Interview

水原希子「お芝居は常にそれなりの覚悟が必要」。ドラマ『グッドワイフ』への出演を決めた理由と今後の展望を明かす

水原希子「お芝居は常にそれなりの覚悟が必要」。ドラマ『グッドワイフ』への出演を決めた理由と今後の展望を明かす

スタイリッシュなルックスにピュアな感性、何者にも媚びない自由なスタンスで若い女性を中心に絶大な支持を集める水原希子。モデルとして世界的に活躍する一方、女優としても話題作に次々に出演。現在放映中の日曜劇場『グッドワイフ』では物語のキーを握る謎めいた女性・円香みちるを演じている。

インスタグラムのフォロワー数は520万を突破。一昨年には自身のブランド「OK」を立ち上げ、ファッションやアートなど、さまざまなプロジェクトに携わるなど、いまやモデルや女優といった枠を超えてグローバルなメッセージを発信し続ける彼女に、ドラマ『グッドワイフ』に寄せる思いと今後の展望について話を聞いた。

取材・文 / 井口啓子 撮影 / 斎藤大嗣

女性が強く生きていく。ドラマ『グッドワイフ』は現代に必要とされているドラマだと思う。

ドラマ『グッドワイフ』は昨年主演された映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』とは打って変わって、シリアスで重厚なリーガルヒューマンエンターテインメントです。出演のお話がきた時の率直な感想は?

まずは『グッドワイフ』ってタイトルが興味深いなと思いました。常盤(貴子)さん演じる蓮見杏子というヒロインは、夫が逮捕されて浮気も発覚して、立場的にもいろいろ苦しい中で模索しながら自分らしく強く生きていこうとする。そういうヒロイン像が素敵だなと思ったんです。今の時代、こういう物語はある意味、すごくリアルで必要とされていると思うし、私自身も女性リードの物語に関わりたいなって。あと、常盤さんが主演だと伺って、お会いしてみたかったのも大きかったですね。常盤さんは私の中で、常盤さんにしかない潔さや強い意志を持った女性というイメージがもともとあって、会ってお話してみたいなと思っていた方でした。役者としても個としてもいい関わりあいができるんじゃないかと思ったんです。

リーガルドラマということで、いわゆる日常劇とは勝手が違うことも多いと思うのですが…?

弁護士事務所で働いてるパラリーガルの役ーーと聞いたときは、正直「うわっ!」って思いました(笑)。自分とはほど遠い世界の話だし、台詞も確実に大変だろうなって。実際すごく大変ですし(苦笑)。特に円香は、ミーティングの時にみんなに事件の説明する「説明台詞」が多いんです。専門用語も多くて、口慣れない言い回しが多いから、憶えるのも言うのもすっごく大変。現場自体はすごく和気あいあいとしていて、監督も俳優の皆さんもこのシーンはこうしたいとか、登場人物の関係性も含めて見えてるヴィジョンが明確にあるので、そこは安心して頼りにさせてもらってます。個人的に台詞を台本上の言葉ではなく、自分の言葉として出てくるようにフィジカルに叩き込むのだけが苦労しているところですね。

役柄的にもクールで感情をあまり露にしないキャラクターですもんね。

そうなんですよ。監督からも円香はいろいろ闇を抱えていたり、過去にトラウマになる出来事があって、基本的に人間に興味がない人だから閉ざして欲しいって言われて。私自身は基本的に半開きで(笑)、相手とキャッチボールをして心を交わしていきたい人間なので、それがすごく難しくて。感情を閉ざしてるというのが、これでいいのかわからなくて苦戦したんですが、円香も今後だんだん杏子さんに心を開いていったりするので、その変化も見ていただきたいですね。

それは楽しみです。ちなみに常盤さんとは実際に共演してみていかがでした?

楽しいです。常盤さんって、すごくチャーミングでおもしろいことが好きな方なんですよ。女性が少ない現場ということもあって、二人で健康の話で盛り上がったりして楽しく過ごしてます。

違う自分を見せてくれるから、知らない世界にどんどんチャレンジしていきたい

水原さんは女優以外にもモデルや、ファッションブランドのアンバサダーをされたり、自身でブランドを立ち上げたり、さまざまな表現の場を持たれています。女優という仕事はご自身の中でどのような位置づけにあるのでしょう?

