Interview

“幸福”は、キミのすぐ隣にある。みみめめMIMIの行進曲

“幸福”は、キミのすぐ隣にある。みみめめMIMIの行進曲

TVアニメ『甘々と稲妻』で描かれた、父娘の間に流れるあたたかな時間。みみめめMIMIが本作から受け取った、人としての“幸せ”とは?

シュワシュワな夏の一日を演出した東名阪ツアー“みみめめMIMI LIVE TOUR2016「微炭酸ファンファーレ」”を見事に成功させた視聴覚ユニット・みみめめMIMI。そして8月17日、今ツアーの主力であった新曲「晴レ晴レファンファーレ」がいよいよリリースされた。TVアニメ「甘々と稲妻」OPテーマでもある本曲は、みみめめMIMI楽曲のなかでも最もポップなナンバーだ。“幸福”はその手に掴むものではなく、見つけることにこそ価値があると歌ったメッセージの真意とは? すべての詞曲を担当するタカオユキに、話を聞いた。

取材 / 西原史顕 文 / 神林華奈
撮影 / 西原史顕


TVアニメ『甘々と稲妻』のOPテーマである、「晴れ晴れファンファーレ」。今回は原作のどんなところが、本楽曲のキーとなったのでしょう?

『甘々と稲妻』は、妻を亡くしたおとさん(犬塚公平)が娘(犬塚つむぎ)のために苦手な料理を頑張るという話で。日常的なお話なので、ただほんわかするだけなんだろうなぁと思って、原作を読みはじめたんです。すると読み進めていくうちに、気づいたら涙が出てきて、不思議な感動を味わいました。当たり前の日常ってこんなにあたたかくて泣けてくるものなんだなぁって。「あ、これが幸せなんだ」と思い、“当たり前にそばにある幸せ”を曲のテーマにしようと決めました。

一杯の土鍋ごはんに感動するおとさんとつむぎちゃんの表情に、心があたたかくなりますよね。

 気づかされることが多いにもかかわらず、説教くさくなくて。純粋さしかない作品だなって思いました。

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「晴れ晴れファンファーレ」の制作はどのように進めていったのですか?

“つむぎちゃんが元気で明るくてかわいい”という印象が強かったので、そんなアニメのOPテーマとして、軽快な曲にしようと思いました。おとさんもつむぎちゃんも、みんなが口ずさめるような曲にしたかったので、スキップするようなイメージで作ったんです。そうしたら偶然にも、作中に出てくる商店街の名前が「すきっぷ通り」で(笑)。つむぎちゃんにとってはもちろん、私自身の目線だとお客さんにとって、この曲が行進曲になればいいなという思いもあります。

サウンドは、すごくフレンチ・ポップな印象もありますよね。

大人も子供も聴きやすいように、ファンタジー感もありつつ、イントロではレトロ感も出ていると思います。私がデモを作って、CHRYSANTHEMUM BRIDGEさんにアレンジしてもらって、それを聴いたらコーラスが浮かんで……っていうように、キャッチボールしながらの制作になりました。

歌詞はどのように書いたんですか?

歌詞は、レコーディングの数時間前まで悩んでいたくらい難航しましたね。この素敵な作品を彩る楽曲として、大切に歌詞を綴りたいなと思って、最後の最後まで考え尽くしました。私こんなに、「幸せってなんだろう」って考えたのは人生で初めてです。でも、考えれば考えるほど答えはなくて。例えば、「これが欲しい」と思って掴んだとしても、それはいつしか当たり前になってしまって、また別の何かを欲しいと思う。だとしたら欲しいものを掴んだ瞬間だけが幸せなのかな、そんなの悲しいなとかいろいろ考えまして。そのときに、「当たり前の幸せに気づくことがいちばんの幸せだな」って思ったんですよ。幸せって、掴むよりも気づくことのほうが難しいんじゃないかと思います。

気づけそうで気づけないですよね。

なので白い鳥を追いかけて、幸せを探そうと森の奥へ進んでいくんですが、実は、元々いた場所に幸せはあるんだよっていうストーリーの歌詞にしました。あと、つむぎちゃんに対するおとさんの気持ちも考えたんですが、だいぶ迷走して(笑)。「そうだ、自分のお父さんに聞いてみよう」と思って、実際に父にインタビューしたんです。“私が生まれたときに何を思ったか”とか“どんな風に育って欲しいと思ったか”ということを聞いて。お父さんは真面目な性格だから、私に対しても“真面目に育ってほしい”とか“いい子に育ってほしい”とか思ったんだろうなって考えてたら、“とにかく平凡に育ってほしい”という願いだけだったそうなんです。拍子抜けした反面、ハッとさせられました。きっと、『甘々と稲妻』でも、つむぎちゃんが平凡に育つことが、おとさんのいちばんの幸せなんだろうなって思ったときに、“幸福を開く パスワードは 案外ほらね 隣り合わせの 平凡かも”というフレーズが生まれました。

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本楽曲には、つむぎちゃんの明るい部分とおとさんの娘に対する思いの両方を詰めこんでいると。

そうですね。おとさんが大人になっていくつむぎちゃんに向けて歌うっていう、もうひとつのテーマもあったり。歌詞の最後に“Bye Bye 大人になった 君に贈る”っていうフレーズがあるんですけど。子供のうちは平凡な幸せを感じることができていても、大人になるにつれ、幸せってなんだろうって道に迷うかもしれない。だからいつまでも、土鍋ごはんを食べて感動できるような、純粋な気持ちを大事にしてほしいっていう父の願いを歌詞に込めています。

「幸せに人生を送ってほしい」という、父が後ろから応援しているような絵が浮かびますよね。さて一方のカップリング「1メートル」は、片思いソングですよね。恋愛のことなんですか?

