LIVE SHUTTLE  vol. 51

Report

ABEDON50祭「サクランボー/祝いのABEDON」@山形市総合スポーツセンター2016.7.31

ABEDON50祭「サクランボー/祝いのABEDON」@山形市総合スポーツセンター2016.7.31
ユニコーンのメンバー恒例の50歳を祝うお祭りの最後を飾るのは、ABEDONだ。ユニコーンはもちろん、ユニットを組んだSPARKS GO GOや、プロデュースをした氣志團もステージに登場。気心知れた仲間たちとの信頼関係と、どのパートも全力で音楽で遊ぼうとするミュージシャン魂に溢れるステージだった。地元・山形で、4時間弱に渡って繰り広げられたメモリアルな一夜の様子をお届けする。

取材・文 / 平山雄一  撮影 / TEAM LIGHTSOME


ユニコーン・ファミリーの結束は強い。おそらく音楽業界最強と言ってもいいかもしれない。 その結束の強さの表われの一つとして、メンバーそれぞれの節目、50歳の誕生日を全力で祝う祭が恒例となっている。7年前の川西幸一を皮切りに、これまで手島いさむ、奥田民生、EBIの50歳を祝ってきた。 祝い方もバンドマンらしくて面白い。まずオリジナル音源を作り、イベント本番では、祝われる本人が関わるバンドが次々に出演。結果、本人がイベントの全ステージに出ずっぱりになる。奥田 の番のとき、「なんで祝われる本人がいちばん大変なんだよぉ」と奥田 がボヤいたのは有名な話。まったくそのとおりなのだ。そしてユニコーン50祭の最後は、ABEDON。故郷・山形での開催となった。 “50祭”では、普段は見れない企画が盛り沢山なので、ファンも遠方から駆けつける。僕も駆けつけたのだが、ちゃんと会場への行き方を読んでいなかったので、地図を頼りに山形総合スポーツセンターを目指した。最寄駅は羽後千歳駅。山形駅から仙山線各駅停車の2個めで降りて、青々した田んぼの中の道を歩く。盆地の夏は猛烈に暑い。汗びっしょりになったところで会場に到着。 ここで一句、「15分青田を歩く祝いかな  雄一」 スポセンの広場に着いたら、山形駅からシャトルバスが出ていたらしいことを聞いてガックシ。でも、ABEDONが過ごした少年時代の夏の景色を体験したと思えば、ま、いっか。そんなこんなで、今回のレポは、ファミリー感満載で行こうと思う。
まずABEDONの生涯をたどる映像が、ステージの巨大スクリーンに映し出される。締めの言葉は「故郷(ふるさと)に飾る錦は佐藤錦」。これも俳句っぽくていいな。 大歓声が体育館全体に響き渡ると、ABEDON とSPARKS GO GOの合体バンド、ABEX GO GOがステージに登場した。「夕立ち」がABEDONのピアノ弾き語りで始まる。叙情的なバラードだ。ABEDONの歌うメロディに、ベースの八熊慎一のハモが非常によく似合う。八熊はABEDONのソロバンドABEDON and THE RINGSIDEのメンバーでもあり、ついこの間までツアーを共にしていたから、その感触が残っているのかもしれない。 a_LSJ0800_abe50 「VISITOR」では八熊のリードボーカルに、今度はABEDONがハモを付ける。これもグッドサウンドだ。ダイナミックなたちばな哲也のドラムと、ハードにドライブする橘あつやのギターがそれに絡んで、ABEDONのキーボードと合わせて鉄壁の4リズム(注:ドラム、ベース、ギター、キーボードという最もバランスの良いと言われる編成)になっている。 「ABEDON、おめでとう! 50歳になって初仕事!」と八熊が言うと、ABEDONが「いやいや、僕は夜の11時に生まれたので、昨日は本当は49歳だったんだよね。だからこれが初仕事!」と言ったから会場は大喜び。「TOY JUMP」で大騒ぎして、コンパクトに締めくくった。 a_LSJ2147_abe50 インターバルには、“50祭企画”として挑戦したニューヨーク・マスタリング修行の模様がスクリーンに流される。ほどなく楽器転換が終わって、次はABEDON and THE RINGSIDEのステージだ。 ツアーファイナルで登場したチャンピオンベルトを、ABEDONが返却するところから始まる。 ニューアルバムから「Feel Cyber」、「R&R Shower」を立て続けに歌う。これまたツアーの余韻を残すタイトな演奏となった。 よかったのは「欲望」だった。ABEDONナンバーの中でも屈指の名曲で、ロマンティックな歌詞がオーディエンスに沁み込んでいく。奥田と八熊が交代でドラムを叩いたりするいろんな演奏スタイルが完全に定着して、 見た目もサウンドのタッチも変化に富んでいて楽しいライブだった。 ここまでは非常にスムーズな流れで、さすが2日目と思っていたら、3番目の氣志團がとんでもなく凄かった。 80年代の人気音楽番組のパロディで、架空の生放送“ア  ベストテン ”をやってしまおうという企画だ。チャートを表示するパタパタめくれる表示板や、ゲストが入ってくるドアがステージ狭しと設置されている。メインの司会は綾小路が扮する例のタマネギ頭の女性だ。 進行もそのまんまで、第10位からのカウントダウン形式で次々と曲が紹介される。出演者はすべて、このイベントに集結したミュージシャンが扮している。チャートをにぎわせているのは、誰が扮しているのかは言わずもがな、な出演者だ。 びっしりジョークが詰め込まれたショーを仕切る綾小路タマネギ の手腕が凄い。出演者のコスプレっぷりも凄い。内容も衣装も凄いが、音楽も凄いのだった。 a_LSB9474_abe50 第10位で最初に現われたのは、もちろんABEDON。歌うのは「忍者ロック」で、この日の主役が大きな拍手を浴びる。続く第9位は川西で 、歌うのは「WAO!」。つまりチャート全曲がABEDON作品なのだ。しかし、それをまともにやる訳はない。「WAO!」を披露する。誰もが知っているイントロのオーケストラ・ヒット (注:あのジャン!ジャン!というシンセの音)で始まる「WAO!」に、オーディエンスは大喜び&大爆笑。小ネタもここまで積み上げれば爆発力抜群。息もつかせぬ攻めのベストテンだ。氣志團の師匠にあたるABEDONは何度もチャートインして大活躍。 第2位では、綾小路タマネギが「さて新曲は誰がセンター?」と振ったあげくに、自分がセンターにちゃっかり収まって目立ちまくり。ステージ上の全員が振付で踊る、歌う、踊る。えっ、あの人、スカート、似合う。もしや、てっしー? あっ、この人の振り、かわいい。みんな成りきっていて、50祭史上最高の出し物になった。 「師匠を1分たりとも休ませない。これが俺達の恩返し」と最後に綾小路が言い放った言葉が感動的だった。この師匠にして、この弟子あり! a_LSJ1975_abe50 そしてラストはユニコーン。ABEDONの50祭ソング「RAMBO N°5」から始まって、川西の「半世紀少年」など5人全員の50祭ソングを歌い切る。 a_LSB0787_abe50 「これで“飛び道具”は終わった(笑)。無事、5人とも50歳になったと思いきや、もうすぐ60歳の人もいますが」と奥田が感謝の挨拶。再結成ライブのオープニングを飾った「ひまわり」から、今のユニコーンの充実ぶりを見せつけるようアンコールの「人生は上々だ」へと雪崩こんだのだった。4時間弱にわたるビッグイベントが終わった。 a_LSB1600_abe50 僕は氣志團のパートの音楽があまりによく出来ていたので、誰が中心になってアレンジしたのかを聞いてたところ、ABEDON and THE RINGSIDEの木内健であることが判明。 「ABEDONさんのお祝いなんで、頑張りました。いつも音楽で遊ぶ人なんで、それに負けないくらい笑わせたくて」と木内は語ってくれた。全力で音楽で遊ぶ。ABEDONの哲学が細部にまで活かされたイベントだった。またスタッフも含めて、参加者全員が同じ気持ちで作り上げた50祭だった。 a_LSI6759_abe50 最後にABEDONは「昔からツーカーの人たちと今日を迎えたいと思ってたので、素晴らしい2日間になった。それを実現してくれたスタッフにも感謝です」と語った。 次は“60祭”だな(笑)。

