Interview

畠山 遼 初主演舞台『OUT OF FOCUS!』いよいよ開幕。クセモノ揃い(!?)の座組みに挑む気持ち、泣かされたという髙木 俊からかけられた言葉とは?

畠山 遼 初主演舞台『OUT OF FOCUS!』いよいよ開幕。クセモノ揃い(!?)の座組みに挑む気持ち、泣かされたという髙木 俊からかけられた言葉とは?

役者にとって、単独で主演を務める、というのはやっぱり特別なこと。これまで舞台「黒子のバスケ」(緑間真太郎 役)やミュージカル『スタミュ』(柊 翼 役)など、様々な舞台でちょっと気になる存在感を放ってきた俳優の畠山 遼が、2月9日(土)から開幕の舞台『OUT OF FOCUS!』でついに単独初主演を飾る。
本作は山奥の廃墟を舞台に、嘘と勘違いと人情から巻き起こる、男10人によるワンシチュエーションコメディ。原作のないオリジナル舞台だけに、その筋書きの多くは謎に包まれている。クセモノしかいない共演者たちに、初座長の畠山は果たしてどう立ち向かうのか……?

取材・文 / 横川良明 撮影 / 関信行


しゅんりー(髙木 俊)さんのひと言に、涙が出ました

稽古、少し拝見しましたが、かなり会話主体のコメディですね。

そうですね。会話が多いです。特に今回特殊なのが、序盤は山奥の廃墟でアイドルとの熱愛が発覚した芸人がコワモテの男に縛られているっていう設定で。だからすごくダークな雰囲気なんですよ。でもそれがミスリードで、徐々にすれ違いが生まれてコメディになっていくという。こういう展開はこの作品ならではの魅力だと思っています。

畠山さんが演じるのが、その芸人を脅すヤクザの男。が、実はドッキリ番組の仕掛け人で、本当は売れない役者という役どころです。ヤクザのシーンと、素の役者のシーンではかなり明確にコントラストをつけて演じられているようでした。

今回、心の声というのがあって。そこで僕の演じる叶谷大志の素の部分が漏れ出るんですけど、ヤクザの部分とその素の部分は思いきり違いをつけたいなと思いながら演じています。

演じる叶谷はボケ? ツッコミ? それとも巻き込まれ系キャラ?

巻き込まれ系ですね。周りにどれだけ振り回されて困れるかが今回の課題。ですが、そんな叶谷が後半に向けて、何があっても諦めない強さを見せるようになっていくという感じなんです。そこの成長をしっかり見せたくて。ずっとくすぶっていた叶谷の中に、今までとは違う感情が芽生えていく。それによって男としての魅力がぐっと上がるところをうまく表現したいです。

同じ役者として、演じる叶谷に共感できるところは?

僕自身もまったく器用ではなくて。だから叶谷の不器用な感じは自然にトレースできるんじゃないかと思います(笑)。

ご本人は不器用なんですね。

不器用ですね……。お芝居も自分で納得できないとうまくできないというか。ちゃんと腹に落とし込めたり、スムーズに自分の中で動線が通らないと演じるときに迷いが出てしまうので、そこはいつも苦労します(笑)。

じゃあ役をモノにするのは、いつも稽古の終盤とかに?

そこは作品によりけりで、スッと入れることもあるんですけど。今回は稽古が進んできて、話の筋道は自分の中で通った手応えがあるんですけど、やっぱり主演というのがいつもとは感覚が違うところで。周りに対するアンテナの張り具合とか、まだまだ難しいなと思うところも残っています。

やっぱり主演は違いますか?

全然違いますね。稽古に入って1週間ぐらいまでは、気負いすぎて、寝てる最中にハッと目が覚めたりしてました(笑)。

そんなにプレッシャーが。

すごかったです。作品を背負わなきゃって気持ちが強すぎて。でも、周りを固めてくださる方たちが本当に頼れる方たちばかりで。皆さんとの会話で気負いもだいぶなくなってきたかなという気はしています。

皆さんとの会話の中で特に心に残った言葉は?

まだ序盤の頃だったんですが、稽古終わりにしゅんりー(髙木 俊)さんと御飯を食べに行って。そのときに僕が「やっぱりもっと僕がちゃんとしなきゃいけないですよね」という相談をしたら、しゅんりーさんが「そんなに背負わなくていいよ。座長として何かをしなきゃって気負うんじゃなくて、遼は明るく笑顔でいてくれればいい。みんなで一緒につくっていこうよ」って言ってくださって。そのひと言で、すっと涙が出ました。

それだけグッときたんですね……。普段からよく泣くタイプですか?

いや、普段は全然泣かないんですよ。ただ、僕の傾向として、人の思いやりを感じたときに涙腺にくるというのはあって。そのときもしゅんりーさんの優しさに涙が出たんだと思います。もともと大好きでしたが、今回の共演でますますしゅんりーさんのことが好きになりました!

いいですね!

ほかにもちょっと芝居で詰まっていると(向野)章太郎さんが「遼、大丈夫か? やってて気持ち悪いところはないか?」って声をかけてくださるし。キシタク(岸本卓也)さんとかいろんな方が気を遣ってくださって。今回のキャストは、みんなでひとつの作品をつくり上げている感じがすごくするんです。たぶんこの舞台が終わったあとも、一緒に戦った“戦友”としてずっと繋がっていられるような、忘れられない仲間になる予感がしています。

トライフルさんとだからこそ、単独初主演の意味がある

今回、初の単独主演ですが、いつか主演をという気持ちはありましたか?

そうですね。2017年に『ハッピーマーケット!』という舞台で鎌苅健太さんとW主演をやらせていただいたんですけど。そのとき座長として引っ張ってくださったのはケンケン(鎌苅)さんで。でも、本番が終わってすぐ「ほかにも主演をやりたいです!」という話はマネージャーにしました。

また主演がやりたいと思ったのはなぜ?

それまでの僕は、主演をやりたいとか、そういう欲が全然なかったんですよ。でもそのときもう26歳で、これから役者を続けていくうえでもきっと主演を張る経験は必要になってくるなと感じて。自分のこれからのために、座長として作品を背負う経験を積んでみたかったんです。

その記念すべき初の単独主演が、畠山さんのキャリアの初期からを知っているトライフルエンターテインメントさんのプロデュース公演というのがまた感慨深いですね。

そこに対する思い入れは強いですね。トライフルさんもプロデューサーの辻(圭介)さんも、すごく作品に対する愛が深いので。だからこそ、自分の初めての単独主演がトライフルさんというのは心強いですし、トライフルさんとだからこそやる意味があるのかなとも思っています。

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