お芝居に関しては常にチャレンジですね。モデルの仕事は、言葉とか説明を必要としない感覚的な世界で、現実とは違う、見たことがないものを見せるようなアートに近い表現だと思うんです。でも、女優の仕事、特に今回のようなドラマだと、明確なテーマや物語がちゃんとあって、見る人にそれをちゃんと伝えないといけない表現で、作り手にも共通認識が必要なので、それなりの覚悟も緊張感もある。
モデルのお仕事は若い時からやっているので、写真のこともメイクやファッションのこともよく理解しているので緊張もしないけど、お芝居は分からないことだらけなので、楽しいというよりは本当にチャレンジ。映画『ノルウェイの森』でたまたま声を掛けていただいて、そこから継続的にお仕事をいただけているということは、お芝居してる私を見たいと思ってる方がいるということで、すごくありがたいことなんですが、本当のことを言うと、毎回一瞬躊躇してしまうぐらいお芝居は自分にとって難しいこと。撮影期間中はずっと役を背負わないといけないので体力も頭も使うけど、でも、そのぶん自分をステップアップさせてくれるものかなって。

具体的に感じられたフィードバックはあります?

まだわからないですが、今回ならずっと興味を持っていた常盤さんに会えたこともひとつのフィードバックです。常盤さんカッコイイなとか、今回は塚原あゆ子さんという女性の監督さんなんですが、すごくハキハキして仕事されててカッコイイなとか、個人的に勇気をもらっています。結局、何の仕事であれ人と関わって、いろんな影響を受けて生きてるわけで、だからこそ知らない世界にどんどんチャレンジしていきたい。今まで自分が触れたことがない人と触れ合うことは、今の自分にとって刺激的だし、違う自分を見せてくれるものだと思うんです。

モデルとか女優とかいう以前に、ひとりの人間として自由にさまざまなメッセージを発信されている水原さんのエネルギーの源を垣間みる思いです。今後、こうなりたいという女性像はありますか?

私、今年で29歳になるんですけど、こういう女性になりたいというのがわからなくて。素敵だなと思う人はいっぱいいるんですが…、今、生き方の正解というものがなくなってきているように感じていて。英語が喋れなくても、おもしろい写真や映像をソーシャルメディアに上げるだけで世界中の人とコミュニケーションがとれる世の中になって、エンタテインメントの世界も昔みたいにテレビや雑誌に出続けないといけないという時代でもなくなってきて、映画業界も予算がなくてもおもしろい作品が撮れる例も出てきてる。今までみんなが「こうでなきゃいけない」と信じていたものが覆されて、可能性が広がってきてるぶん、これから世界がどうなっていくかも、自分がどうなっているのかも正直わからないんですよね。ただ、個人的には昨年くらいから、自分は女なんだなという実感が出てきてて。ジェンダー的な女ではなく、生物として女であることを本能的に感じるようになって。肉体的にも精神的にも自分がどうなっていくのか楽しみです。モデルとか女優とかいう枠にあてはまらなくても、表現することはずっと続けたいし、自分が今なにがやりたいのか? その時々で直感的に反応できる芯を磨いていきたいですね。

水原希子

1990年、テキサス州ダラス生まれ、兵庫県育ち。2010年の映画『ノルウェイの森』(トラン・アン・ユン 監督)で女優デビューを果たし、現在はモデル、映画、ドラマ、CMと幅広く活躍中。映画『ヘルタースケルター』(12)『トリック劇場版 ラストステージ』(13)「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」シリーズ(15)『信長協奏曲』(16)『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』(17)などに出演。現在はTVドラマ『グッドワイフ』(TBS)に出演中。

オフィシャルサイト
www.kiko-mizuhara.com
www.officekiko.com

Twitter
@kikoxxx

Instagram
@i_am_kiko

フォトギャラリー

日曜劇場『グッドワイフ』

毎週日曜よる9時~9時54分
制作:TBS
原作:based on “The Good Wife” produced in the United States by CBS Television 
Studios in association with Scott Free Productions and King Size Productions, and 
distributed by CBS Television Distribution”
脚本:篠﨑絵里子
チーフプロデュース:瀬戸口克陽
プロデュース:東仲恵吾
演出:塚原あゆ子 ほか

[出演]
蓮見杏子:常盤貴子
多田征大:小泉孝太郎
円香みちる:水原希子
朝飛光太郎:北村匠海
佐々木達也:滝藤賢一
林 幹夫:博多華丸
遠山亜紀:相武紗季
神山佳恵:賀来千香子
脇坂博道:吉田鋼太郎
蓮見壮一郎:唐沢寿明

オフィシャルサイト
https://www.tbs.co.jp/the_good_wife2019/