黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 52

Column

ステルスゲームの歴史を築いた『メタルギア』。それを受け継ぐもの 3+1選

ステルスゲームの歴史を築いた『メタルギア』。それを受け継ぐもの 3+1選

今やひとつのゲームジャンルとして確立した「ステルス(かくれんぼ)ゲーム」は、1987年7月13日にMSX2用タイトルとして発売された『メタルギア』を抜きにして語ることは難しいでしょう。もちろん『メタルギア』よりも前に「ステルス」要素を取り入れたゲームはありましたが、一般的には『メタルギア』=「ステルスゲーム」、「ステルスゲーム」=『メタルギア』と言っても過言ではないでしょう。

1987年当時、任天堂のファミリーコンピュータが世間を席巻していました。そのラインナップの中心はアーケードゲームからの流れを受けて、アクションゲーム、シューティングゲーム全盛期でした。

まだその熱狂も冷めやらぬ頃にコナミからMSX2用ソフト『メタルギア』というアクションゲームが登場します。

この作品にはファミコン版がありますが、こちらに関しては、小島秀夫監督が「あれは自分が関わっていない」とおっしゃった逸話があります。

その後、3DO向けタイトルとして『メタルギア ソリッド』を開発中でしたが、1995年(平成7年)1月17日に阪神・淡路大震災(はんしん・あわじだいしんさい)により一時開発が中断されます。私の記憶が確かならば、この時期にコナミ(当時)が、神戸ポートアイランドにあったグループ本社を東京に移管しました。そのため、開発の進捗も遅れてしまったのと、3DOハードの売れ行きが落ち込んできていた状況もあり、発売ハードをプレイステーションに変更して『メタルギア ソリッド』は発売されることになりました。

その後、『メタルギア ソリッド』に代表されるようなステルスゲームは増えて行きます。『天誅』『ヒットマン』『アサシンクリード』など、とくに海外タイトルが目立ちます。

小島秀夫監督がコナミデジタルエンタテインメント(以下:コナミ)を去ったあと、果たして誰が、そしてどのパブリッシャーが後継となるステルスゲームを提供して行くのでしょうか?

ではどうぞ!

トップ画像『LEFT ALIVE』 / © 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN: YOJI SHINKAWA (KOJIMA PRODUCTIONS Co., Ltd.)


独自のアクションに変貌した『メタルギア ライジング リベンジェンス』

2013年2月21日にPlayStation3向けタイトルとして発売された『メタルギア ライジング リベンジェンス』。(Xbox360、WindowsPCは2013年2月19日に海外のみ発売された。)

当初は『メタルギア ソリッド ライジング』として発表され、時系列でいえば 『メタルギアソリッド4』の少し前の物語になる予定でした。主人公はシリーズに登場する雷電です。

【参考映像】『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』Jack the Ripper編

本作の開発は少々難航したようです。それまでシリーズを監督して来た小島秀夫監督はシナリオ作りでバックアップをするという立場で、小島プロダクションスタッフに開発を任せていました。スタッフの意見が集まり、様々なアイディアがドンドン導入されたそうです。
「ライジングではあらゆるものが切断可能」と言うことで、開発デモバージョンでも柱や車、人体など様々な敵やオブジェクトを一刀両断にする雷電が公開されていました。

しかし諸事情により、小島秀夫監督の英断でプラチナゲームズと共同開発することになりました。「魅せるアクション」に舵を切り、シナリオも『メタルギアソリッド4』以降の世界に変わり、雷電の新たな戦いのはじまりを予感させるゲームとなりました。

本作はこれまでのようなステルスゲーム的な要素は低く、アクションに重点が置かれています。
「斬奪」というコンセプトは本作において一番の目玉でした。雷電は斬撃モードで消費する燃料電池を補給する必要があります。斬撃モード中に敵の燃料電池を示す赤いターゲットを斬り、奪取することで体力ゲージと合わせて回復させることが出来ます。この攻守一体のシステムは画期的だったと感じています。

【参考映像】『MGR』カスタムボディ編トレイラー

また、ルパン三世に登場する石川五右衛門の斬鉄剣を彷彿とさせる高周波ブレードはとても魅力的なアイテムとなっています。

初期構想の『ライジング』の発売を待ち望むユーザーも少なくないようです。小島秀夫監督がコナミを去った後、再びユーザーが求めるカタチの『メタルギア』シリーズをリリースすることができる糸口は、ひょっとしたらここにあるのかもしれません。

©Konami Digital Entertainment Developed by PlatinumGames Inc.

1 2 3 4 >
vol.51
vol.52
vol.53