Interview

東 啓介が、濃密な二人芝居 New Musical『Color of Life』に挑む。彼の今の心模様は何色か!?

東 啓介が、濃密な二人芝居 New Musical『Color of Life』に挑む。彼の今の心模様は何色か!?

New Musical『Color of Life』が、5月1日(水)からDDD青山クロスシアターにて上演される(4月26日にプレビュー公演あり)。本作はニューヨークで上演されるや、またたく間に評判となった、二人芝居のミュージカル。日本版は2016年に脚本・演出の石丸さち子と音楽・伊藤靖浩のタッグで初演され、第24回読売演劇大賞上半期「作品賞」「演出家賞」のベスト5にノミネート、2017年には再演も果たしている。東日本大震災(3・11)で画題を失った画家の日本人男性・和也と、同性の恋人を亡くしたばかりのニューヨークに住む二重国籍の女優・レイチェルが、飛行機で偶然隣り合わせたことから惹かれ合うストーリーだ。
本作で和也を演じるのは、舞台『刀剣乱舞』をはじめとした人気作品や、ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』、『マタ・ハリ』などグランドミュージカルに出演し、今勢いのある東 啓介。彼が「芝居人生を変えてくれた」と言う石丸さち子との出会いから、本作への意気込みなどを語る。Color of Life──まさに人生とはカラフルなもの。彼の言葉が、あなたの心を彩るインタビュー。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 冨田望


曲の力強さが心を打ちました。今でも脳裏にメロディーが焼きついています

『Color of Life』は、アメリカ版だけではなく、日本版も、観客・評論家に絶賛された傑作です。出演するお気持ちはいかがですか?

出演が決まったときは嬉しかったですし、難曲揃いのナンバーを歌うことができる喜びを覚えました。ただ同時に、読売演劇大賞にノミネートされた実績もある作品なので、それを超えられる舞台にしたいというプレッシャーと責任も芽生えました。

私も再演(17)を観劇させていただき、改めて脚本を読んで、とてもキラキラした明るい印象を受けました。

僕も鈴木勝吾くんが出演したバージョンを観ていたのですが、いただいた脚本を読み直すと、ひとつひとつの言葉の美しさを改めて感じましたね。それだけでなく、ふたりの人間関係が織りなすぎこちなさや幸せな気持ちも繊細に表れていて。演じるにあたって、難しいなと思うところと「ここはすんなり演じられそう」という部分があったので、本稽古が楽しみです。もちろんわからないこともありますから、恐ろしくもありますけど。でも、早く台詞と曲を入れて、稽古に打ち込みたいと思っています。

ちなみに、実際にご覧になられての感想はいかがでしたか?

第一印象は……曲のキーが高い!(笑)そこにまず驚きました。でもなによりも、曲の力強さが心を打ちましたね。「すごいミュージカルだな」という強烈な印象を受けて、2年ほど経った今でも脳裏にメロディーが焼きついています。

東さんが演じられる和也の役どころを教えてください。

画家を目指す青年なのですが、3・11の震災で画題を失ってしまい、何を描けばいいのかわからなくなってしまった。悲惨な状況を克明に描けばいいのか、今までどおりの画風でいいのか……そんな葛藤から、ニューヨークで絵を褒めてもらったことを思い出し、もう一度ニューヨークに行ってみようと決意して、旅立った飛行機の機内でたまたまレイチェルという女性と出会い、物語が進んでいきます。

そこからニューヨークでふたりで暮らすことになるレイチェルはどんな人物だと思いますか?

天真爛漫だし、明るくて楽しい人なのに、どこかに深い闇がある。思わず引き込まれて、その闇を知りたくなるし、「本当は僕のことどう思っているの?」と聞きたくなってしまう。そんな魅力的な女性です。

力強い曲ばかり。それを跳ね返せるように

では、そんなレイチェルに対して、和也をどのように演じていこうと思っていますか。

これまで、和也のような物静かな性格の役を演じたことがなかったんです。自分の思っていることをあまり口に出さない性格だし、それは画家であるがゆえかもしれませんが、ただ黙っているだけではお客様には和也のことが伝わらないし、だからといって、演技を大きくすればいいわけでもない。いずれにせよ今作では、レイチェルから引き出される部分を大切にしながら演じたいと思っています。

レイチェルを演じられる青野紗穂さんの印象はいかがですか?

ストレートで素直な方ですね。僕は舞台上で起きた出来事にすぐに対応できるタイプではないので、これから青野さんといろいろ話して、コミュニケーションを取り合って様々なシチュエーションに備えたいと思います。

今作はミュージカルですが、青野さんとどのように歌っていこうと思いますか。

まずは、曲にのまれないようにしたいですね。僕の歌が負けそうになる力強い曲ばかりなので、それを跳ね返せる歌と芝居力を見せたいです。青野さんには我が道を進んでいただいて、彼女に寄り添うように歌えればいいなと思ってます。

音楽の伊藤靖浩さんの曲がとても印象的でした。

たしかに、これまで出演してきたミュージカルとはあきらかに違いますね。楽譜を読んだときに、たった一曲にすべての音楽の要素が詰まっているけれど、なぜかシンプルに聴こえる構造なんです。歌うのはとても難しいんですけど、演出の石丸さち子さんが「本稽古に入る前に歌は仕上げて欲しい」とおっしゃられているので、今から頑張りたいですね。

“和也とレイチェル”、そこから“東 啓介と青野紗穂”の関係性が見えるように

今作はミュージカルであり二人芝居というところが面白いと思います。

ふたりで息を合わせつつ、お芝居が決まりごとや段取りに見えないように、舞台で起きるリアルなことを大切にしたいですね。二人芝居ならではの掛け合いや歌も多いので、“和也とレイチェル”、そこから“東(啓介)と青野(紗穂)”の関係性が見えるようにしたいです。

たとえば、同じく石丸さんの演出で、ご出演もされたミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』(17)のように大所帯のカンパニーとは違った感触があるのでしょうか?

“スカピン(『スカーレット・ピンパーネル』の略)”を上演した梅田芸術劇場やTBS赤坂ACTシアターのような大劇場であれば、やはり演技を大きく見せないといけないですし、オーケストラの力、セットの力、人が多いからこそ生まれるお芝居の力というのはもちろん違うと思います。今作は登場人物はふたりだけで、劇場も小さいので、日常に近い感覚で着飾らないお芝居をしたいです。

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