角松敏生デビュー35周年記念特集  vol. 2

Interview

vol.2【角松敏生がデビュー35周年記念ライブを振り返る】+ 【35周年記念ライブ使用機材レポ】

vol.2【角松敏生がデビュー35周年記念ライブを振り返る】+ 【35周年記念ライブ使用機材レポ】

使用ギター

(1)ムーン 角松敏生シグネイチャーモデル

角松敏生のデビュー35周年記念特集

 現在のメインギター。2014年製ムーン角松敏生シグネイチャーモデル。ボディ材は5Aクラスのキルトメイプルトップのアルダーバック構造。カラーリングはエメラルドグリーン。アルバム『THE MOMENT』のツアーリハから使用している、ストラトタイプのギター。
 市販されている角松敏生シグネイチャーモデル「Moon ST-420K EG/M GO」からは細かいパーツが仕様変更されている。本人使用のギターには、ブリッジの駒とテンションバーを滑りやすい材質に変更。ロック式のブリッジではないためアーミングしたときにチューニングが一番狂わないようにするためナットの材質も変更。そして、ペグはロック式のスパーゼルに変更している。
 ピックアップは市販と変わらず、トムアンダーソン製のSD2、SD2R、H3。細かい修正点だが、弦がピックアップに引っかかってしまうことがあったため、ピックアップのサイドを埋めている。見た目には分からないが、ピッキングが強い角松のギタープレイにアクシデントが起こらないようにセッティングされている。

角松敏生のデビュー35周年記念特集

 ピックアップセレクトスイッチはボリュームとトーンの間にある3つのミニスイッチ(リア・センター・フロント)。このミニスイッチは3Wayスイッチで、真ん中の位置がピックアップオフで音が出ない状態。前の位置にするとシングルコイルに、後ろの位置にするとハムバッキングとなる。もう1つ独立しているミニスイッチがリアピックアップだけのオン/オフスイッチ。前の位置がオフ、後ろの位置がオン。ソロのときにリアのハムバッカーにすぐに切り替えられるスイッチ。バッキングとソロの切り替え一瞬で出来るようにしている。
 ライブでは“ACT2”のM3「The Moment of 4.6 Billion Years」とM6「OSHI-TAO-SHITAI」、M12「After 5 Crash」、M15「Girl in the Box」で使用された。

 ちなみに、このメインギターの前まで長い間使っていたのは、1995年製のアートテックの角松敏生カスタムメイド。フォローボディでHSH(ハムバッキング・シングル・ハムバッキング)仕様のピックアップとフロイドローズのスペックは、完全オーダーメイドでアートテックの杉浦氏が作ったもの。今回ももちろんスタンバイされていた。

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(2)ムーンのストラトキャスタータイプ

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 カッティングを主にプレイするときに使われる1980年代製のムーンのストラトタイプ。レッドカラーで3シングルピックアップの仕様。ピックアップにはアクティブタイプのアレンビックのシングルコイルが搭載されている。ピックアップセレクターはハーフトーン設定もできる5Wayタイプ。トーンノブが特徴的で、回すとワウペダルのような急なトーンカーブを描くという。
 以前プロデュースしたバンド、ジャドーズのギタリスト伝田一正氏が同じモデルを使用していて、そのギターがとてもいい音だったため購入したという。ワンアンドオンリーな音で、ムーン角松敏生シグネイチャーモデルを作るときにも参考にしたほど。
 ちなみに30周年ライブで使用していたホワイトカラーのムーン角松敏生カスタムメイド(バルトリーニピックアップ搭載)よりも前のモデルで、ごく短期間に生産されたもの。量産品ながら貴重なモデルとなっている。
 エレキギターの弦は、メイン共に、ダダリオのスーパライトEXL120(.009 .011 .016 .024 .032 .042)を使用している。
 ライブでは“ACT2”のM14「RUSH HOUR」やM16「Girl in the Box」で使用。

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(3)テリーズテリー 角松敏生カスタムメイド

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 ACEと呼ばれているアコースティックギターのメイン、1992年製テリーズテリーの角松敏生カスタムメイド。元々ヤマハのギターデザイナーとして幾多の名器を手がけてきたテリー中本氏が独立して1990年に浜松で立ち上げたギター工房のブランドのカスタムギター。シリアルナンバーは31。ボディの傷はもちろん、フィンガーボードなどもオーバーホールをし続けている。
 ピックアップはフィッシュマンのレアアースとブリッジ下にピエゾピックアップ。その2チャンネルをエンドピンのアウトから出力し、クルーズのプリアンプDPA-2Aでレベルをブレンドして、カントリーマンのDIを通してPAへ送っている。
 弦はエリクサーのAcoustic Phosphor Bronze with NANOWEB Coatingのライトゲージ(.012 .016 .024 .032 .042 .053)を使用。
 ライブでは“ACT1” のM3「Startin’」、M4「Realize」、“ACT2” のM16「ハナノサクコロ」、“ENCORE”のM1「君のためにできること」、M2「浜辺の歌」、“MORE ENCORE”のM2「No End Summer」で使用していた。

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 そして、ここからさらにもう一歩進んでマニアックな内容になります。今回使われていたギターアンプやエフェクトなど、ギターサウンドに関してのシステムを簡単に紹介。

