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三浦春馬の“狂気”を大島優子の“慈しみ”が救う。舞台『罪と罰』フォトコールで感じた今年最初の傑作の予感

三浦春馬の“狂気”を大島優子の“慈しみ”が救う。舞台『罪と罰』フォトコールで感じた今年最初の傑作の予感

1幕はジェットコースター、2幕はそれぞれのキャラクターの心情にフォーカス

公開フォトコール後、初日前会見が行われ、三浦春馬、大島優子、勝村政信、麻実れいが登壇した。

初日を翌日に控えたラスコリニコフ 役の三浦春馬は「怪我なく初日を迎えることができて嬉しいです。上演台本・演出のフィリップが10年以上考えて温めてきた作品です。彼の想いが少しでも報われるように僕たちカンパニーみんなでしっかりお芝居を届けたい」と意気込んだ。

娼婦のソーニャ 役の大島優子は「たくさんの方が読まれて、漫画にもなっている原作の舞台です。今回はフィリップさんの頭の中にある新しい『罪と罰』が生まれます。1ヵ月半ほど稽古をしましたが、明日が初日という実感がわかないですね」と笑顔に。

国家捜査官のポルフィーリ 役の勝村政信は「僕は芝居を始めた若い頃に原作を読ませていただきました。長い、苦しい、難しい、おまけに宗教的で『これが舞台になるのかな』と疑問に思っていたのですが、台本を読んで、フィリップさんが娯楽作品として書き上げてくださって安心しました。とてもスリリングで飽きることのない舞台になっています」と語った。

カテリーナ 役の麻実れいは「昨年の12月から稽古をしていましたが、カテリーナは極貧の女性で、稽古中から『とにかく顔を汚せ』とメイクさんに言われて目の下のクマを濃くしたりしましたね。美術も演出も音楽も素晴らしい仕上がりです」と述べた。

フィリップ・ブリーンとは2回目のタッグとなる三浦は「カンパニー全体が出ずっぱりで忙しく、めまぐるしい舞台となっています。体を使った動きが多く、前回とはかなり違った印象を受けました」と語り、役どころを尋ねられると「とてもエネルギーを使います。正義のためとはいえ、ひとつの命をなくすという芝居に向き合うことは経験したことがないので、誠心誠意、稽古に臨みました。稽古後は、心地よい感覚と激しいエネルギーの消耗による疲労を同時に感じましたね」と稽古を振り返った。

海外留学後の初めての舞台となる大島は、演出のフィリップの英語はだいたいが理解できたようで「たしかに海外での経験は今作のお芝居に役立っています。それでも、まだまだわからないところがありましたし、一生終わらない勉強だと思います。私の役は、極貧生活を送りつつ娼婦になって傷だらけになって、心や体を殺しても自分を信じる気持ちを持って生きる女性だと思います。これだけ信じることがあると人を強くしますね」と述べた。

勝村が演じるポルフィーリィはアメリカの人気ドラマ『刑事コロンボ』の主人公・コロンボのモデルになったことを司会者から告げられると、勝村は「コロンボを演じたピーター・フォークさんは、僕と戸塚祥太くんとの二人芝居『Defiled -ディファイルド-』(17)でもお芝居をされていました。しかも、僕はピーター・フォークさんの演じたブライアン・ディッキー 役で出演できたのでご縁を感じています」と語り、「今作は犯人がわかっていますから、彼を捕まえるのではなく、僕の役割は“改心”が目的で、人を許すことが大切になりますから、現代にはあまり見られない役。ですから、ポルフィーリィには愛情すら感じていますよ」と語った。

実際にカテリーナを演じて麻実は「女として母として生きることは、私の実生活に含まれているので彼女の気持ちはよくわかります。そして、貧困のあまり、結核になり、精神さえ患ってしまう。とにかく、100パーセントの声を出して怒鳴るという役が初めてです」と述べた。

三浦と大島は初共演になるが、その印象を問われ、三浦は「大島さんは稽古の中盤あたりで、演出家のメソッドを試している最中に、なかなかうまくできずに感極まってしまったことがあったんです。そのとき、『こんなにまっすぐにお芝居に向き合う方なんだ』と感心しました。彼女の悔しい想いがカンパニー全体に伝わって前を向いて頑張ろうと思わせてくれましたね」と大島に伝えると、大島は「照れますね、恥ずかしいです(笑)。私がやるべきことを忘れて、立ち止まってしまったんです。そんなときに三浦さんがそっとメモを渡してくれて。すぐに読めなかったのですが、そのメモに『味方だよ』と書いてありました。三浦さんの方がセリフが膨大ですし、出ずっぱりなのに、しっかり私を見てくれて、それでいて、みんなにも声をかけてくれるので信頼しています」と語った。

最後に三浦は「息もつかせぬ展開が続きます。1幕はジェットコースターに乗っているようなめまぐるしさに目を奪われると思います。2幕はそれぞれのキャラクターの心情に寄り添い、心の揺れ動きにフォーカスしています。その“メリハリ感”を楽しんでいただければ嬉しいです。劇場でお待ちしています」と語り会見は終了した。

東京公演は1月9日(水)から2月1日(金)までBunkamuraシアターコクーンにて上演。大阪公演は、2月9日(土)~2月17日(日)まで森ノ宮ピロティホールにて上演される。

Bunkamura30周年記念 シアターコクーン・オンレパートリー2019 DISCOVER WORLD THEATRE vol.5
『罪と罰』

東京公演:2019年1月9日(水)~2月1日(金)Bunkamuraシアターコクーン
大阪公演:2019年2月9日(土)~2月17日(日)森ノ宮ピロティホール

STORY
舞台は、帝政ロシアの首都、夏のサンクトペテルブルグ。学費滞納のため大学から除籍された頭脳明晰な貧乏青年ラスコリニコフ(三浦春馬)は、自分は一般人とは異なる「選ばれた非凡人」としての意識で、「一つの微細な罪悪は百の善行に償われる」という独自の理論を持っていた。そして、ついに強欲で狡猾な金貸し老婆を殺害し、奪った金で世の中のための善行をしようとする。しかし、殺害の現場に偶然にも居合わせた老婆の妹までをも殺してしまう……。

原作:フョードル・ドストエフスキー
上演台本・演出:フィリップ・ブリーン
翻訳:木内宏昌
美術・衣裳:マックス・ジョーンズ

出演:
三浦春馬、大島優子、南沢奈央、松田慎也
真那胡敬二、冨岡 弘、塩田朋子、粟野史浩、瑞木健太郎、深見由真、奥田一平
山路和弘、立石涼子、勝村政信、麻実れい ほか

オフィシャルサイト
Twitter(@Bunkamura_info)

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