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2018年のゲーム業界を振り返る【前編】 堅調に拡大した1年

2018年のゲーム業界を振り返る【前編】 堅調に拡大した1年

昨年の記事に続き、2018年のゲーム業界を振り返る試みを今年も行いたい。前編となる今回は、ヒット作がたくさん発売された家庭用ゲーム機とスマホゲームを中心に、そのヒット作によってどんな1年だったかを振り返ってみた。また、2018年1月から6月までのおもなゲームソフト発売日、ゲーム業界の出来事などもまとめてあるので、そちらもぜひ目を通してほしい。

文 / 松井ムネタツ


国内外のビッグタイトルが多数発売

2018年はゲームが豊作だった。1月の『モンスターハンター:ワールド』に始まり、『真・三國無双8』、『Detroit: Become Human』、『Marvel’s Spider-Man』、『レッド・デッド・リデンプション2』、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』など、話題作が多く発売された。話題になったタイトルの半分は海外ゲームだが、いまのゲームユーザーはもう和ゲーだの洋ゲーだのということに関しては、とくに意識していないように思う。

▲『レッド・デッド・リデンプション2』

© 2018 Rockstar Games, Inc.

いきなり結論を述べてしまうと、2018年のゲーム業界は”堅調に拡大”という1年だった。ワールドワイドだと家庭用ゲーム機はPlayStation®4(以下、PS4)とXbox One(以下、XOne)が2014年の発売から5年経過して円熟期に入り、ビッグタイトルが多数登場するようになってきた。Nintendo Switch™(以下、Switch)は2017年3月発売だがその勢いは、もっとも普及スピードが早かったWii並みかそれ以上とも言われており、現状はPS4が圧倒的な販売台数だが、それぞれのプラットフォームが存在感を見せる状態となっている。
ちなみに全世界での普及台数は、PS4が2018年12月31日時点で累計実売台数9160万台を突破、 Switchが2018年9月で2286万台となっている(いずれもメーカーによる発表)。XOneは具体的な数字を発表していないが、業界の一般的な予測値としてはPS4の半分程度ではないかと言われている。2019年の今後1年間で一番売れるハードはSwitchだと予測するアナリストもおり、各ハードともまだまだ台数を伸ばしそうだ。

とはいえ、以前のようなハード戦争の雰囲気はなく、むしろそれぞれの領域でポジションを確立するようになり、これまで絶対に交わることがなかった”異なるハードでもオンラインで遊べる”という時代になってきている。2017年から『ロケットリーグ』や『マインクラフト』はPC版、XOne版、Switch版がオンラインで一緒に遊べるようになった。ただ、このクロスプラットフォームのオンラインプレイの輪に、PS4は加わっていなかった。

▲『ロケットリーグ』

© 2015-2018, Psyonix Inc. ROCKET LEAGUE is the registered trademark of PSYONIX and the ROCKET LEAGUE and PSYONIX logos are the trademarks of Psyonix Inc. Copyrights and trademarks are protected under United States, foreign country, and international laws and treaties. All rights reserved.

ところが2018年9月、PS4版『フォートナイト』が他機種と一緒に遊べるクロスプラットフォームプレイ搭載を発表。これまで慎重な姿勢を見せてきただけに、このニュースはちょっと驚いた。原稿を書いている現時点(2019年1月15日現在)で『ロケットリーグ』ベータ版もクロスプラットフォームプレイが可能になったとのことで、この流れは徐々に増えてくるだろう。

インディーゲームのさらなる台頭

インディーゲームも海外産が多いが、こうしたゲームも日本で多くのファンが遊ぶようになった。これは各プラットフォームのオンラインストアでゲームを購入することが当たり前になり、ストアを覗くと自然といろいろなゲームが目に留まる。インディーゲームは個性的で目につくビジュアルの場合が多く、「あれ、このゲームなんか面白そう」とつい買ってしまう。なかでもSwitchがインディーゲーム開発者向けに門戸を開いているのが大きい。ニンテンドーeショップにはたくさんのインディーゲームが並んでおり、本来の携帯モードで気軽にサッと遊ぶスタイルとインディーゲームは相性もいいようだ。

▲Nintendo Switch公式サイトには、インディーゲームコーナーがある

© 2018 Nintendo

2018年は傑作インディーゲームが多く発売された。ざっと名前を挙げていくと(日本で発売された時期およびパッケージ版が発売された時期が2018年である、という基準でピックアップ)、『Dead Cells』、『Gorogoa』、『Hollow Knight』、『Kingdom:Two Crowns』、『LA-MULANA 2』、『Moonlighter』、『OverCocked』、『Stardew Valley』、『UNDERTALE』、『WILL -素晴らしき世界-』など、名作傑作話題作がたくさんあった1年だった。

▲『Hollow Knight』

© 2018 Team Cherry

オリジナルの海外版は2016年~2017年に発売され、それが2018年に日本語ローカライズされてリリースされた……というケースも多く、話題のインディーゲームがちゃんと日本でも発売されるという状況になっているのは、それだけ日本および世界のゲーム市場が拡大しているということなのだろう。

スマートフォン向けゲーム事情は?