ギターサウンドシステム

 ギターサウンドはカスタムオーディオジャパン(CAJ)で組まれたシステム。
 ギターアンプはカスタムオーディオエレクトロニクス(CAE) OD-100。このアンプヘッドにはチャンネルが2つあり、チャンネル1がクリーンサウンド、チャンネル2が歪みサウンド。それぞれのチャンネルにはブーストスイッチもあり、クリーンや歪んだギターサウンドは本人後ろに設置のセンターのスピーカー、CAE 212(12インチ×2)からギターアンプの音(ドライ音)が出ている。

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 コーラスやディレイ、リバーブといた空間系エフェクトはラックシステム。アンプOD-100のセンドから、イーブンタイドECLIPSE(リバーブ)、TCエレクトロニックTC2290(ディレイ)、TCエレクトロニックTC1210(コーラス)などを通ったものが、CAJのカスタムミキサーでミックスされVHTのパワーアンプへ通りセンタースピーカーの両側にある左右のスピーカー、CAE 112(12インチ×1)からエフェクト音(ウェット音)が出ている。

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 本人足下には楽曲ごとの音色の切り替えるスイッチングシステム、オーディオ&MIDIコントローラー、CAJのRS616。コンパクトエフェクターは、プロヴィデンスのVELVETCOMP、ロスのROSS COMPRESSOR、エキゾティックのSP Comp とコンプレッサーが3つあり、ソロやカッティング、ストロークなど、弾き方に合わせて自分の中でチョイスしている。他にMXRのPhase90(フェイザー)とエキゾティックのRC Booster(ブースター)、ボスDC-3(デジタルディメンション)が用意されていた。ボリュームペダルはコルグXVP-10。ボリュームペダルを踏み込んだときの最大音量は楽曲ごとに変えてあり、それらはCAJのGuitar Volume Controller GVCA-2 rev.3を使ってMIDIでボリュームペダルを制御するシステムを使用している。

角松敏生のデビュー35周年記念特集

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リリース情報

角松敏生 SEA BREEZE 2016

角松敏生
『SEA BREEZE 2016』

【初回生産限定盤(2CD)】BVCL-707/8
¥3,700+税

<DISC1>
「SEA BREEZE」のヴォーカルリテイク&リミックス+ボーナストラック1曲収録

<DISC2>
「SEA BREEZE」のアナログ盤をレーザーターンテーブルでアーカイブ&リマスタリング音源

【通常盤(CD)】BVCL-709
¥2,800円+税

※初回生産限定盤DISC1のみのボーナストラックが無い商品となります。

<Disc1>
01. Dancing Shower
02. Elena
03. Summer Babe
04. Surf Break
05. YOKOHAMA Twilight Time
06. City Nights
07. Still I’m In Love With You
08. Wave
Bonus Track
09. Last Summer Station
※当時の音源をベースに、ヴォーカルを差し替え、リミックス。ボートラとしてオリジナルアルバムに未収録だった未発表楽曲を収録。

<DISC2>
01. Dancing Shower
02. Elena
03. Summer Babe
04. Surf Break
05. YOKOHAMA Twilight Time
06. City Nights
07. Still I’m In Love With You
08. Wave

※当時のアナログ盤をレーザーターンテーブルでアーカイブ、リマスターした『SEA BREEZE』
「SEA BREEZE 2016」アナログ盤も発売中!【BVJL-19-20(2枚組/重量盤) ¥5,000+税】

角松敏生

角松敏生(かどまつとしき)※本名同じ
1960年 東京都出身

1981年6月、シングル・アルバム同時リリースでデビュー。以後、彼の生み出す心地よいサウンドは多くの人々の共感を呼び、時代や世代を越えて支持されるシンガーとしての道を歩き始める。
1993年までコンスタントに新作をリリース、いずれの作品もチャートの上位を占める。同時に杏里、中山美穂、らのプロデュース作も上位に送り込んだ角松だったが、アーティスト活動を『凍結』。しかしこの“凍結期間”は、「プロデュース活動」を充実させた。また、1997年にNHK“みんなのうた”としてリリースされたAGHARTA(アガルタ :角松敏生が結成した謎の覆面バンド )のシングル「 ILE AIYE(イレアイエ)〜WAになっておどろう」は社会現象ともいえる反響を集め大ヒット。
『凍結』から約5年、角松敏生は遂に自身の活動を『解凍』することを宣言。1998年5月18日、活動を休止した同じ日本武道館のステージに再びその姿を現した。翌年リリースしたアルバム『TIME TUNNEL』はチャート初登場第3位を記録し、変わらぬ支持の大きさを実証してみせた。
その後『INCARNATIO』、再びスティーヴ・ガッドを起用した角松サウンドの集大成アルバム『Prayer』、大人の遊び心に溢れた『Summer 4 Rhythm』『Citylights Dandy』、30周年を記念したリメイク・ベストアルバム「REBIRTH 1」など、作品ごとに新しいコンセプトで挑むアルバムやライヴDVDなど、コンスタントにリリースを重ねている。  その妥協を許さないスタンスとクオリティで常に音楽シーンの最前線で活動をしている。
2016年デビュー35周年企画として『SEA BREEZE 2016』のリリースを皮切りに、7月2日には横浜アリーナでの35周年記念ライブ「TOSHIKI KADOMATSU 35th Anniversary Live 〜逢えて良かった〜」を大成功させた。

オフィシャルサイトhttp://www.toshiki-kadomatsu.jp/

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