LIVE SHUTTLE  vol. 48

Report

スキマスイッチ TOUR2016『POPMAN’S CARNIVAL』 @昭和女子大学人見記念講堂 2016.7.12 (side-B)

スキマスイッチ TOUR2016『POPMAN’S CARNIVAL』 @昭和女子大学人見記念講堂 2016.7.12 (side-B)

取材・文/岡本明


4月にアナザーベストアルバム『POPMAN’S ANOTHER WORLD』をリリースしたスキマスイッチ。彼らの全国ツアーTOUR 2016“POPMAN’S CARNIVAL”が、7月12日の東京・昭和女子大学人見記念講堂でファイナルを迎えた。 このアルバム自体、カップリング曲を主体とした収録内容で、シングル曲や代表曲中心ではない、“カップリングベスト”と呼べるアルバムだった。そのため、今回、新作のリリースタイミングに関係ないツアーを初めて行ったことになるが、シングル曲にこだわらず、自分たちが演奏したい曲を披露するというコンセプトによって、これまでにない新鮮なライブを体感させてくれた。 短いインストナンバーから始まり、ゆったりとした「晴ときどき曇」でスタート。原曲よりテンポを落としたリラックスムードに包まれる。その空気を生かしながら、アコギを弾く大橋卓弥の歌声が心地よく響く「LとR」へ繋いでいく。さらに、ミラーボールが会場を照らす「飲みに来ないか」では、ディスコサウンドへと変貌を遂げて会場の熱を高めていくなど、冒頭から大幅にアレンジに変化を加えていることが分かる。

「“POPMAN’S CARNIVAL”へようこそ、スキマスイッチです。今回はふだんのツアーと少し違っていて、新しいアルバムを引っ提げてのツアーではなく、ライブをやりたい時にやれるツアーを立ち上げしまおうということで始めました。趣旨としては、今、僕たちが歌いたい曲でセットリストを作って、しかもオリジナルとは違う、リアレンジ、ライブアレンジを多めにやろうということなんです。予習は一切必要ありません、イントロ聴いても何の曲か分からない曲もあります。構えずに、フラットに聴いてほしいです。新曲多いなって思われるかもしれないけど(笑)、歌い出して初めて、あの名曲かと(笑)。と言いながらも、いつものようにアットホームなライブにしていきたいと思います」(大橋卓弥)

 ポリスの「見つめていたい」のフレーズを挟みながらの「水色のスカート」、パーカッションやマンドリンを加え、夏の情景がより身近に感じられるようになった「かけら ほのか」、サウンドの厚みと大橋の歌声が力強く迫る「時間の止め方」と、どの曲もこれまで以上に個性が際立って届いてくる。 「1+1」ではソプラノサックスのソロと大橋のボーカルがセクシーに絡み、引き締まったリズムで切ないメロディを歌い上げる「僕と傘と日曜日」がじっくりと楽曲の世界観を聴かせる。かと思えば、大橋のエモーショナルなギターカッティングに始まり、ファンクに乗せて巻き舌気味に歌っていく「ソングライアー」の濃厚さなど、楽曲ごとの起伏の激しさに魅了される。特に「ソングライアー」はサポートを含めた各メンバーのソロがフィーチュアリングされ、白熱のプレイが曲を何倍にも膨らませていた。

「今回のツアーは地元の名古屋市でやらせていただき、そしてファイナルがここ三軒茶屋ですよ。上京して初めて住んだのが三軒茶屋。自分の生まれ育った場所と、初めての東京が一緒のツアーでできるのがすごく感慨深いです。この会場の前の道を原付でよく通っていましたから。思い出深い土地だなと思いながら会場に来ました」(常田真太郎)

ls_sukima2312
そんな感謝の気持ちを述べた後、サポートメンバーと共にステージ前に出てきてアコースティックコーナーへと移る。爽やかなサウンドの「君曜日」、コンビニのCM曲でおなじみの「フレ!フレ!」を軽やかに聴かせる。そして、「ボクノート」では、繊細なメロディを優しさと力強さを込めてじっくりと表現してみせた。 メンバー全員が元のポジションに戻り、パワフルなビートで「LINE」を演奏。全員が一丸となったサウンドに加え、大橋の歌声もいちだんとパワーアップし、曲のスケール感が増していく。さらに、「ユリーカ」では、大橋がハンドマイクでステージ上を左右に移動しながら観客をあおり、総立ちとなった会場の大きな手拍子が加わってピークへと突き進んでいく。 躍動感に満ちた「パラボラヴァ」、会場全体がサビでタオルを頭上に投げる「Ah Yeah‼」と、アッパーなナンバーが連続し、とどまることなく熱気が上昇していく。そして、長めのコール&レスポンスでさらに期待値を高めた後、「全力少年」のイントロが鳴り響く。ステージ前のギリギリまで出て歌っていた大橋は、途中で客席に飛び降り、そのまま1階席の中を一周するという大胆な行為に。これには会場も大いに沸き、騒然となりつつも最高の盛り上がりを見せた。
ls_sukima2430

