Interview

「トクサツガガガ」で連ドラ初主演の小芝風花に宿る「スキなモノはスキ!!」と、のめり込むオタク気質

「トクサツガガガ」で連ドラ初主演の小芝風花に宿る「スキなモノはスキ!!」と、のめり込むオタク気質

大切なことは特撮ヒーローたちが教えてくれた──。「ウルトラマン」が地球に降りたって半世紀以上が経ち、「仮面ライダー」は平成シリーズの総まとめに入り、戦隊シリーズで2つの戦隊が対決するという新たな展開をみせる中、特撮モノに深き愛とオマージュを捧げるドラマが見参。ひと呼んで…「トクサツガガガ」!
自身も特撮大好きな漫画家・丹羽庭による、隠れ特撮オタクのOL・仲村叶の(非日常的な空想を織り交ぜた)日常を描いた人気コミックを映像化したこの作品で、小芝風花が連続ドラマ初主演を務める。“特オタ女子”を演じる中で、小芝自身が改めて気づいた大切なことや、心から好きなものとは何だったのか? 撮影のエピソードとともに、ひもといていく。

取材・文 / 平田真人 撮影 / 荻原大志

一見、普通なんだけど、実はものすごく大好きなものがある――世を忍ぶ仮の姿的な感じで、ふだんの叶を演じました

個人的に原作が好きで読んでいたんですけど、仲村叶を演じる小芝さんの魅力も全開でしたね。

本当ですか!? あ…でも、本人を前にしてダメだったなんて言えないですよね(笑)。

いやいや、本当に面白かったですって(笑)!

ありがとうございます。原作ファンの方の目に、ドラマ版の叶ちゃんは若すぎるって映るんじゃないかなと、実は心配していたんです。

原作だと27歳くらいの設定でしたよね。ドラマ版はもう少し小芝さんの実年齢に近くなっていたんですか…?

ドラマ版だと24歳という設定なんです。でも、原作を好きで読んでいらっしゃる方から「楽しめた、面白かった」と言っていただけて、正直安心しました(笑)。(テンションが上がり)あの、特撮キャラクターの再現率すごくないですか!? ビックリしません?

はい。「あれ、このドラマって日曜の朝にテレ朝で放送するんだっけ?」って思っちゃいました(笑)。

たぶん、原作ファンの方々は(劇中の架空特撮シリーズ)「獅風怒闘ジュウショウワン」をどう表現するのかを、一番心配されていたんじゃないかと思うんですよね。どうでしたか、ノー・プロブレムですか?

もちろんノー・プロブレムです(笑)。何より、叶ちゃんのオタっぷりがかわいらしいのがいいですね。好きなことを話す時、オタクは情報を詰め込みたいから早口になるじゃないですか。それが再現されていて…。

そうなんです、なので早口が聞き取りづらかったらどうしようって、そこもちょっと心配だったんですよね。原作を読んでいる方や、特撮が好きな方には早口で通じるかもしれないですけど、予備知識がなくてフラットな状態でドラマから観てくださる方を置いてけぼりにしちゃわないかなあっていう不安もあったので…。でも、少し不安が解消されました(笑)。

2話以降、オタ仲間の吉田さん(倉科カナ)とのトークとか、すごいことになっていそうですね(笑)。何かそういったマニアックな方々の“生態”を調べたりは…?

今回の叶ちゃんは特撮オタク女子なので、私も実際に何作品か観たりもしたんですけど…私自身は「オタクな女の子だから、こうじゃなきゃいけない」といった固定されたイメージに縛られるのってどうなのかなって考えていました。仲村叶は“特オタ”であることを隠していて、会社の人たちには普通に仕事ができる女性として映っているじゃないですか。一見、普通なんだけど、実はものすごく大好きなものがある──というふうにしたくて。好きなものを見たら誰でも興奮したりテンションが上がりますし、かといって偏りすぎているわけでもなく…世を忍ぶ仮の姿的な感じで、ふだんの叶を演じました。
強いて学んだと言えば…実は今回の助監督さんが本当に特撮大好きな方で、「カプセル・トイを手にした時、最初にどこを見るか」といったことを教わりました。

ちなみに、どこを見るんですか?

