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Column

高杉真宙のここがすごい! 最新主演作『笑顔の向こうに』公開前に振り返る役者デビュー10年の軌跡

高杉真宙のここがすごい! 最新主演作『笑顔の向こうに』公開前に振り返る役者デビュー10年の軌跡

小学6年生のときに、地元の花火大会で女の子に間違われてスカウトされた。芸能界デビューに繋がったそんなエピソードも、「それはそうだろうなぁ」と頷ける、中性的で美しい容姿を持った高杉真宙。舞台で役者デビューを飾って10年のメモリアルイヤーとなる2019年は、すでに公開&待機作となる映画が4本明らかになっている。

そのイメージに見合った役柄での好演も多い高杉だが、一方で、優し気な容姿からは一見思い浮かばない役柄にも挑んできた。そのいずれにも共通するのが、作品の世界のなかで、とても自然に生きていること。実は高杉真宙は、真の意味でのカメレオン俳優ではなかろうか。そう思うのである。

文 / 望月ふみ

最新主演作『笑顔の向こうに』で「モナコ国際映画祭」にて最優秀作品賞受賞!

2月15日(金)に公開の高杉真宙主演作『笑顔の向こうに』(榎本二郎 監督)は、歯科技工士の青年・大地が、幼なじみのヒロインや周囲の人々との交流を通じて、自らの仕事と、自分自身を見つめなおす真摯な青春物語だ。歯科医療というこれまでにない題材に挑み、「モナコ国際映画祭」にて最優秀作品賞を受賞した。高杉は、技術はもとより、容姿も端麗で、デンタルクリニックの女性スタッフたちから“王子”と呼ばれる期待の若手歯科技工士ながら、父や患者から、本当に患者と向き合うことの大切さを突き付けられて悩む青年の“いらだち”を繊細に演じる。決して大きな事件の起きる作品ではないが、観客と地続きにあるキャラクターの思いがストンと胸に入るのは、高杉の自然体の演技によるところが大きい。

2009年に舞台でデビューを飾った高杉だが、一般的にその名前が認知されるようになったのは、13年~14年にわたって放送された『仮面ライダー鎧武/ガイム』だろう。ここで高杉は、呉島光実/仮面ライダー龍玄に扮したが、10代にして自らの運命に抵抗する二面性のある役柄を演じてファンを増やした。

映画では14年の『渇き。』(中島哲也 監督)で印象を残す。主演の役所広司、小松菜奈による過激なシーンが話題を集めたが、小松演じる加奈子の中学の同級生を演じた高杉も、出演シーンは多くないものの小松との濃厚なキスシーンを演じるなど、インパクトを与えた。また同年『ぼんとリンちゃん』(小林啓一 監督)でアニメやゲームを愛するオタク男子のチンちゃん役で映画初主演を務める。高杉自身もアニメが大好きなインドア派だと日ごろより公言しているが、まばゆいばかりのオタク美少年として作品世界に息づく。物語は男のところへと転がり込むように上京していった友人を、ぼんとリンちゃんが奪還すべく東京へと向かうもので、早口でまくしたてるぼんに対してリンちゃんは完全に受け身のキャラ。リンちゃんがぼんとともに主人公としてきっちり立っているのは、高杉の佇まいがあってこそ。高杉は17年に『逆光の頃』で小林監督と再タッグを果たしているが、高校生の主人公の思春期の揺らぎを切り取った本作も、高杉の佇まいを活かした作品になっている。

©ぼんとリンちゃん

王子系からクズ男まで。最大の武器はどんな役でも作品に溶け込むことができる演技力

20代に入ると、コミックの映画化が続く。『PとJK』(廣木隆一 監督)で髪を金髪に染め、札付きの不良と言われるが、実は優しい心の持ち主である大神平助を、『ReLIFE リライフ』(古澤健 監督)では茶髪でピアス姿の優等生・大神和臣を、『プリンシパル〜恋する私はヒロインですか?〜』(篠原哲雄 監督)でモテ男子の桜井和央を、佐野玲於、中川大志、横浜流星とともに4人で主演を務めた『虹色デイズ』(飯塚 健 監督)では恋と友情と夢にもがくつよぽんを演じた。

とくに『プリンシパル』の桜井などは“ゆるふわ系”と呼ばれる役柄であり、まさに中性的な美しさを持つ高杉にはピッタリの役柄だが、この路線をキープし続けないのが高杉の武器。18年には主演作『世界でいちばん長い写真』で普通の高校生のまっすぐな姿を演じ切って強みを見せるが、同時に挑戦的な姿勢も忘れないのである。