さて、少し駆け足となってしまうが、スマートフォン向けゲーム市場も振り返ってみよう。CESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)によると、スマートフォン/タブレット向けゲームの国内市場は2015年で9453億円、2016年で1兆1699億円、2017年で1兆3192億円と推計されており、2018年も1兆数千億円になっていると思われる。まさに堅調に拡大したと言えるだろう。
2018年も相変わらず『Fate/Grand Order』、『モンスターストライク』、『パズル&ドラゴンズ』、『グランブルーファンタジー』、『LINE:ディズニー ツムツム』といった定番人気アプリが課金ランキングの上位を占めてきた。このなかでは一番新しい『Fate/Grand Order』が2015年7月リリースで、その他は5年以上サービスが続いているゲームばかりだ。

▲『Fate/Grand Order』

©TYPE-MOON / FGO PROJECT

昨今の新作スマートフォン向けゲームは、1年経たずにサービスを終了してしまうゲームが多い。2018年にリリースされたゲームだと『プリンセスコネクト!Re:Dive』や『リネージュ2 レボリューション』、『ロマンシング サガ リ・ユニバース』あたりには、ぜひとも長く続いてほしいがどうなるか……!

2018年1月~6月に発売されたおもなゲーム・出来事

ここでは1月から6月までに発売されたタイトルとおもな業界ニュースをまとめてみた。今年はeスポーツ大会も可能なかぎり網羅してみたのだが、その多さにちょっとビックリするかもしれない。そのあたりも併せてチェックしてもらえると、2018年がより詳しくわかるはずだ。

2018年1月

1月11日 ディシディア ファイナルファンタジー NT(PS4/スクウェア・エニックス)
1月11日 Stardew Valley(PS4、XOne、Switch/ConcernedApe)

1月18日 ストリートファイターV アーケードエディション(PS4、PC/カプコン)
1月26日 モンスターハンター:ワールド(PS4/カプコン)
1月22日 D×2 真・女神転生リベレーション(スマートフォン/セガゲームス)
1月24日 サーヴァント オブ スローンズ(スマートフォン/スクウェア・エニックス)
1月26日 ドラゴンボール ファイターズ(PS4、XOne、Switch/バンダイナムコエンターテインメント)
1月26~28日 対戦格闘ゲーム大会”EVO Japan”開催

<pickup>
満を持して発売された、最新据え置き機ハード向けとなる『モンスターハンター:ワールド』。1000万本以上販売し、カプコン史上最高の販売本数となった。2019年にはこれまでのG級相当の大型拡張ダウンロードコンテンツ『モンスターハンターワールド:アイスボーン』が予定されている。

▲『モンスターハンター:ワールド』

© CAPCOM CO., LTD. 2018 ALL RIGHTS RESERVED.

2018年2月

2月1日 日本eスポーツ連合(JeSU)発足。プロライセンス発行へ
2月2日 東京・中野にゲーミングスペース”Red Bull Gaming Sphere Tokyo”オープン
2月8日 真・三國無双8(PS4/コーエーテクモゲームス)
2月9日 『リーグ・オブ・レジェンド』日本プロリーグ”LJL 2018 Spring Split”開幕
2月10日~11日 闘会議2018開催
2月15日 タニタが『とある魔術の電脳戦機』向けにツインスティック開発プロジェクト始動
2月15日 電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機(PS4、Vita/セガゲームス)
2月15日 プリンセスコネクト!Re:Dive(スマートフォン/Cygames)
2月21日 METAL GEAR SURVIVE(PS4、XOne、PC/KONAMI)
2月23日 カラーとドワンゴがインディーゲームを支援する新会社バカーを設立
2月23日 YUMENIKKI -DREAM DIARY-(PC/PLAYISM)

<pickup>
日本eスポーツ協会、e-sports促進機構、日本eスポーツ連盟と3つあったeスポーツの団体がひとつになり、日本eスポーツ連合(JeSU)が生まれた。ひとつになったのは将来的に五輪種目として働きかけを行う際、複数の団体があることが弊害となるためだ。また、プロライセンス制度も発表され、JeSUがライセンスを発行する

▲日本eスポーツ連合(JeSU)設立

2018年3月

3月7日 吉本興業がeスポーツに参入。所属芸人がプロゲーマーに
3月8日 『シャドウバース』のプロリーグ“RAGE Shadowverse Pro League”発足
3月8日 フォートナイト(PS4、スマートフォン、PC/Epic Games)
3月8日 北斗が如く(PS4/セガゲームス)
3月16日 星のカービィ スターアライズ(Switch/任天堂)
3月23日 二ノ国II レヴァナントキングダム(PS4、PC/レベルファイブ)
3月29日 ファークライ5(PS4、XOne、PC/ユービーアイソフト)
3月29日 スーパーロボット大戦X(PS4、Vita/バンダイナムコエンターテインメント)

<pickup>
海外では2017年7月にリリースされ、国内では2018年3月に配信開始となった『フォートナイト』。基本プレイ無料であること、国内のPS4向けとしては初めてリリースされたバトルロイヤルゲームということもあって、一気にその人気は広まった。ゲーム実況者が積極的にこのゲームをプレイしていることも人気の要因のひとつとなっている。

▲『フォートナイト』

© 2019, Epic Games, Inc. Epic, Epic Games, the Epic Games logo, Fortnite, the Fortnite logo, Unreal,Unreal Engine 4 and UE4 are trademarks or registered trademarks of Epic Games, Inc. in the United States of America and elsewhere. All rights reserved.