「塗り細かッ!」って言うとオタっぽいよ、と助言をいただきました(笑)。

最近の“カプセル・トイ”の商品は精巧なつくりだったりしますからねぇ~。

今回の撮影で久しぶりにカプセル・トイをやってみたんですけど、今は(1回まわすのに)300円くらいするんですよね。私が子どもの頃は100円だったから、「高い!」って思っちゃいました(笑)。ただ、(劇中に登場する『獅風怒闘ジュウショウワン』のカプセル・トイの)「シシレオー」のスウィングは、300円でも安いくらいクオリティーが高かったと思います!

聞くところによると、シシレオーのスウィングは特注でつくったそうですね。

そうなんです。でも、繊細すぎて壊れやすいので、途中から予備が3体くらい追加されました。でも、「あれっ、腕が取れた!」ってなることが、かなりありました。ある意味、私たちよりもグッズの方が最優先事項になっていた気がします(笑)。カットがかかった瞬間、「はい、シシレオーさん、いったん取りま〜す」とスタッフさんがスウィングを預かりに来るんですよ。で、次の本番前に「シシレオーさん入りま〜す」って、また身につけるという…。

NHKドラマ10『トクサツガガガ』より ©NHK

シシレオーの仲間のトライガーも1体だけだったんですか?

トライガーは2体ありました。でも、ちゃんと色が塗り分けられてあったのは1体しかなくて。だから、かなり制作費がかかっていたと思います。カプセルトイのスウィングはシシレオーとトライガーと敵のゲンカ将軍しかなくて、味方のセロトルとチェルダは作ってないんですよ。できれば全部見たかったです。大量生産するわけじゃなくて、1体ずつ作るから、逆に手間とお金がかかるんですよ。

叶と小芝さんの共通点は、ネイティブの言葉が関西弁というところですよね。そこも合っていたんじゃないかな、なんて思ったりもします。

素の部分というか…叶の根っこが出てくるにつれて、お母ちゃん(松下由樹演じる母・仲村志=なかむらふみ)と話す時に関西弁になっていきます。最初は標準語で応対しているんですけど、だんだんと関西弁になってほしいと監督さんからオーダーされて。というのは、叶が無意識に関西弁を使う時は、動揺していたり、感情がパンッと出る時なんです。そういう意味では、わかりやすいキャラなんじゃないかなって思います。

原作はドラマ版にどう反映されているんでしょうか?

1回ごとに原作のエピソードがふんだんに盛り込まれているので、観応えもあるんじゃないかなって、私としては感じています。特に第1〜3話はオタクにまつわるいろいろな問題が詰まっていて、人目を避けて生きてきた“隠れオタ”ならではの悩みが描かれているんですけど、4〜5話は仲間ができて、話のテンションとしては一度落ち着きます。その後、みんなで海に行ったりするんですけど…毎週欠かさずに観ていただけたらうれしいです!

ちょいちょい本編中に織り込まれる、特撮あるあるネタも面白いですよね。

叶ちゃんと吉田さんが通じ合って手を取り合うシーンで、お互いを認め合って握手するシシレオーとトライガーが重なるんですけど、そういう特撮ネタがいたるところで出てくるんです。こういうドラマって、今まであんまりなかったんじゃないかなーって思うんですよね。なので、あまり特撮のことを知らない方でも、新鮮な感じで楽しんでいただけるんじゃないかと思います。

NHKドラマ10『トクサツガガガ』より 獅風怒闘ジュウショウワン<左より チェルダ(黄) シシレオー(赤) トライガー(青) セロトル(銀)> ©NHK

あとから仲間に加わる「追加戦士」のエピソードも、「あぁ、あるある」な感じがしますよね。

実際の特撮シリーズでも、追加戦士って派手めな感じらしくて、「ジュウショウワン」のセロトルもシルバーで華やかなんですよ。追加戦士って、めちゃくちゃいいポジションなんだなっていうことを知ったのも、「トクサツガガガ」を通してなんです。3話と4話が「追加戦士」にまつわるエピソードで、北代さん(木南晴夏)というアイドルオタクの人の過去が描かれるんですけど…(話ぶりに熱がこもり)「ジュウショウワン」の追加戦士のセロトルも、敵のゲンカ将軍と兄弟なんですよ! っていう闇な部分もあって、セロトルは当初シシレオーたちに心を開かないんです。その頑な姿が北代さんと重なっていって……あんまり喋るとネタバレになっちゃうので(笑)、とにかくすごく素敵なエピソードということで、ぜひぜひ観てください!

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