えてるの?

松尾 考えてます。

亀本 マジか!!(笑)

 

リリース情報

GLIM SPANKY 「Next One」

【初回限定盤(CD+DVD)】

GLIM SPANKY 「Next One」

【通常盤(CD)】

2016年7月20日発売
アルバム『Next One』

【初回限定盤(CD+DVD)】

TYCT-69104/¥3,700+税

【通常盤(CD)】

TYCT-60086/¥2,700+税

【早期購入特典】
ONE PIECE スペシャル黄金スリーブケース

【収録曲】
01. NEXT ONE (ブラインドサッカー日本代表公式ソング)
02. 怒りをくれよ(映画 『ONE PIECE FILM GOLD』主題歌)
03. 闇に目を凝らせば(10月8日(土)公開映画『少女』主題歌)
04. grand port
05. 時代のヒーロー(Amazonオリジナルドラマ 『宇宙の仕事』主題歌)
06. 話をしよう(NHK Eテレアニメ 『境界のRINNE』 第2シリーズエンディングテーマ)
07. NIGHT LAN DOT
08. いざメキシコへ
09. 風に唄えば
10. ワイルド・サイドを行け

【初回限定盤特典DVD収録内容】
“ワイルド・サイドを行け”ツアー(2016.4.16恵比寿LIQUID ROOM)
01.ワイルド・サイドを行け
02.褒めろよ
03.リアル鬼ごっこ
04.ダミーロックとブルース
05.夜明けのフォーク
06. BOYS&GIRLS
07.時代のヒーロー
08.NEXT ONE
09太陽を目指せ
10.大人になったら
11.話をしよう
※ライブ映像約50分収録予定

ライブ情報

Next One TOUR 2016 (全 13 会場)

9月22日 (祝・木) 長野 CLUB JUNK BOX
9月24日(土) 京都磔磔
9月25日(日) 高松 TOONICE
9月30日(金) 福岡 the voodoo lounge
10月1日(土) 岡山ペパーランド
10月6日(木) 金沢 vanvan V4
10月7日(金) 新潟 CLUB RIVERST
10月10日 (祝・月) 札幌 BESSIE HALL
10月14日(金) 仙台 MACANA
10月16日(日) 広島 CAVE-BE
10月22日(土) 梅田 umeda AKASO
10月28日(金) 名古屋 BOTTOM LINE
10月30日(日) 新木場 STUDIO COAST

GLIM SPANKY

本物のロックを鳴らす“オーセンティック・ロック”の旗手
Vocal, Guitar :松尾レミ(24歳)
Guitar :亀本寛貴(25歳)
60~70年代のロックとブルースを基調にしながらも、新しい時代を感じさせるサウンドを鳴らす、松尾レミ(Vo/Gt)&亀本寛貴(Gt)からなる男女二人組新世代ロックユニット。2014年に1st ミニアルバム『焦燥』でユニバーサルミュージックよりメジャーデビュー。松尾レミの日本人離れしたハスキーな歌声が、多くのクリエイターを夢中にさせ、既に9つものCMで歌唱を担当。5月13日に配信リリースEP『話をしよう/時代のヒーロー』は iTunesロックアルバムランキング1位を獲得し、各所から注目を集めている。
昨年10月赤坂BLITZにて行ったワンマンライブはソールドアウト。昨年の夏は、JOIN ALIVE、FUJI ROCK FESTIVAL、SWEET LOVE SHOWERに、年末はRADIO CRAZY、COUNTDOWN JAPAN等の大型フェスを総ナメにし、沢山のロックファンを沸かせた。メンバーの野望は「日本語の楽曲で世界に打って出ること」。そして、今夏公開される映画『ONE PIECE FILM GOLD』の主題歌に抜擢。その主題歌が収録された、2ndアルバムを7月20日にリリース。

オフィシャルサイト http://www.glimspanky.com/