2018年4月

4月4日 Dead by Daylight(PS4/Starbreeze Studio)
4月10日 クロノマギア(スマートフォン/ガンホー・オンライン・エンターテイメント)
4月14日 『リーグ・オブ・レジェンド』日本プロリーグ”LJL 2018 Spring Split”決勝大会開催。優勝チームはPENTAGRAM
4月14日~15日 東京・ベルサール秋葉原にて”セガフェス2018″開催。『サクラ大戦』新作を発表
4月15日 東京・池袋にeスポーツ施設”LSF池袋”オープン
4月20日 Nintendo Labo Toy-Con 01: Variety Kit/Nintendo Labo Toy-Con 02: Robot Kit(Switch/任天堂)
4月20日 ゴッド・オブ・ウォー(PS4/ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
4月21日 プロ6チームによる”コール オブ デューティ ワールドウォーII プロ対抗戦”開始
4月24日 アイドルマスター シャイニーカラーズ(スマートフォン/バンダイナムコエンターテインメント)
4月26日 実況パワフルプロ野球2018(PS4、Vita/KONAMI)

<pickup>
Switch向けの周辺機器として発売された『Nintendo Labo』は、非常に意欲的なものだった。ダンボールを組み立て、そのなかにJoy-Conや本体を差し込むと、それがピアノになったりバイクゲームになったり釣りゲームになったりする。2019年1月現在で『バラエティキット』、『ロボットキット』、『ドライブキット』の3種類が発売されている。今後のさらなる展開にも期待したい。

▲『Nintendo Labo Toy-Con 01: Variety Kit』

© 2018 Nintendo

2018年5月

5月4日 『FIFA 18』による明治安田生命eJ.LEAGUE 決勝ラウンド開催。優勝は浦和レッズのかーる選手
5月12日~13日 京都でインディーゲームイベント”Bitsummit Vol.6″開催
5月16日 PUBGモバイル(スマートフォン/PUBG)
5月24日 UNDERTALE(パッケージ版・PS4、Vita/ハチノヨン)
5月25日 Detroit: Become Human (PS4/ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
5月30日 ポケモンクエスト(Switch、スマートフォン/ポケモン)
5月31日 BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE (PS4、Switch/アークシステムワークス)

<pickup>
国内では2018年5月にようやくスマートフォン向け『PUBGモバイル』が配信になった。すでにスマートフォン向けバトルロイヤルゲームとしては後発となってしまったこともあり、テレビCMは斎藤工さん、成田凌さん、滝藤賢一さん、清野菜名さんといった人気俳優を起用して話題に。モバイル版の大会も行っており、スマホでも確固たる地位を狙っている。

▲『PUBGモバイル』

© 2018 PUBG Corporation. All Rights Reserved.

2018年6月

6月7日 Life is Strange: Before the Storm(PS4、XOne、PC/スクウェア・エニックス)
6月7日 Fate/EXTELLA LINK(PS4、Vita/マーベラス)
6月12日~14日 アメリカ・ロサンゼルスで”E3 2018″開催
6月13日 Hollow Knight(PS4、XOne、Switch/Team Cherry)

6月21日 New ガンダムブレイカー(PS4/バンダイナムコエンターテインメント)
6月22日 『リーグ・オブ・レジェンド』日本プロリーグ”LJL 2018 Summer Split”開幕
6月22日 マリオテニス エース(Switch/任天堂)
6月26日 ルミネス リマスター (PS4、XOne、Switch、PC/エンハンス)
6月29日 日本テレビがeスポーツ事業に参入。ゲーミングチーム”AXIZ”を設立

<pickup>
E3開幕直前に各プラットフォーマーが発表会を行っているのだが、2018年のマイクロソフトはXOne向けタイトルをこれでもかとその数でアピール。ゲーム開発会社を新たに6社買収したことも発表され、しっかりとゲームに注力していることで存在感を見せつけた。さりげなく次世代Xboxの開発に着手していることにも触れたので、2019年にはもう少し具体的なことを発表する可能性があるかもしれない。

▲Xbox E3 2018 ブリーフィング

2018年前半の大きな話題は、やはり『モンスターハンター:ワールド』の発売と日本eスポーツ連合”JeSU”発足だろう。『モンスターハンター:ワールド』はさすが人気シリーズ最新作ということもあり、筆者のゲームフレンドの多くが毎日のように遊んでいた。最近はちょっと静かな印象だが、『アイスボーン』がリリースされれば再び話題の中心となるのだろうか。JeSUは発足が2月だったが、そこからいい流れでつねにeスポーツがゲーム業界内外で話題になっていったと思う。2018年のeスポーツに関しては、次回後編でじっくり語りたい。

※記事中の一部画像は、公式リリースから使用

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