『映画刀剣乱舞』特集  vol. 2

Interview

「“相棒”のような存在」という山姥切国広を演じる荒牧慶彦。『映画刀剣乱舞』に感じた、新たな発見とは何か?

「“相棒”のような存在」という山姥切国広を演じる荒牧慶彦。『映画刀剣乱舞』に感じた、新たな発見とは何か?

『映画刀剣乱舞』の公開がいよいよ迫ってきた。今回インタビューに登場するのは、山姥切国広 役の荒牧慶彦。舞台『刀剣乱舞』全作品にも出演し、山姥切国広を演じ続けてきた荒牧にとって、この映画化はきっと特別な想いがあるはず。その胸の内を知りたくて、じっくり話を聞いた。

取材・文 / 横川良明 撮影 / 冨田望


下の世代の子たちにまたひとつ夢を見せられたのかな

荒牧さんと言えば、ミュージカル『テニスの王子様』で初舞台を踏み、舞台『刀剣乱舞』にも全作品出演を果たすなど、近年の2.5次元シーンを牽引してきた立役者のひとり。そういう意味では、自分たちの携わってきた『刀剣乱舞』という作品が実写映画になることに特別な想いがあるのではないかなと思って。そのあたりから話を聞いてみたいです。

2.5次元と呼ばれる作品の中で、これほどの展開を見せた作品ってなかったと思うんですね。そう考えると、今、2.5次元を中心に頑張っている下の世代の子たちにまたひとつ夢を見せられたのかなと。あとは何よりこれまでずっと応援してくださったたくさんの方々に2.5次元の可能性を示せたんじゃないかと。そういう想いはありますね。

映画になると聞いたとき、最初は舞台版と別のキャストが出るのかなと想像したんです。

僕もそうでした。なんだったら山姥切国広をやるならこの役者さんかな、なんて予想をしていたんですけど(笑)。あとで「荒牧も出るんだよ」とお話をいただいたときは「そうなんだ!」って、単純に嬉しかったし、驚きでもありました。

一部キャストの違いはありますが、刀剣男士に関してはおおむね舞台『刀剣乱舞』に出演している俳優がそのままキャスティングされています。自分たちがやってきたことが認められたという想いはありますか?

めちゃめちゃありますね。これをきっかけにどんどん2.5次元というものが有名になって、さらに盛り上がって欲しいなと思うし。2.5次元という枠を取っ払って、舞台という伝統ある文化に対して興味を持ってくださる方が増えればという期待もあります。

2.5次元を知らない観客層にとっては、この作品が2.5次元との最初の出会いにもなります。シーンを代表する者としてプレッシャーもありますか?

もちろんヘタなものは見せられないという気持ちは、僕に限らず全員があると思います。ただ、この『刀剣乱舞』という世界に限っては、舞台で培ってきた自信がある。『刀剣乱舞』という世界をみんなよく理解しているし、ほかのどんな俳優さんがやるよりも、自分たちのほうがキャラクターに対する愛情も深い。だからこそ、僕らに任せていただけて嬉しかったですし、あとはもう、僕らなりの『刀剣乱舞』を全国の皆さんに観てもらうだけだっていう気持ちなんです。

映画は「刀剣が見ていた歴史の物語」

では、今回脚本を手がけたのは東映の特撮シリーズで数多くの名作を生み出してきた小林靖子さん。脚本を読んだときに率直にどんなことを感じましたか?

こんな歴史あったら面白いなって。僕、歴史が好きなんですよ。特に、陰謀論とかよくあるじゃないですか。ああいうのを読むとすごくワクワクするタイプで(笑)。今回のお話は、まさに「本能寺の変」という歴史上最大のミステリーに切り込まれていて。単純に「よくこんなこと思いつくな……」って、小林さんの発想力に驚かされました。

小林さんが脚本を担当すると発表された時点で、何が起こるんだろうという悲鳴のような期待がファンの間で渦巻きました(笑)。

そうですよね。今までの小林作品を考えると、いろいろあったので……(笑)。

今回は舞台『刀剣乱舞』の本丸とはまた別の本丸として物語が展開していきます。三日月宗近の描き方というのも、小林さんならではだと思いました。

舞台でも「本能寺の変」が登場しましたが、今回の印象を語るなら「刀剣が見ていた歴史の物語」。こうして語り継がれている歴史上の出来事を刀剣たちはどう見ていたのか。その視点から物語が構築されていて、そこに顕著な違いがあるかなと思いました。

山姥切国広のキャラクターも、舞台版とはまた異なりますよね。

そうですね。大きな違いは、まず近侍ではないこと。そして、舞台版では三日月宗近との関係性に重きが置かれていましたが、映画に関して言えば、そこは舞台版ほどシェアは大きくないかなと。舞台版で山姥切国広はオリジナルの成長を遂げてきましたが、映画に入るにあたって、まずそこをフラットに戻すところから始めました。

三日月宗近に対して山姥切国広はどんな想いを抱えていると捉えていましたか?

三日月宗近は、今回の本丸の近侍。おそらく主からも一番信用されている刀です。もちろん刀剣男士からも信用はされているけど、ちょっと謎があって。この本丸での山姥切国広は達観しているところがあるので、そんな三日月宗近に疑問は抱きつつも、とりあえず隊長の言うことには従おうという感じで行動を共にしているんじゃないかなと思います。

面白いですよね。創り手が変わることで、同じ『刀剣乱舞』でもこんなに解釈や世界観が変わるんだと。本丸の様子も舞台版では想像を膨らませる部分が大きかったですが、映像では映画ならではの本丸がはっきり再現されていて面白かったです。

僕も見て、あんなにデカいんだって思いました(笑)。それぞれ刀剣男士の部屋があったり、庭があったりっていうのはイメージしていたんですけど、映像で見ると想像以上に広くて。あと、「本丸の周りにはバリアが張ってあるんだ!」っていうのも発見でした(笑)。

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