©2018映画「プリンシパル」製作委員会

松居大悟監督のオリジナル脚本である『君が君で君だ』。思いを寄せる女性のために、彼女が憧れる人物である尾崎 豊、ブラッド・ピット、坂本龍馬になりきる男たち3人の愛の姿を描くという独創的な物語と、池松壮亮ら主演俳優らの熱演が話題になった同作で、高杉はヒロインの“クズ”彼氏の宗太に。ヒロインに借金の肩代わりをさせ、自分は仕事もせずにフラフラしているダメ男で、高杉は自身初となるヒゲを生やした役に挑戦。爽やかなイメージからは想像のつかないダメダメ男にも不自然さを感じさせるどころか、きっちりと観る側に最低!と思わせた。

©2018「君が君で君だ」製作委員会

また入江 悠監督の『ギャングース』では裏社会を舞台にした青春エンタテインメントに挑戦し、犯罪者を狙った窃盗団となる3人組のひとりとして加藤 諒、渡辺大知とトリプル主演する。長髪に意思を感じさせる眉、社会をにらみつけるようなまなざしで、少年院で育った少年サイケを熱演。青春エンタテインメントと謳っているが、物語のベースには現代社会で現実に起きている未成年犯罪の問題がある。それをこうした3人を通じてリアルに見せつける映画に仕上がっており、高杉の演技からも意気込みがビシバシと伝わってくる。

©2018「ギャングース」FILM PARTNERS©肥谷圭介・鈴木大介/講談社

現在は堤 幸彦監督作『十二人の死にたい子どもたち』が公開中の高杉。出演映画すべてに触れたわけではないが、それでも20代前半にして着実にキャリアを重ね、引っ張りだこの俳優であることは明らかである。その容姿も手伝って、等身大の若者の心の機微を見せることに長けた印象のある高杉だが、軌跡を振り返ると、実にふり幅のひろい役者であることがわかる。そして、それぞれの役柄をきっちりと生き抜いているからこそ、決してうるさい演技にはなっていない。カメレオン俳優と聞くと、突飛な役柄をこなす役者を思い浮かべがちだ。しかし、いつも各々の作品世界へとすっと溶け込む、高杉真宙こそ、カメレオン俳優だ。

©2019「十二人の死にたい子どもたち」製作委員会

【『ぼんとリンちゃん』(2014)配信先リスト】

【『世界でいちばん長い写真』(2017)配信先リスト】

【『虹色デイズ』(2018)配信先リスト】

映画『笑顔の向こうに』

2月15日(金)全国のイオンシネマにて公開

【STORY】
洗練された美しい歯を作ると評価が高く、容姿も端麗で“王子”と呼ばれるほどの若手歯科技工士の大地(高杉)は、新人歯科衛生士として東京郊外のデンタルクリニックで働き始めた幼なじみの真夏(安田聖愛)と偶然再会する。
個性あふれるクリニックの院長(木村祐一)や歯科医師(辻本祐樹)などからの信頼も厚い大地だったが、金沢で歯科技工所を営む父親(池田鉄洋)に、手がけた義歯を見せると「だからお前は半人前だ」と否定され、同時期に義歯を提供した患者(丹古母鬼馬二)にも自分の歯形と全く合わないと突き返されてしまう。
落ち込んでいる大地を励ましてくれる真夏とも喧嘩をしてしまい・・・。
患者が真に求めていることを突きつけられた大地が見つめた大切なこととは?

出演:高杉真宙、安田聖愛、辻本祐樹、西方 凌、濱田英里、ayanonono、木村祐一、池田鉄洋、佐藤藍子、聡太郎、阿部祐二、善知鳥いお、中村昌也、阿部桃子、大出 俊、熊切あさ美、藤田朋子、丹古母鬼馬二、大平サブロー、児島美ゆき、中山秀征(特別出演)、秋吉久美子、松原智恵子
原案・製作総指揮:瀬古口精良
監修:8020運動30周年記念事業映画製作チーム
エグゼクティブプロデューサー:井内徳次
プロデューサー:藤原健一
ラインプロデューサー:石川二郎 
脚本:川﨑龍太
音楽:フジパシフィックミュージック
音楽監修:上阪伸夫
主題歌:HANDSIGN「ふたりのサイン」(ユニバーサルミュージック)
制作:テンダープロ
配給:テンダープロ/プレシディオ
製作:公益社団法人日本歯科医師会
監督:榎本二郎
©公益社団法人日本歯科医師会

オフィシャルサイト
https://egao-mukou.jp


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