Interview

みうらじゅん&宮藤官九郎が世の難題に挑む!? 書籍『世界全体会議』とは?

みうらじゅん&宮藤官九郎が世の難題に挑む!? 書籍『世界全体会議』とは?
<なぜ男と女はわかりあえないのか?>、<オッパイやオシリ、チラ見は何秒まで許されるのか?>、<なぜ戦争はなくならないのか?>など。明確な答えの出ない数々の難題を掲げ、みうらじゅんと宮藤官九郎が徹底的に議論する、『週刊プレイボーイ』の人気対談連載「大人になってもわからない」。この連載をまとめた書籍『世界全体会議』が、7月20日に刊行。そして同日、六本木・音楽実験室 新世界にて刊行記念トーク・イベントが開催された。バカバカしい議題から、人間の真理に迫る哲学的な議題まで。「今一度、自分に問い質すことが大切だ。それが世界全体会議の趣旨であり、果ては世界平和につながると考えてやまないわけだ」とみうら氏が語るように、世界平和を願って大真面目にエロ話やバカ話を語る両氏の魅力が存分に詰まった本書。ここでは本書についてのインタビューと、連載対談の雰囲気をそのままに行われたトーク・イベントの議論を抜粋して紹介する。

取材・文 / フジジュン 撮影 / 山野浩司


まず、エロで笑いを取ろうなんて気持ちはない

『どうして人はキスをしたくなるんだろう?』に続く2冊目の対談本。今回も様々な議題を語り合っていますが、ひとつの議題でどれくらいの会議をされるんですか?

みうら 長いですよね? 途中で違う話になっていったりもするんで。

宮藤 そういうことが多いですね。だいたい、「もういいだろ、この話は」ってなるんですけど、そうなるまでかなり長いですね。

みうら 二人とも根が真面目だから、話しているうちにわりと真面目な話になっちゃうことが多いんですよ。そういうとき、編集の人から「すみません、エロの話してもらえませんか?」と言われるのがつらいんですよね。

宮藤 つらいです。さんざん真面目な話をしてきて、なんでオッパイの話をしなきゃいけないんだって(笑)。頑張ってエロい話をするというのも大変なんですよ。

前作に比べて、直接的なエロの議題が多い気がするのですが。やはり『世界全体会議』というところで、世界平和を考えたときに、まずエロを語ることが重要だったのでしょうか?

みうら それはそうでしょうね。そこから掘り下げていくのが一番大切。だって、そういうことは国会では話されないじゃないですか?

宮藤 そうですよね。本物の会議は、答えが見つかってることをあえて話してるじゃないですか? そこが良くないですよ。もっとみんながわからないことを議論しないと。あとはやっぱり、エロいことで世界の人が仲良くなれればいいですよね。本に収録されている外国人の方たちとの“全体会議”も、すぐにいやらしい話になりましたもんね?

みうら エロは万国共通なんですよ。

え! このいろんな国の代表を招いての“全体会議”には台本があると思っていました。

みうら いえいえ。本当に“全体会議”をしましたよ。みんな自分のことばっかり話してるから全然話が進まなかったですけど(笑)、なごやかでしたよね?

宮藤 ダジャレばかり言う人がいて、ちょっとイライラもしましたけど(笑)。ちゃんとこの会議で<女の人のオシリやオッパイを見ていいのは3秒まで>って結論が出ましたから。あれは、オーストラリアの人が言ったんでしたっけ?

みうら 我々が「3秒ですよね?」と、多少押し付けた感はありましたけどね(笑)。

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この“全体会議”に普段、お二人はどんな気持ちで臨まれているんですか?

みうら まず、エロで笑いを取ろうなんて気持ちはお互いにないですよね?

宮藤 それは絶対ないですね。普段、居酒屋とかの個室で喋ってるんですけど。料理を運んでくださる女性の方が来ると、それまで話してたことをピタッと止めるんです(笑)。あれって不思議ですよね。真面目な話をしてるときには来ないのに、エロい話を始めると「お話中、失礼します」って来るんですよ。

みうら エロがひどくなってきたのを見計らって飛び出してきてるんでしょうね。きっと、その疑問が解かれてしまうと困ることがあるんじゃないかな。エロって、あえてうやむやにしてるところがあると思うんですよね。

宮藤 たしかに。みうらさん、この本、家族に読ませます?

みうら いや、読ませないですよ。本当のことが書いてあるから、読まれるとマズイです。

宮藤 僕も普段は本が出るとあげるんですけど、これだけは読ませられないですね。不思議と家族もこれだけは読まないんです。“悪の書”だということがわかるんでしょうね(笑)。

みうら 平和になると困るヤツらがいるから、真実は悪とされてるんでしょうね。

男性側からしたら、女性に知られたくない不都合な真実も書かれていますが。女性からの反響ってどうなんですか?

宮藤 女の人はこういう会議(連載)があるということは知ってるけど、実際に内容は知らないという人が多くて。単行本だと買いやすいというのもあってか、1冊目が評判良かったんですよ。それで1冊目を出したときに、『あまちゃん』の関係者に配って、能年玲奈さんにも渡したんですけど。能年さんから「いろいろいただきましたが、キスの本だけ読んでません」って、わざわざ手紙をいただきました(笑)。

みうら 直感というか、予感がすごいね(笑)。

宮藤 やっぱり、“悪の書”であるという雰囲気が全面に出てるんでしょうね(笑)。

みうら 本当のことが書いてあるからね。本当のことこそ“悪”と言われるんですよ、この世の中は。僕らはそこに疑問があるんだけど。

宮藤 そうですね。実際は“善”のことも書いてあるんですけどね。

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お二人はこの本をどんな世代、どんな人に読んでほしいですか?

みうら どうでしょう? 若い頃にこういう話をしても結論が出なかったでしょ? それが今になっても結論が出ないんですから。これは“遠回りした人の会議”なんですよ。

宮藤 そう。でも、会社でそこそこの要職に就いてる方でも<チンコはデカイほうがいいのか? そうでもないのか?>という疑問には意外と答えられないと思うんですよね。だから、そういう人にも読んでほしいと思いますけど、僕は意外と女性に読んでほしいんですよね。

みうら 僕もそうなんです。

宮藤 男性がこうやって真面目に“全体会議”をやってんだってことを知ってほしいんです。

みうら かなり身を切って話してますけどね。こんなことしてもいいこと一個もないですから。平和のためにやってるだけで、周りからの評判は悪いだろうし(笑)。

宮藤 そういえば、『週プレ』の連載のときは自分の話だったのが、単行本になったら友達の話になったりしてますよね(笑)。なんですかね?

みうら 本はしばらく書店に残るからじゃないですか? 『週プレ』は一週間で消えますから。あと、『週プレ』は表紙が女の人ですけど、本になると犯人がハッキリわかっちゃうし。

宮藤 それは『週プレ』も一緒ですよ。僕らのページに写真が載ってるんですから。犯人はとっくにバレてますよ(笑)。

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