セットリスト

#1 ABEX GO GO 1 夕立ち 2 ABEX 3 VISITOR 4 おせわになりました 5 TOY JUMP #2 ABEDON and THE RINGSIDE 1 Feel Cyber 2 R&R Shower 3欲望 4 TALK TO THE LADY 5 不思議は不思議 #3 氣志團 1 忍者ロック 2 WAO! 3 欲望 4 PTA~光のネットワーク~ 5 風~SMA~風Ⅱ 6 夏の大将 7 人生は上々だ 8 Feel So Moon 9 開店休業
#4 UNICORN 1 RAMBO N°5 2 半世紀少年 3 新甘えん坊将軍~21st Century Schizoid Man 4 ロック! クロック! オクロック! 5 TAIRYO 6 ひまわり 7 WAO! 8 SAMURAI 5 9 エコー 10 50/50 EN 人生は上々だ

リリース情報

6月3日発売 アルバム『Feel Cyber』 阿部義晴

CD1枚 / 12Pブックレット abedonCD0109 ¥3,333+税

【収録曲】 01.Feel Cyber 02.R&R Shower 03.不思議は不思議 04.誰だっけ? 05.TALK TO THE LADY 06.海から 07.寝る 08.やさしいということ

プロフィール

ABEDON
阿部義晴、1966年7月30日生まれ。山形県出身。1988年にユニコーンのキーボーディストとして正式加入。93年に解散後、プロデューサーとしても活動。また97年にはSPARKS GO GOとの期間限定ユニット、ABEX GO GOを結成。2009年のユニコーン再活動時のシングル「WAO!」は、ABEDONが作詞・作曲・メインボーカルを務めた。2014年にアーティスト名に「ABEDON」に改名した。

オフィシャルサイト http://abedon.jp/

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