『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』特集  vol. 2

Interview

『PSYCHO-PASS サイコパス』にこの人あり…の存在感。“完璧に見えて実は可愛いヤツ” CV:野島健児が分析する、宜野座という男

『PSYCHO-PASS サイコパス』にこの人あり…の存在感。“完璧に見えて実は可愛いヤツ” CV:野島健児が分析する、宜野座という男

宜野座は完璧でいるようでいて、いつも少し抜けているところが可愛い(笑)

劇場用アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』

では改めて伺いますが、野島さんにとって、宜野座伸元というキャラクターの一番の魅力は何でしょうか。

野島 ついつい背伸びをしてしまうところが可愛いですよね。一期では、能力もないのに「俺が頑張らなきゃ! 俺がリーダーだ!」という気持ちで背伸びをしていたし、二期もまだまだ青い部分がたくさんあって、必死で努力している姿が可愛かった。今作でもトレンチコートを着て、ちょっと親父ぶっているところは、「あ、征陸お父さんに憧れているんだね」と、可愛く思えてしまいますね。本人はそういう部分を隠しているつもりなのに、みんなに気づかれているところも可愛らしい(笑)。

宜野座は完璧な人間に見えてしまうんですが、必ず抜けてる部分がある。そこが、彼を近しく感じてしまう魅力なんじゃないかなと思います。狡噛を含めて、ある種完璧な人が周りにいたから、皆さんが宜野座の可愛さを引き立ててくださってて。視聴者目線で一番感情移入しやすい場所に、今作も宜野座はいますね。

そんな成長したキャラクターを演じる上で、心掛けたことはなんでしたか? アフレコ現場で監督、音響監督からは、どのようなオーダーがありましたか?

野島 長く続いているシリーズですし、僕らの中にもキャラクターがもうしっかり存在しているので、台本を読んでテストをしながら、キャラクターを微調整、チューニングしていく。その中で「今回はこれくらい成長していいんだな」と自己判断で演じていきました。もし違っていたら、軌道修正をしていただくのですが、今回に関しては、他のキャストも皆さん考えが共通していて、自然に固まっていた気がします。なので、収録はとてもスムーズでしたね。

ただ宜野座に関しては、台詞がしっかりと作りこまれているので、そこに寄り添えば間違いないという心掛けがありつつも、勝手ながら、今までより「穏やかさ」を注入しようと考えました。

たしかに、口調がとても優しく感じました。

野島 そう、優しくなってましたよね。僕が今作の宜野座のキモだと感じたのは、小さい子供と話すシーン。そこにたどり着くには、包み込むような優しさがないと成立しないと思ったので、「穏やかさ」は重要で。そうじゃないと、単なる若造が頑張っているみたいになってしまうなと。宜野座が抱えている心の内の正直な部分を、少年との会話で出したかったです。ちょっと前の宜野座だったら、自分の心の内は、犬にしか言ってないと思うんですよ(笑)。それを人に向かって言えるようになった。そこも彼の成長の証ですね。

野島健児 エンタメステーションインタビュー

少年とどんな会話を取り交わしたのかは、ぜひ皆さんに確かめていただきたいですね。その他にも、宜野座の見どころは用意されています。例えば迫力あふれる雪中のバトルシーン。

野島 はい。まさかの格闘シーンでしたね(笑)。ちゃんと宜野座のかっこいい部分を用意していただけて「よっしゃ!」と思いながら、めいっぱい戦わせてきました。でもまさかね、あんな禁じ手、奥の手を使うとは!(笑)

そこもぜひ劇場で確かめてもらいたいところですね(笑)。いかがでしたか、格闘シーンを演じてみて。

野島 演技、表現というのは「筋肉」だとよく思うのですが、中でも格闘シーンはそれを極めた演技が必要で。一番はっきり、演じる上での筋肉が見えると思うんです。僕らがしっかり肉体を使わないと、キャラクターの声や音は絶対に出せないと思う。なので、演じている時は僕らも汗だくになりますし、目の前がクラクラするんですよ。格闘シーンは本当に、体力勝負ですね。ただ今作のアクションは、宜野座にしては……カッコ良すぎるかな(笑)。

