Interview

特撮俳優物語:3人目の絆と地獄の弟を演じた「内山眞人」の真実

特撮俳優物語:3人目の絆と地獄の弟を演じた「内山眞人」の真実

幼少期に触れたヒーローは、たとえ大人になってもずっとヒーローのままである。

特撮ヒーローを演じた俳優。
もしも街中、あるいはどこかのカフェでたまたま居合わせたとしよう。ふと視線を横にすると、紛れもないあのヒーローが居たとする。2度見3度見どころではない、ギョッとするはずである…。「やべー!ライダーいる!(ここでは便宜上ライダーとする)」と間違いなく役名、しかも変身後のヒーロー名が浮かぶはずだ。

現実と非現実がオーバーラップする感覚。
もしも彼らに遭遇する機会があるならば、間違いなく演じたヒーローとオーバーラップしてしまう感覚に見舞われるだろう。

そんな”ヒーロー”の姿を背負うことになる特撮俳優の人生。いったいそれはどんな運命として紡がれているのだろうか…。

内山眞人。
日本における3大特撮ヒーロー『仮面ライダー』シリーズ、『ウルトラマン』シリーズ、そして『スーパー戦隊』シリーズ。そのうち光と仮面の両方に変身した俳優はそうはいない。内山眞人はその経験者のひとりである。
彼がこれまで背負ってきた人生、そしてこれから背負う人生。
そんな一人の特異な人生に少し触れてみようと思う。(敬称略)

取材・文 / 市野ルギア・柳雄大
撮影 / 松浦文生


弱冠3歳の芸能活動デビュー

今日は、内山さんの半生を振り返っていただこうかと思います。まず、ご出身はどこになるんですか?

内山 東京ですね。親の都合から、都内をけっこう転々としてましたが。世田谷区の千歳船橋から経堂に移り住んで、小学3年の頭ぐらいまではそこにいました。

芸能界へのデビューはどのぐらい?

内山 2歳から3歳の間ですね。もともとはうちの母親が女優で、舞台に出たり、カタログ関係のモデルをやってたんです。その現場でたまたま2~3歳ぐらいの子どもが欲しいって話が出たとき、現場に自分も連れていかれて。そうしたら要領よくできたみたいで、何本かそういう撮影に起用されたんですよ。最初のお仕事は、通信販売のカタログの商品紹介の……ホットプレートを家族団らん的な雰囲気で囲んでる写真だったかな。

じゃあ物心つく前から、そういう撮影現場に出入りしてたんですね。

内山 はい。それで何本かやっていくうちに、事務所に入っておいたほうがいいんじゃない? という話になったらしくて。一番最初に入ったキャロットっていう事務所(大人のタレント部門が後のオフィス高木となる)を紹介してもらって。所属は3歳ぐらいだったと思います。

3歳! めちゃくちゃ小さかったんですね。で、テレビの地上波デビューは……

幼少時代 モデルとして

内山 1992年のNHK大河ドラマ『信長 KING OF ZIPANGU』、織田信行役ですね。6歳の時だったと思います。

なるほど! そんな若さで芸能活動をはじめて、内山さん個人としての子ども像はどうだったんでしょうか。

内山 当時、家から少し遠いところにある幼稚園に通っていたこともあって、放課後に友だちと遊ぶっていうのがあんまりなくて。父親が、オタクっぽい感じではなかったんですが、たまたまビデオをいっぱい持ってたんですよ。それを観てた記憶があります。『宇宙戦艦ヤマト』と『仮面ライダーV3』(注1)、あと『ガンダム』もあったな。お話が全部揃ってるというわけではなく、飛び飛びではありましたけど。

注1:1973年~1974年放送の『仮面ライダー』シリーズ第2作。主演は宮内洋。

当時、絶大的な人気があるところはとりあえず押さえてある感じですね。

内山 あとはそれと同時期、当時唯一遊んでいた友達の家に、でっかいテレビとビデオがいっぱいあって。そこで『V3』を全話観た覚えがあります。

その『V3』が言わば特撮の“洗礼”だったんですね。『ウルトラマン』だとどこから記憶がある?

幼少時代 ドラマ撮影時のオフショット

内山 入りは、初代の『ウルトラマン』ですね。それもやっぱり父親のビデオの中にあって。で、ダダ(注2)が出てくる回(第28話「人間標本5・6」)がめっちゃ怖かったのを覚えてます(笑)。母親に、「悪いことするとダダが来るよ!」なんて言われているような存在で。ただでさえ怖いのに、「ダダが来るの…!?」って怯えてました(笑)。

注2:地球人の標本を採取するために侵略にやってきた不気味な宇宙人。3種類の顔を自在に使い分け、科学特捜隊とウルトラマンを翻弄した。

(笑)。自分のいわゆる人格形成に貢献したようなエンタメって他にはどんなものがありましたか。

内山 もう、子役時代からお芝居とかドラマとか、いろんなところにロケ行ったりしてましたからね。『禁断の果実』(1994年放送のTVドラマ、田中美佐子主演)の時とか、当時まだ8歳でしたが、これがけっこうドロドロしたお話で。

子ども心に話の内容ってわかるものなんですか?

内山 一応、その役がどういう状況下なのかっていうのは説明してもらえるんです。それをうちの母親と一緒に聞いてから、ニュアンスをかみ砕いてわかりやすいように説明してもらったり。例えば『禁断の果実』だと僕の役は確か、兄妹の間で生まれちゃった子どもだったんですよ。バックボーンが重いじゃないですか? となると、それを理解してないと……ということで説明を受けて。結果、その歳にしてはえぐいネタをいろいろ知識として持ってたと思います。大人の感覚、感性は早い時期に周囲から吸収してるという。

マセた子どもになりそうですね。

内山 そうですね。子どもらしさはあるけれど、どこか俯瞰でものを見ているような……賢い、聡いと言われてるけど、ちょっと生意気だなって思われてる時期もあったんじゃないかな。

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