映画『十二人の死にたい子どもたち』特集  vol. 1

Interview

お互い「大好き」。新田真剣佑&北村匠海、最新共演作『十二人の死にたい子どもたち』で再確認した役者としての凄さ

お互い「大好き」。新田真剣佑&北村匠海、最新共演作『十二人の死にたい子どもたち』で再確認した役者としての凄さ

各々の理由によって、安楽死を望んで廃病院の密室に集まった12人の少年少女。しかしそこには、すでに1体の死体が横たわっていた。自殺なのか、他殺なのか。みなが疑心暗鬼に陥るなか、それぞれの死にたい理由が明らかになっていく。『天地明察』などの作家・冲方丁の原作を、「トリック」シリーズなどの堤 幸彦監督が映画化したサスペンス『十二人の死にたい子どもたち』が1月25日(金)より全国ロードショーとなる。

同世代のキャストたちが集まった群像劇で、『OVER DRIVE』など、これまでに幾度も共演してきている新田真剣佑と北村匠海を直撃。互いに「大好き」と公言する仲良しのふたりが、改めてお互いの印象や、40分間におよぶ長回しシーンもあった過酷な作品の現場などを振り返った。

取材・文 / 望月ふみ 撮影 / 冨田 望


100%出しても、100%受け止めて返してくれる。役者として尊敬できる、数少ない存在

おふたりは何度目かの共演ですね。

新田 またかって。

北村 ね、またいるよって(笑)。

新田 一緒に芝居をしていて安心できる数少ない役者だと、最初から分かっているというのはすごく嬉しいことだし、そこから芝居も作っていける。自分が100%出しても、100%受け止めて返してくれる。そんな北村匠海が大好きです!

北村 あはは。僕が演じるノブオは、どちらかというと受けの役で、それは放出してくれる人がいるかから受けられるわけで。いろんな作品をマッケンとやってきましたが、マッケンのお芝居って、受ける側に回ってもすごく気持ちがいい。ストレートだし。今回は、知り合いが多くて、そのなかでも本当に何回もやってきて、信頼できる新田真剣佑という役者がいたので、現場が楽しみでした。

クランクイン前にお話はされたのですか?

新田 また一緒だねって話をしたよね。でもこれまでは結構、真逆のような役で共演することが多くて、今回のように同じような闇を抱えた役というのは初めてだったから、また新しい匠海が見られるなと思いました。

北村 マッケンの演じるシンジロウという役はセリフも多いので大変だろうなと思いました。役者のおもしろいところって、同じ役はひとつもないこと。それに同じ役だとしても演じる人が変われば全く違うものになる。ある種、それぞれの個性を使って仕事にしていく。僕はマッケンの個性が好きだし、お芝居に対するストイックさとか、尊敬できる部分も多い。マッケンが言ってくれたのと同じく、また違った表情が見られるなと思いました。

実際に今回の共演はいかがでしたか?

新田 俺、セリフを喋っていないときの北村匠海が大好きなんですよ。一番難しいと思うんですけど。すごいですわ、ちょーだい(笑)。

北村 ん? この芝居? いいよ、あげるあげる。

新田 あはは。

北村 マッケンは、僕が芝居をするにあたって、一番大事にしている部分をちゃんと見ていてくれるんです。セリフを発するというのは、見ていて分かりやすいし、もちろんすごく大事だと思うんですけど、でもそうじゃない部分も大事だと漠然と思いながらやってきていたのを、マッケンは見てくれている。逆に僕はマッケンの静と動の演技が好きです。出せるし受けられるし。こんな万能な役者がいるんだなっていうのを再確認しました。

新田 新たな顔というより、再確認という感じだったね。

40分間におよぶ長回しにゲシュタルト崩壊状態?

同年代の役者さんが揃っていました。現場での雰囲気は?

新田 僕は結構ひとりでいました。

北村 集まっている子たちもいれば、ひとりでいる子もいました。あえて関わらないようにしている子もいたり。みんな他人の役だったので。

新田 僕の場合は、ちょっとした休憩中にエネルギーを蓄えようとしていました。

それぞれに事情を抱えている他人という設定だからこそ、コミュニケーションを取ったりは特にしなかったということでしょうか。

北村 そこまで考えていたわけではないですけど、でも(杉咲)花ちゃんは、役を考えた上で、ひとりでいる時間も大切にしていたんじゃないかな。僕はみんなのそういう姿を見ながら、ほどよくノブオらしくいました。

新田 僕もあえてひとりでいようとしたわけではありませんが、自然の流れで、考えることが多かったからか、割とひとりでいましたね。

北村 シンジロウはセリフが多いからね。

新田 でもお昼ご飯のときなんかは、みんなで一緒に食べてたよね。

そのときにはどなたがムードメーカーに?

新田 とにかくセイゴ役の坂東龍汰くんがうるさかった(笑)。

北村 龍汰がムードメーカーだったね。きっと一番役に対して不安を抱えていたのが彼だったかもしれない。

新田 そうだね、いつもそわそわして。

北村 「俺の芝居どう? 俺の芝居どう?」って聞いてきてたね(笑)。彼がムードメーカーだったかな。

複数のカメラを使っての長回しもされたかと。この作品ならではの演出はありましたか?

北村 最長40分くらいの長回しがありました。もう舞台みたいな感じです。カメラが入れ代わり立ち代わり動きながらずっと芝居をしていました。リアルな緊迫感に繋がったと思います。

新田 40分間のなかで何百文字発したんだろう。

北村 ストーリーテラーだから、ずっと喋ってたもんね。

新田 同じ文字をずっと書いているとそれが何の文字なのか分からなくなってくるじゃないですか、あの状態ですね。

北村 ゲシュタルト崩壊ね。

新田 それが起こりました。

北村 撮影は、この物語の時間軸に沿って進めていきました。誰が最初に来てというところから始まり、きちんと順番通りに。どんなに手間がかかっても、堤監督がそうされていました。そういえば、監督から時間軸が書かれた紙をもらったよね。

新田 全部書いてあったね。

北村 このとき誰が何をしていて、あなたはここにいてこうしているとか。

新田 台本には書かれていないことも書かれてました。

北村 すっごく細かかったね。

鬼才・堤 幸彦監督の作品です。どんな方でしたか?

北村 淡々とされていたイメージです。衣装合わせのときに、ノブオという人物についてのすり合わせをしました。詳しいことはネタバレに繋がるので、言えないんですけど。芝居に関して何か指摘されるようなことはなくて、すごく自由にやらせてもらいました。

新田 シンジロウの場合、事前にお話ししたのは芝居プランですね。初日にいくつか芝居をするので、選んでくださいということを伝えて、受け止めてもらいました。ただ、僕の前では監督はふざけていることも多かったです。僕がひとりで部屋にいたときに、「これさー、コメディにしよう」とか言い出して、シンジロウが自動ドアの前にずっと立ってたら面白いよね? とか言われました。

北村 やはり鬼才といいますか、不思議な監督だったね。

新田 うん、不思議な監督。

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