そんな宜野座が窮地に立たされる場面では、彼にとって大切な人物との邂逅もありました。胸が熱くなりました。

野島 あそこで宜野座が何を思ったかは、いろんな捉え方があると思うんです。何も具体的には描かれていないので、それぞれの感性に委ねられている。ただあの場面で現れた人物は、彼の中で相当大きな存在であることは間違いない。その人物がいるからこそ、「俺は生きなきゃいけない」と思い、「まだやり残していることがある」と後悔を滲ませる。自分が生きる意味を教えてくれるものかも知れないですね、

窮地に出てきた“彼”の存在は。僕らの日常にもありますよね。今まで何とも思っていなかったはずなのに、どうしてあの女の子が頭の中に出てくるんだろうと思っていたら、「あ、好きだったんだ」と後で気付く。もう会えないんだけどなぁ……みたいなね(笑)。

 “これからの100年間をどう生きるか”を考えさせられるような作品になった

劇場用アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』

さらに2月15日公開の『Case.2 First Guardian』には、昔懐かしい宜野座と一係のメンバーが登場します。時間軸としては、常守朱が一係に配属される前の2112年夏の須郷徹平と、宜野座の父・征陸智己のエピソードが描かれます。

野島 一期より前の話になるので、宜野座もまさに“成長前”。自分が以前、どう演じてたかを確認するために、一期の映像を見直し、当時の宜野座の感受性を呼び起こしてアフレコに臨みました。『Case.1 罪と罰』と比較すると、面白かったですね。「この頃は、こんなことで、いちいち腹立ててたんだ」とか(笑)。

当時の宜野座は、まさに二期の霜月と同じなんですよ。あえていろんな人に怒ることで、自分を保っていた。親父を目の敵にすることで宜野座自身の仕事ができるんだと思っていた節もあったでしょうね。そして昔のメンバーの姿には、ちょっと切なくなりましたね。その後起こることを、僕らは知ってしまっているので。アフレコも純粋に懐かしかったです。「ああ、こうだったよね」と、他のキャストも感じていたんじゃないですかね。

『Case.2 First Guardian』は宜野座の家族についても理解が深まるお話でした。

野島 そうですね。僕も初めて知ることがたくさんあって、一度見ただけでは情報を整理しきれなかったです。これまでのシリーズ作品とも、『Case.1罪と罰』とも違う視点で楽しめると思います。

野島健児 エンタメステーションインタビュー

ぜひ『Case.1罪と罰』、『Case.2 First Guardian』と両方続けてご覧いただきたいですね。こうして新プロジェクトが始動した『PSYCHO-PASS サイコパス』は、リアルな近未来を描いた社会派アニメでもあり、「正義とはなんぞや」を考えさせられるヒューマンドラマでもあり、もちろん痛快なエンターテインメントでもあります。野島さんは、本作とシリーズの魅力をどうお考えでしょうか。

野島 そうですね。ひとつひとつは突拍子もないことのように見えますが、今の社会にも形を変えて同じことが投影できる。もしも100年後の未来でも、同じようなことが繰り返されていくのなら、これからの100年間をどう生きるかを提案されているような、SF とは言い切れない現実味を帯びていると思います。それが『PSYCHO-PASS サイコパス』の面白いところであり……恐ろしいところですね。

絵空事ではないですよね。シビュラシステムがすぐに実現するとは思いにくいのですが、今、国内外で実際に、AIを使った「犯罪予測システム」が導入されつつあるとも聞きますし。

野島 そうですよね。『PSYCHO-PASS サイコパス』に描かれていること、今まで描かれてきたことが、来年、僕らの身に起きてもけっしておかしくはない。脳をスキャンすると、サイコパスであるかどうかが分かるとも言いますしね。『PSYCHO-PASS サイコパス』を通して、皆さんが何を感じられるか。それを、この劇場版『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』シリーズでぜひ確認していただきたい。そしてこれからも、宜野座くんを愛していただけたら、とても嬉しいですね。

フォトギャラリー

劇場用アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』

劇場用アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』

2019年1月25日(金)より連続公開

【キャスト】
野島健児 佐倉綾音 / 東地宏樹 有本欽隆 / 関智一

【スタッフ】
SSストーリー原案・監督:塩谷直義
脚本:吉上亮(Case.1)、深見真(Case.2,3)
キャラクターデザイン:恩田尚之、浅野恭司、阿部恒、青木康浩
アニメーション制作:Production I.G 制作:サイコパス製作委員会 
配給:東宝映像事業部

©サイコパス製作委員会

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