黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 49

Column

ナンバリングタイトルが14年ぶりに登場!『キングダム ハーツ』シリーズ 3+1選

ナンバリングタイトルが14年ぶりに登場!『キングダム ハーツ』シリーズ 3+1選

ウォルト・ディズニー作品のビデオゲームは数多く発売されていますが、はたして一番古いものはどれなのかご存じでしょうか。

インターネットで「ディズニー TVゲーム」と検索を掛けてみると、最古のビデオゲームらしきものと言えば1981年に任天堂の「ゲーム&ウォッチ(ワイドスクリーン)」で、タイトルもシンプルに『ミッキーマウス』だったようです。おそらく、この伏線として、1959年に任天堂が開発製造したプラスチック製のトランプにディズニーのキャラクターを印刷したものがあり、このトランプはテレビ番組とのタイアップの効果もあり爆発的に売れたと聞いています。そのため、当時から関係性のよかった、ディズニーと任天堂のビデオゲームがビデオゲームの黎明期に実現したのではないでしょうか。

このほか任天堂以外で開発されたビデオゲームでは、1987年にハドソンから発売された、ファミリーコンピュータ用の『ミッキーマウス 不思議の国の大冒険』があります。ミッキーとミニーを操作して消しゴムで敵をやっつけるアクションゲームでした。

消しゴムを使うのはディズニー社より「ミッキーは生き物を殺さない」というルールが存在するために武器ではなく消しゴムを使うようになったそうです。

ミッキーマウスの愛らしいキャラクターの動きを見事に再現したのは1990年、セガ・エンタプライゼス(現在のセガゲームス)からメガドライブ版で発売された『アイラブミッキーマウス ふしぎの城の大冒険』でしょう。しゃがむ、飛ぶ、追いかけられる、敵はヒップアタックでやっつける。とても滑らかな動きとカラフルな色彩で、ディズニーキャラクターの世界観を再現していました。

シリーズ化したものであれば1992年にカプコンからスーパーファミコンで発売された『ミッキーのマジカルアドベンチャー』があります。1994年に『ミッキーとミニーのマジカルアドベンチャー2』、そして1995年には『ミッキーとドナルド マジカルアドベンチャー3』が発売されています。

この他にも、ドナルドダックやリトルマーメイド、アラジンなど、様々なディズニーキャラクターを題材にしたビデオゲームがあります。

『キングダム ハーツⅢ』より

しかし、ディズニーキャラクターが数多く出演し、世界観の再現に成功。そして、世界的にヒットした作品と言えば2002年にPlayStation2のタイトルとしてスクウェア(現:スクウェア・エニックス)から発売された『キングダム ハーツ』でしょう。今回の黒選は2019年1月25日に発売される『キングダム ハーツⅢ』を記念してシリーズの振り返りとプラスワンをお送ります。

ではどうぞ!

© Disney. © Disney/Pixar. Developed by SQUARE ENIX

スクウェア作品×ディズニー作品 異色のコラボが実現!『キングダム ハーツ』

2002年3月28日にPlayStation2向けタイトルとして発売された『キングダム ハーツ』。宇多田ヒカルさんが主題歌『光』を歌い、スクウェア(現:スクウェア・エニックス)とディズニーがコラボレーションをして、両社の作品の世界観がクロスオーバーする壮大なビデオゲームに仕上がっています。

デスティニーアイランドで遊ぶソラ、リク、カイリの三人。
三人は海の外へ旅立つため、筏(いかだ)を完成させる。
その旅立ちの前夜…。
島の奥にある扉をリクが開いてしまい、ハートレスが出現。
「闇を恐れる事は無い」というリクは闇に飲み込まれ、ソラはキーブレードを手にする。
カイリはその姿を消し、三人はバラバラとなってしまいます。

そして、時を同じくして別世界のディズニーキャッスルの王は、手紙を残し一人旅立っていました。ドナルドダックとグーフィーにトラヴァースタウンにいるレオンという人物に会うよう依頼して、“鍵“を握る人物を探し行動を共にするよう指示するのでした。

本作は物語を通して、スクウェア・エニックスの看板タイトルである『ファイナルファンタジーⅦ』の人気キャラクター、クラウド、エアリスなどが登場し、ディズニーの看板キャラクターであるドナルドダックやグーフィー、おとぎ話の主人公ピーターパンやピノキオなど多数のディズニーキャラクターが登場します。

それぞれの世界がクロスオーバーする世界に、ユーザーからは「夢の国をゲーム化した!」とまで言わしめました。また、女性ユーザーからの支持も高く、これまで子供向けとされてきたディズニーを扱ったゲームとしては年齢層の高い層にまでユーザーを拡大したことで販売セールスも好調となりました。

【公式参考動画】『キングダム ハーツ HD1.5リミックス』

そして、2013年3月14日にPlayStation3向けに『キングダム ハーツ HD1.5リミックス』を発売し、『キングダム ハーツ』の後日談を収録した『キングダム ハーツ Re:チェイン オブ メモリーズ』『キングダム ハーツ 358/2Days』の2作品を加えてシリーズのストーリーが分かる完全版となり、こちらも好セールスとなりました。

今でこそ当たり前のキャラクターコラボ作品のように見えますが、当時、この両社の組み合わせに業界関係者は騒然としたことを記憶しています。おそらく数多くの課題と障害を両社が乗り越えて実現した記念碑的な作品がシリーズの原点となる『キングダム ハーツ』なのです。

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