Interview

古田新太&成海璃子&賀来賢人がナンセンス・コメディに挑戦!KERA新作舞台稽古場インタビュー

古田新太&成海璃子&賀来賢人がナンセンス・コメディに挑戦!KERA新作舞台稽古場インタビュー

ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)作・演出×古田新太座長の最新作『ヒトラー、最後の20000年?ほとんど、何もない?』。“この上なく狂暴、きわめて不毛”な“デタラメを徹底的に極める”と豪語し、『犯さん哉』(2007年)、『奥様お尻をどうぞ』(2011年)を送り出してきたKERAと古田。タブーも含めたブラックユーモアに溢れた今作にはおなじみの面々が参加しているほか、いのうえシェイクスピア『鉈切り丸』(2013年/青木 豪 作・いのうえひでのり 演出)で初舞台を踏んだ成海璃子、『五右衛門vs轟天』(2015年/中島かずき 作・いのうえひでのり 演出)で古田と共演した賀来賢人の若手二人が初参加。稽古が始まって一週間。シュールでナンセンスなコメディが初体験となる二人の戸惑いは、座長の古田を目の前にしてもなお尽きないようで……。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 関 信行
ヘアメイク(賀来賢人) / SHUTARO(vitamins)

「何が面白いんだろう?」って迷いだすと、心が折れだすんだよね

まず、座長の古田さんから、KERAさんとのコラボレーション企画第3弾に臨む心境を聞かせてください。

古田 1本目、2本目はどっちかと言うと、飛び道具的な作品だったんです。3回目にもなると、それらの作品を観てる人もいますから「またどうせくだらなくて、デタラメなことをするんだろうな」と思われてるところから始まる。そういう意味で言うと、「何をやっても、またこれか」って思われちゃうから。そんな一番めんどくさい回に、この二人を呼んだっていう(笑)。

賀来 あははははは。

古田 でもそのぶん、いろんな裏切り方ができると思うんです。「璃子はそんなことしないだろう」「賢人はそんなヤツじゃない」みたいなことがいくらでも出せる。それに伴って、レギュラーのメンツも求められることが前回、前々回よりも高度になってて。今回が一番こまかいんじゃないかな、KERAさんの要求が。

賀来 すごく丁寧に、繊細に(演出を)つけてくれますね。

古田 いつもはあんなにこまかくないからね。「(自分で)作っておいて。わからなかったら、誰かに聞いて」みたいな感じで作るんだけど、今回は今まではあんまり言われなかった八十ちん(八十田勇一)や犬ちゃん(犬山イヌコ)にも、すごくこまかく言ってますね。

古田新太

そんな「めんどくさい回」に呼ばれた初参加の二人はどんな気持ちでいますか?

成海 KERAさんとは映像で何度かご一緒させてもらっていて、昔から舞台でいつかやってみたいっていう思いがあったんです。それがやっと実現したんですけど、いろんな作品がある中で、この企画でご一緒できるっていうことには驚きました。戸惑いと嬉しさがごちゃ混ぜになってて。でも……そうですね、とにかく一生懸命にやるしかないと思ってます。

古田 いや、璃子はいい度胸してますよ。難しいですからね、笑いは。自分の感情やストーリーを伝えるというよりは、ものすごく刹那的に、合理的にどう動くかっていうことが大切になってくるから。でも、この二人はくだらないことをやってるっていうことを腑に落としてやるっていう、ものすごく矛盾した作業をちゃんとやってくれてる(笑)。普通はわからないんですよ。だって、腑に落ちないから笑えるわけで。そこを腑に落とすっていうのは、現場や本をどっかしら信用してないとできない。その作業を楽しそうにやってくれてるから、ありがたいですよ。

賀来 僕もお話をいただいたときからずっと楽しみにしてて。ここまで、ずっとふざけまくってる舞台っていうのも経験がなかったし。すごくかっこいい集団だなと思っているんです。ただ、そこに入ってみたはいいものの、想像以上に試練が多くて。一回、心が折れかけまして……今、ちょっと復活してるんですけど。

賀来賢人

(笑)賀来くんの心が折れかけたのは見ててわかりました?

古田 わかりましたね。「ああ、折れかけてるんだな」って(笑)。

賀来 あはははは。今までやってきたのがベタな(笑いの)ものが多かったので、今はまだ、その違いに戸惑っていて。この笑いのここが面白いっていうポイントはわかるんですけど、それをいざ面白くするにはどうしたらいいのかっていうアプローチの仕方とか、さじ加減がまだなんとなくしかわかってない状況ですね。

賀来 「何が面白いんだろう?」って迷いだすと、心が折れだすんだよね。みんなはこういうところを面白がってるのかっていうことがわかりだすと、楽しくなってくるんだけど。

古田新太&成海璃子

成海 私もとにかくいっぱいいっぱいですね。なんか、「すごいところに来ちゃったな〜」っていう気持ちにもなるし、とにかく頑張んなきゃなっていう気持ちで、余裕ないです。

賀来 すごく楽しいんですけどね。お手本になる人たちが目の前にいっぱいいるから、いざ自分もやってみようとするんだけど、「なんか違う」みたいなことが多くて。自分では面白いと思ってない部分にKERAさんがウケていたりとか。稽古を始めたばかりの頃は、最後まで何が面白いのかわからないまま一日が終わるっていうことが結構ありました。ホントに未知の世界ですね。

古田 だから、稽古が終わってからみんなでご飯を食べに行って。そこで、ふざけておけば、明日への活力は生まれるから(笑)。それはずっとやってるよね。

成海 ほぼ毎日行ってますね。