Interview

『転生したらスライムだった件』新EDテーマを徹底考察。「もし生まれ変わるなら?」と聞かれた田所あずさ、その驚きの回答とは…

『転生したらスライムだった件』新EDテーマを徹底考察。「もし生まれ変わるなら?」と聞かれた田所あずさ、その驚きの回答とは…

「タドコロック」と称するパンチの効いたロックサウンドとクリアな美声を武器に、声優アーティストとして精力的に活動している田所あずさ。彼女の2019年一発目を飾るニューシングル「リトルソルジャー」は、TVアニメ『転生したらスライムだった件』ED主題歌第2弾として話題沸騰中のナンバーだ。作詞はnano.RIPEのきみコ、作曲は新進気鋭の音楽作家である新田目 駿、そして編曲は堀江晶太が担当。『転スラ』の世界観にマッチした、この爽快なロックチューンの話題を中心に、彼女のパーソナルに迫った。

取材・文 / 北野 創(リスアニ!)


「リトルソルジャー」は、“ストレスフリー”をテーマに曲を作っていただいたんです

田所さんは『転生したらスライムだった件』にクロエ役で出演もしていますが、まずは作品自体の印象を教えてください。

田所あずさ 私は今まで「異世界転生もの」の作品にはあまり触れてこなかったんですけど、『転スラ』(原作)はスラスラと読むことができて、すごく惹き込まれる作品だと思いました。登場人物は良い人が多いし、みんな理由があって行動してるので、感情移入がしやすいんですよ。

でも、転生したらスライムになってるなんて、驚きですよね。

田所 確かに普通なら勇者とかになるところを、スライムですものね。でも、リムルさんのことを見てると、結局スライムが最強なんじゃないかと思いますよね。何でも吸収してしまうし、反則技が多いなあと思います(笑)。

そんな本作の新EDテーマとなる「リトルソルジャー」は、どんなイメージで作られたのでしょうか?

田所 『転スラ』は読んでいて爽快感のある作品なので、聴いていてスッと入ってくるような、爽やかな気持ちになれる曲を意識しました。なので「ストレスフリー」をテーマに曲を作っていただいたんです。でも、リムルさんがいろんなことを経験して強くなっていくのと同じで、爽やかで優しいだけじゃない、いろんなことがあったからこそ今のここにたどり着いた歌、というイメージが私の中にはあります。

『転スラ』の世界観にしっかりと寄り添える楽曲になりましたね。

田所 この曲は『転スラ』的に考えると、なんとなくリムルさんを信じているシズさんに向けた歌なのかなあ、と思ったりもしまして。EDアニメはシズさんの泣き顔から始まるんですけど、私が思い描いていた歌詞のイメージ通りの映像だったので、14話で初めて観たときには「うわっ!」となりました。〈きみが信じた私を私が信じてあげなくちゃ〉という歌詞の〈きみ〉はシズさんのことのようにも思えるし、私個人としては、いつも応援してくださるファンの方や、私のことをこの世界に連れてきてくれたマネージャーさんのことをイメージできますし。どちらにも取れる曲になったと思います。

レコーディングはいかがでしたか?

田所 「ストレスフリー」をテーマに作られた曲なんですけど、歌ってみると言葉がたくさん詰まってるので、めちゃくちゃ大変なんですよ。間奏も短くて、息継ぎするところがあまりないので、私としては全然ノンストレスじゃなかったです(笑)。曲が自然と心を盛り上げてくれるから、歌ってるとテンションは上がるんですけど、技術的には難しかったです。

生まれ変わるとしたら、お金持ちの家で飼われている猫になりたい!?

歌詞の最後は〈もしも生まれ変われるのなら また私に きみの隣に〉で締め括られますが、田所さんはもし生まれ変わるなら、また自分になりたいと思いますか?

田所 思いません。一回で十分です、疲れちゃいましたから(笑)。一回だからこその良さがあると思うので、二度とこの世には生まれてこないです(笑)。

ハハハ(笑)。それでも、もし生まれ変わることになったとしたら、何になりたいですか?

