Interview

辻 凌志朗&鎌苅健太が語る“レモン”みたいな舞台とは? 「『Like A』(ライカ)room[002]」まもなく開幕!!

辻 凌志朗&鎌苅健太が語る“レモン”みたいな舞台とは? 「『Like A』(ライカ)room[002]」まもなく開幕!!

1月12日(土)から、全労済ホール/スペース・ゼロにて、舞台「『Like A』room[002]」が上演される。本作は、昨年2月に上演された初演の続編に当たる。大ヒットを記録したオリジナル作品『Club SLAZY』シリーズで演出・脚本を務めた三浦 香、脚本の伊勢直弘、振付の當間里美、楽曲制作のAsu(BMI Inc.)ら手練れの製作陣が贈るミステリー仕立ての舞台となっている。
その作品で、初演においてBB(ビービー)という主人公を演じた辻 凌志朗と本作から出演となるマーマ 役の鎌苅健太にインタビュー。今作にかける意気込み、さらには理想の役者像、今作がなぜ“レモン”のような作品なのかまで、多くの示唆に富んだインタビューとなった。

※辻は一点しんにょう

取材・文 / 竹下 力 撮影 / 冨田 望


本作はHigh-Tide(ハイタイド)の街を描いた作品

先ずは、昨年から約1年ぶり、おしゃれなHigh-Tide(ハイタイド)の街が帰ってきますね。初演から出演されている辻さんから、この舞台に戻ってきた感想をうかがわせてください。

辻 凌志朗

辻 凌志朗 初演はPERMANENT(ペルマネント)というホテルの中のお話でしたが、2作目はホテルの外、つまり街の様子を描いています。個人的に、ハイタイドの街に触れたかったので、脚本を読んで嬉しかったですね。

鎌苅さんは今作からこのカンパニーに加わります。

鎌苅健太

鎌苅健太 前作はDVDで拝見させていただいたのですが、“オシャレ”な世界でしたね。僕の仲間が、2013年からスタートした『Club SLAZY』シリーズに出演していて、その作品のことを好きだとよく聞いていました。そのスタッフ陣が贈る作品で、おまけに脚本・演出の(三浦)香さんも、脚本の伊勢(直弘)さんも、振付の(當間)里美さんも昔からお世話になっているので、面白い舞台になるのは確実で(笑)。あと楽曲制作のAsu(BMI Inc.)さんの音楽が素晴らしいんです。そんな曲に合わせて、しっかり稽古を積んだ若い子たちの歌は上手だなと感心しました。最近の舞台にはない傾向の作品ですから、良い意味で異質感があるし、謎めいたところもたくさんあって、海外ドラマのような結末が見えない雰囲気も漂っていました。

鎌苅さんがおっしゃったように、以前、三浦さんにインタビューさせていただいた時にも海外ドラマのお話が出てきました。それでは、辻さんが演じるBB(ビービー)と鎌苅さんが演じるマーマの役所を教えてください。

 ペルマネントの最下層に位置していて、いわゆるレストランから出る残飯を処理したりする、ゴミ処理係のような役ですね。そういう境遇のせいか、皮肉屋でふてくされるタイプの人物です。

鎌苅 BBたちの憧れの先輩という役ですね。とても目立つ存在で、影響力があって、メンバーの過去のことも知っている、登場人物たち誰もに知られているリーダー的な人ですね。

どのように演じていこうと思いますか。

 今振り返ると、初演は、“ライカ”の物語が始まってもいなかったと感じて……まさに“序章の始まり”なんです。今作からどんどん物語が動いていきますよ。ですから、より一層、登場人物たちを深く知って、自分の本当の役割を理解して物語に繋げられるように演じたいです。

鎌苅 まず、とても大きな役をいただいた気持ちです。それに、実際にこの座組みでも先輩に位置しているので、みんなを動かしてあげたいと思っているんです。僕が言ったことで、“カッコイイやダサい”と思ってくれれば、みんなのキャラクターが際立って役が成立していくと思います。それから、僕がどれほどこの舞台を楽しんで演じているのかお客様にお見せしたいですね。

お芝居の答えが出せる瞬間を増やしてあげたい

三浦さんは先のインタビューで当て書きに近いとおっしゃっていました。

鎌苅 僕は当て書かれたと思っています。“ケンケン(鎌苅健太の愛称)”はこういう演技をしてほしいというメッセージを感じましたね。あとは香さんとは何作も一緒にお仕事をしたし、割と年齢が近いので、演出家の気持ちもわかるし、役者なので演者の気持ちもわかるというメリットを座組みで生かしたいです。