 この曲には、壮大な思いを込めていて。友達のリアルな恋愛話をもとに書きました。1メートルって手をのばしても足りないけど、相手が少しでも手を差し伸べてくれると届く距離だと思うんです。片思いって、友達だったり家族だったり、仕事だったり夢だったり、恋愛に限らずいっぱいあると思っていて。そして、片思いしているからこそ生まれたものってたくさんあると思うんですよ。さらには、片思いのものとの距離を縮めるために、自分自身が変わろうともする。片思いってすごく切ないイメージですけど、何かを動かすものであり、前を向ける大事なものなんだなぁと思います。だから、この曲を聴いて何か浮かぶものがあったなら、それを大事にしてほしいなぁという思いで歌いました

3曲目は恒例となった既存曲のピアノバージョンが収録されていますが、今回はさらに初回盤付属のDVDに、ピアノの弾き語り映像も収録されました。

これは、すごく大変でした(笑)。普段のレコーディングって演奏と歌は別で録ったり、数小節ごとに区切って録っていくんですね。だけど「ミッディ」も「サヨナラ嘘ツキ」も限られた時間のなかで、ピアノも歌も同時に、最初から最後まで一発で録っているんです。

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一発撮りだったんですか?

すごく荒削りですけど、その荒削りなところがなんかいいって思ってもらえたらうれしいですね(笑)。スタインウェイのグランドピアノだけでも緊張なのに、カメラにも慣れず……。でも、そういう緊張感のなかでも楽しい収録でした。DVDになって皆さんの元に届けられてうれしいですし、これがリアルな弾き語りなんだということが伝わればいいなと思います。まるでライブ会場にいるような気持ちになってもらえたらいいですね。

先日は東名阪ツアー“みみめめMIMI LIVE TOUR2016「微炭酸ファンファーレ」”が無事終了しましたが、感想はいかがでしたか?

最高でした! 楽しかったです。東京は活動の拠点ですし、大阪は地元に近いという安心感もあるんですけど、名古屋でのワンマンライブは初めてだったので、不安がすごく大きくて。でも、みんなすごく盛り上がってくれてうれしかったです。あと、カップルや女の子のお客さんが多かったことにびっくりしましたね。

今回のツアーのテーマはなんだったんですか?

今までに比べると曲数が増えて、内容ぎっしりなライブでしたので、1曲1曲をちゃんと届けるというところが、私のなかのいちばんのテーマでした。ただ終始楽しいっていうだけじゃなく、しっとりした雨の表情の曲だったり、楽しく盛り上がる晴れの表情の曲だったり、いろいろな音楽のシャワーを浴びてもらえたらいいなと。例えば、ギターの似合う曲はギターで届けたいと思って、今回は初めてアコースティックギターを持ってステージに立ちました。映像も、イラストだけにこだわらず、実写が合う曲は実写にしたり。楽曲一つひとつを思いやって見つめ直すことができたと思います。あとは「微炭酸ファンファーレ」ということなので、シュワッと弾けた夏をイメージしてもらえたかな(笑)。「みみめめMIMIのライブって最高だな」と思ってもらえるものにするということを追求したツアーだったので、皆さんもいっぱい声を出したり、一緒に飛び跳ねたりしてくれたのがうれしかったです。

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リリース情報

【初回限定盤】

【初回限定盤】

【通常盤】

【通常盤】

New Single
「晴レ晴レファンファーレ」

【初回限定盤CD+DVD】
AZZS-01530 ¥1,700+税
【通常盤】
AZCS-2054 ¥1,200+税

【収録曲】
01.晴レ晴レファンファーレ
02.1メートル
03.CANDY MAGIC~Piano Live Version~
04.晴レ晴レファンファーレ(instrumental)
05.1メートル(instrumental)

【DVD収録内容】
「ミッディ」「サヨナラ嘘ツキ」ピアノ弾き語りライブ

ライブ情報

“みみめめMIMI ワンマンライブ「きみのヒロイン」”

2016年12月3日(土)東京・赤坂BLITZ
17:00開場/18:00開演
料金 ¥4,800(税込)※ドリンク代別

TVアニメ『甘々と稲妻』

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TOKYO MX(毎週月曜25:05)、読売テレビ(毎週月曜25:59)、BS11(毎週火曜25:30)、AT-X(毎週木曜23:00)ほか、dアニメストア、J:COMオンデマンドほか配信サイトで放送中。
※曜日・時間につきましては放送局の編成の都合により変更となる場合がございます。
公式HP http://www.amaama.jp
©雨隠ギド・講談社/「甘々と稲妻」製作委員会

プロフィール

みみめめMIMI


シンガーソングライターの<タカオユキ>とイラストレーターの<ちゃもーい>による、目と耳から刺激する新世代視聴覚ユニット。2013年8月、TVアニメ『君のいる町』OPテーマ「センチメンタルラブ」にてメジャーデビュー。その後も「サヨナラ嘘ツキ」(『ブレイドアンドソウル』OPテーマ)、「CANDY MAGIC」(『山田くんと7人の魔女』EDテーマ)などアニメタイアップ楽曲を多数担当。ライブ活動も2014年の初ワンマンを皮切りに、2016年は東名阪ワンマンツアー“みみめめMIMI LIVE TOUR2016「微炭酸ファンファーレ」”を成功させた。2016年秋には2ndフルアルバムの制作も決定し、益々の活躍が期待される。

公式HP http://www.mimimememimi.com

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