「曲を作って完成させ、ステージで歌っていると、作った時に思ってもいなかった新しい意味合いがその曲に乗っかった気持ちになることがあります。歌う時、その曲から何かを教わる気持ちになることがあります。次の曲も、ツアーで歌っていくにつれて、曲が教えてくれているような気持ちになった曲です。こうしてライブで声援とパワーを送ってくれるみなさんと僕らの関係性を歌っている曲に聴こえてくるなって、歌いながら思えてきた曲です」(大橋)

そんな新たな魅力を発見した楽曲は「ハナツ」。優しいタッチのバラードでありながら、そこには熱と希望が確実に込められていて、この日のライブの手ごたえを集約したナンバーとして本編を締めくくった。 これだけでもボリューム感満載のライブだったが、アンコールではさらに大きなインパクトのある場面が用意されていた。

「曲をネタも何もなくゼロから作ることもあれば、叩き台を持ち寄って2人でブラッシュアップして完成させるとか、いろいろあるんですが、あえてどちらが叩き台を持ってきたか、これまで明かしていなかったんですね。想像して聴くのも楽しいかなと。でも、次の曲は(常田)シンタワールド全開、僕には全くない世界です。隠れた名曲です(笑)」(大橋)

 今回のツアーで初めて演奏することになった「電話キ」を披露。常田も歌に参加するなど、レアな楽曲に観客も聴き入っていた。そして、骨太なファンクサウンドに貫かれた「デザイナーズマンション」は、間奏にメンバーのソロをふんだんに取り入れた構成で強烈な印象を残す展開に。常田のピアノソロに始まり、一人一人が渾身のプレイでアピール。大橋は“三軒茶屋に住もう~”と歌詞を変えながら、フェイクボーカルやファルセットを交えて歌いあげ、ロングスケールの感動的な楽曲として生まれ変わらせていた。もし、スキマスイッチを初めて見に来た人がこのライブを見たら、彼らに対するイメージがまったく変わってしまったことだろう。それぐらい振り切ったステージだった。

「新しい作品を作ってのツアーもやりたいですし、こういうふうに急にツアーをやりたいと思った時にできるツアーも、好評であればボリューム2、3とやっていきたいです。いろんなスキマスイッチの姿を見ていただきたいので、これからも新しいステージングや音楽の表現方法を見つけていきたいと思います」(大橋)

 この日最後の曲に持ってきたのは、「サウンドオブ」。シンプルなメッセージが放つのは、音楽の可能性を信じ続ける姿勢と、ひたむきな想い。それこそが彼らの本質だ。3曲で約50分という長丁場のアンコールも含め、意欲的なチャレンジを続けるスキマスイッチを目の当たりにすることができたライブだった。

スキマスイッチTOUR2016“POPMAN’S CARNIVAL”supported by MINISTOP 東京公演(2016.7.12)セットリスト

M0.Opening Inst M1.晴ときどき曇 M2.LとR M3.飲みに来ないか M4.水色のスカート M5.かけら ほのか M6.時間の止め方 M7.1+1 M8.僕と傘と日曜日 M9.ソングライアー M10.君曜日 M11.フレ!フレ!
M12.ボクノート M13.LINE M14.ユリーカ M15.パラボラヴァ M16.Ah Yeah!! M17.全力少年 M18.ハナツEN01.電話キ EN02.デザイナーズマンション EN03.サウンドオブ

<バンドメンバー> Dr・村石雅行 / B・種子田健 / G・外園一馬(11日)、太田貴之(12日) / Key・浦清英 / Per・松本智也 / Sax・本間将人 / Tp・田中充

リリース情報

【初回生産限定盤】

【初回生産限定盤】

【通常盤】

【通常盤】

Another Best Album 『POPMAN’S ANOTHER WORLD』

■初回生産限定盤(3 DISCS:Blu-spec CD2) AUCL-30034~36 ¥3,800+税 ■通常盤(2CD) AUCL-204~5 ¥3,300+税

*BONUS TRACK:未発表の新録楽曲「壊れかけのサイボーグ」「フレ!フレ!」を収録 【初回特典(初回生産限定盤)】 *三方背ケース+高品質Blu-spec CD 2 *二人だけで制作されたインストゥルメンタル曲を中心に収録したボーナスCD付属!