田所 また、この世に生まれてこなきゃいけないのか~。なんだろう……でも、命があるとどれも辛そうだから、感情とか痛みのないものになりたいですね。石とか……もはや生きてないですけど(笑)。

「この人になったら楽しいだろうなあ」みたいな人もいないのですか? 例えば大富豪とか。

田所 いやあ、大富豪も絶対大変ですよ。誰かにだまされちゃうかもしれないから、頭も良くないといけないだろうし、「お金がある」というのはつまりそういうことじゃないですか。仮に大富豪の娘に生まれたとしても、身だしなみとかいろいろ気をつけなきゃいけないだろうし、もう一度生まれるならやっぱり庶民がいいですね。もしくはお金持ちの家で飼われてる猫がいいです。ただ食べて寝るだけでいいだろうし(笑)。

今の年齢だから歌える大人の恋愛の歌を

カップリング曲についても聞かせてください。まず「スロウリグレット」は、ポジティブな雰囲気の「リトルソルジャー」とは逆に、どこか悲壮感の漂う曲調ですね。

田所 この曲は私のリクエストで作ってもらった曲なんです。私はデヴィッド・アーチュレッタさんというアーティストが好きなんですけど、その方みたいに切なく歌い上げる、心にグッと刺さってくるような楽曲を歌ってみたくて。歌詞も、私から「片思いか失恋の曲」とざっくりオーダーさせていただいたので、大人の恋愛を描いた失恋をテーマにした内容になりました。私が25歳になったからこそ歌わせていただけるものなのかなあと思って、喜びもありましたね。

なぜ、失恋や片思いをテーマにした曲を歌いたかったのでしょうか?

田所 私は普段からそういう曲を聴くことが多いんです。基本的に明るい人間ではないですし、そういう歌のほうが身近に感じるし、入り込むことができるので、自分でも歌ってみたかったんです。実際にこの曲はすごく楽しく歌うことができて、歌のテンポをあえて遅らせてみたり、頭の音を印象的に出したりとか、新しいことにも挑戦させていただいたんですよ。そういう技術やテクニック的な部分も学ばせていただいて、新しい試みができた曲だと思います。

もう一曲の「何もない私には」はアコギとタンバリンのみをバックにした、サウンドがシンプルだからこそ田所さんの歌が引き立つフォーキーなナンバーです。

田所 アコギをかき鳴らしながら歌っているような、ちょっとのんきなイメージに振りつつ、歌詞はあえて後ろ向きな内容にするという、音と歌詞のギャップが素敵な楽曲になりました。でも、私、最初にこの曲の歌詞を読んだときはちょっと落ち込んだんですよ。「何もない私」って、たしかに実際自分で思ってることではあるんですけど、人にそう言われている気持ちになってすごく辛くなったんです(笑)。「きっと私の心情を代弁してくれているだけなんだ」と信じてはいるんですけど……。

もちろん田所さん自身に何もないなんてわけないじゃないですか(笑)。でも自分自身ではそう思ってるところがあるんですね。

田所 そうですね。さすがに「何もない」と言っちゃうとファンの人に失礼かなという気持ちもあるし、これまでの活動で積み重ねてきたものはあると信じたいんですけど……。だからこそ今回の「リトルソルジャー」にはすごく共感できるんだと思うので、自分にも何かあってほしいな、とは思いますね。

リラックスして、失敗を恐れることなく。2019年は「力を抜く」ことが目標

「明るく元気に後ろ向き」がキャッチフレーズの田所さんらしい曲だと思います。では最後に、2019年の抱負をお聞かせください。

田所 2018年は「思い切る」という目標を掲げてたんですけど、2019年は「力を抜く」ことが目標なんです。今までは力みすぎて失敗することがあったので、逆にリラックスして、失敗を恐れることなく思いっきりできたらいいなと思っていて。もう声優の活動を始めてから7年になるし、25歳だし、プロとしての余裕みたいなものもちゃんと見せていかなくちゃいけないと思うんですよ。ちゃんと心の余裕を持って、見てる人を不安にさせないように、やらなくてはいけないこととか出来なくちゃいけないことをちゃんと引け受けなくちゃなと思います。

音楽面で何か挑戦したいことは?

田所 これは以前から言っていることなんですけど、ミュージカルに挑戦してみたいです。ミュージカルを観ることが好きなので、自分でもやってみたい気持ちが大きいんですよね。舞台も、少しだけ経験はあるんですけど、やってみたいと思っていて。なかなか機会がないんですけど、どちらも叶うのならば今すぐにやりたいし、今年こそは実現できればと思います。

田所あずさオフィシャルサイト