 僕の場合は、初演の稽古が始まってから、台詞が僕に寄せられていくようになったと思います。たとえば、「BBは目力が強い」といった台詞があったのですが、僕はそれほど目力が強くなくて(笑)。

鎌苅 (笑)。

 そこが、「目がつり上がっている」という台詞に変り、カンパニー内で様々な試行錯誤があって成立したんです。今作の脚本は、また謎が深まった印象がありますし、新しくマーマとプチ(齋藤健心)の2人が、初演で作ったイメージを打ち壊してくれるので、僕ら続投組は負けないようにしたいですね。

鎌苅 いろいろなお芝居の方法があるから、これから詰めて行きたいけれど、僕ら初出演組は、稽古をしているうちに、メンバーそれぞれが、今作のお芝居の“答え”が出せる瞬間を増やしてあげたいです。

たとえば、鎌苅さんは今作のカンパニーにどのような意識で携わっていきますか。

鎌苅 舞台の進行は香さんが整理してくれるし、里見さんのダンスが綺麗に見せてくれるので、初出演のメンバーはこれまでとは違った雰囲気を“ライカ”に持たせたいですね。

チーム感を大切にしながら周りをしっかり見つめていたい

辻さんは座長としてどのようにみなさんに接していきますか。

 初演の時は、稽古の3日目ぐらいに三浦さんに「あなたは座長です」と言われて初めて自分が座長だということに気づいたんです。

鎌苅 あはは。

 もちろん、座長だろうがなかろうが、責任感はありましたが、座長と知って、より一層その想いが強くなりましたね。2作目では、チーム感を大切にしながら周りをしっかり見つめていたいですね。

数々の舞台で座長をこなされている鎌苅さんから辻さんへアドバイスはありますか。

 お願いいたします(笑)。

鎌苅 いやいや(笑)。「背負わなくていいよ」としか言えないですね。好きに振る舞って、ビビらないで楽しんで演じていればみんなが楽しむから大丈夫だよ。たとえば、僕が座長だった時は、まずは必死になるけれど、周りを見ることができたり、演出家の言うことを聞けるような余裕が生まれてから、「どんな座組みにしようか」と考えるようになりましたね。やはり、そう感じることができるのは、周りが支えてくれるからなんです。だから、今作は僕らが座長を支えていくつもりです。

 ありがとうございます。

三浦 香は、気合いは男性、感性は女性

三浦さんは前作ではオシャレな作品にしたいともおっしゃっていました。三浦さんの印象はいかがですか。

 三浦さんは、『ハリー・ポッター』のように完成された世界観を生み出すのが上手な人だと思いました。

鎌苅 香さんは、気合いは男性、感性は女性みたいな方なんです(笑)。ひとりひとりをしっかり見ていて、「しっかりやれよ」と単刀直入におっしゃることもあるし、同時に広い視野を持っていらっしゃる。でも、決して決まりごとはなくて、“面白くて素敵なこと”を大切にしているから、そのために脚本も変えることがありますし、役者の提案したことを物語の伏線に使ってくれる柔軟な方で、僕たちに寄り添ってくれる人ですね。

伊勢さんとの共同執筆から浮かび上がってきたものはありますか。

 “青春の形”がお2人とも似ていると思いました。セリフの言い回しも、若い男の子が言いそうな言葉で、三浦さんのイメージしていることが伊勢さんとしっかりリンクしていると思いましたね。

鎌苅 初演はキャラクターの説明をしなければいけなくて、たとえばBBの役所の説明が必要だった。ただ、この作品の良いところはシリーズ物で、しかも2作目から触れる方でもわかりやすいですし、初演でキャラクターの説明が終わっているぶん、たくさんの事件が起こしやすくなっていると感じました。

お2人の印象をうかがわせてください。

 僕は昔から知っている大先輩なので、“向こう側の方”……。

鎌苅 え! “向こう側”って何(笑)?

 (笑)。鎌苅さんというフィルターを通すと偉大な先輩で遠い存在に見えてしまうんです。ただ、最初にお会いした時に、とても気さくに話してくださって、フレンドリーな方でした。

鎌苅 僕はミュージカル『テニスの王子様』(2015年)で観ていて、「歌が上手いな」と感動しましたね。それにいい子ですね。でも、BBみたいに何パーセントかは黒いところもあるだろうし、そういう瞬間が見えたら面白いよね。ものすごく化ける役者だと思っています。彼がそうして役を演じきれば、僕らのような先輩や演出家は嬉しいでしょうね。今回、初演とはまったく違う“辻 凌志朗”が見られますよ。

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