【収録曲】(初回生産限定盤/通常盤共通) Disc-1 01.夕凪 02.スフィアの羽根 ~2006 ABC高校野球統一テーマ曲~ 03.ためいき 04.電話キ 05.石コロDays ~NHK Eテレ「中学生日記」主題歌~ 06.Aアングル 07.弦楽四重奏のための『ドーシタトースター』 08.僕の話-プロトタイプ- 09.快楽のソファー(仮)2014 ver. 10.夏のコスモナウト ~第30回記念 北海道マラソン2016オフィシャルソング~/~インターハイ応援歌~ 11.サウンドオブ 12.雨は止まない 13.小さな手

Disc-2 01.雫 ~NHK教育テレビアニメ「獣の奏者エリン」OPテーマ~ 02.ハナツ ~「第95回高校ラグビー大会」大会テーマソング~ 03.1017小節のラブソング 04.僕の青い自転車 05.青春騎士 06.さみしくとも明日を待つ 07.猫になれ 08.君曜日 09.Bアングル 10.トラベラーズ・ハイ ~「大アマゾン展」テーマソング~/~「Doubles All Japan」テーマソング~ 11.回想目盛 ~オロナミンC Presents『キモチスイッチ』プロジェクト応援ソング~ 12.またね。 (betsu-oke ver.) 13.壊れかけのサイボーグ 14.フレ!フレ!  ~MINISTOP CMソング~

Disc-3 ※BONUS CD※初回生産限定盤のみ 01.蕾のテーマ 02.天白川を行く 03.追伸 04.花曇りの午後 05.安曇野にて 06.若葉 07.ピーカンブギ ~日本テレビ系「ズームイン!!SUPER」春のお天気テーマソング~ 08.夕間暮れ 09.ノウムの調べ 10.Human relations 11.ガレポンク 12.フォノグラフ 13.10th 14.10th-typeⅡ- 15.ミッドナイト・グッドモーニン!!のテーマ

プロフィール

スキマスイッチ

大橋卓弥、常田真太郎のソングライター2人からなる男性ユニット。 1999年に結成。2003年7月9日シングル「view」でメジャーデビュー。2004年2ndシングル「奏(かなで)」がロングセラーとなる。2005年5thシングル「全力少年」が大ヒット、2ndアルバム「空創クリップ」で初のチャート1位を獲得。同年、NHK「紅白歌合戦」に初出場し、3年連続出場を果たす。2013年にデビュー満10周年を迎え、リリースした初のオールタイム・ベストアルバム「POPMAN’S WORLD~All Time Best 2003-2013~」が大ヒット。同年10月、11月には全国アリーナツアー、更に12月には豪華フルオーケストラとの競演となった、キャリア初の日本武道館公演を大成功におさめ10周年YEARを締め括った。2014年、10周年記念ライブ作品(CD/Blu-ray&DVD)の4カ月連続リリースとともに、7月には人気テレビアニメ「ハイキュー!!」のOPテーマに起用された、2014年第一弾シングル「Ah Yeah!!」をリリース。これに続き、11月には21stシングル「パラボラヴァ」(ヨコハマタイヤ「アイスガード ファイブ」CMソング)を、12月には22ndシングル「星のうつわ」(『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』主題歌)と前作から約3年振りとなるオリジナル・アルバム「スキマスイッチ」をリリース。2015年、ニュー・アルバムを携えた全国ツアー「スキマスイッチTOUR2015 “SUKIMASWITCH”」(28ヶ所32公演)は全公演即日完売!日本武道館2DAYS &大阪城ホール追加公演と大成功をおさめる。11月には23rdシングル「LINE」(TVアニメ「NARUTO -ナルト- 疾風伝」OPテーマ)でNARUTOと二度目のタッグを組む。c/wには「第95回全国高校ラグビー大会」大会テーマソング「ハナツ」を収録。2016年、新曲「フレ!フレ!」(MINISTOP CMソング)、「夏のコスモナウト」(第30回記念 北海道マラソン2016オフィシャルソング)他、タイアップソングを多数収録した、大ヒットを記録したベスト盤「POPMAN’S WORLD」と対をなす、アナザー・ベストアルバム「POPMAN’S ANOTHER WORLD」をリリース。4月から新コンセプトの全国ツアー「スキマスイッチTOUR2016“POPMAN’S CARNIVAL“supported by MINISTOP」を開催!ライブアーティストとしても定評がある。

公式サイト:http://www.office-augusta.com/sukimaswitch/

vol.47
vol.48
vol.49

編集部のおすすめ