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『ネルケと伝説の錬金術士たち』で実現!『アトリエ』シリーズのキャラクターが夢のクロスオーバー

『ネルケと伝説の錬金術士たち』で実現!『アトリエ』シリーズのキャラクターが夢のクロスオーバー

数多くのタイトルを世に送り出し、創立25周年を迎えたガスト。なかでも、ガストの代名詞ともいえる『アトリエ』シリーズは20年も続いているシリーズであり、その20周年を記念した作品『ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~』が先日発売された。本作の売りとなるのは、『アトリエ』シリーズの主要キャラクターたちが登場すること。第1作『マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~』のマルローネ(マリー)をはじめ、第19作『リディー&スールのアトリエ ~不思議な絵画の錬金術士~』のリディーとスールまで、歴代の錬金術士や彼女たちの周りで活躍したキャラクターたちが一堂に会するのだ。新たな大地で錬金術士たちはどんな道具を作り出すのか? そしてどんなドタバタ劇を見せてくれるのか? 世界は救わない……でも、ひとつの小さな村を発展させ大きな街にしていく本作の魅力を紹介していこう。

文 / 長田雄太


主人公は錬金術士じゃない!?

本作は貴族令嬢の主人公ネルケ・フォン・ルシュタームが、メイドのミスティ・エルルートと小さな村ヴェストバルトにやって来たところからスタート。ヴェストバルトには、かつて人々の生活を豊かにしネルケもあこがれる存在、グランツヴァイトの賢者が残した“賢者の遺物”があると判明し、それを見つけるためにヴェストバルトへやって来たというわけだ。ただし、ネルケは領主である父との約束で、担当管理官としてヴェストバルトを発展させなくてはいけない。“街の発展”と賢者の遺物“グランツヴァイトの樹の調査”、これが本作の軸となるのだ。

▲グランツヴァイトの樹の伝説以外これといって何もない村、ヴェストバルト

▲しかし、運営して少しずつ施設を建てていくことで、街へと姿を変えていく

さっそく錬金術で人知を超えたアイテムをつくり、街を発展……といきたいところだが、なんとネルケは錬金術が使えない。どうやら、彼女には錬金術の才能がなかったようだ。ただ、彼女が担当管理官になってから、ヴェストバルトにはさまざまな理由で歴代シリーズの錬金術士たちがやって来るようになる。才能はなかったものの、錬金術に対する情熱は人一倍あるネルケは彼女たちに協力を依頼し、街を発展させていく。

▲調合中の爆発に巻き込まれたり、遺跡の調査中に飛ばされたりと、錬金術士たちはさまざまな理由でネルケたちがいる世界にやって来る。どうやら、彼女たちが異世界から飛ばされてきた根本的な原因は、グランツヴァイトの樹にあるようだが……

かつて錬金術で国を発展させたり、人の命を救ったり……そんな偉業を成し遂げてきた錬金術士たちが集まり、街の発展とグランツヴァイトの樹の調査という目的のために力を合わせる。そんな彼女たちの姿を見るだけで、シリーズファンとしては「次はどんなすごいものをつくり出すんだ?」とワクワクしないわけがない。また、『アトリエ』シリーズならではの、各キャラクターの日常に焦点を当てたイベントも見どころ。本作は歴代シリーズのキャラクターが100人以上登場するだけに、関連するイベントの数は500以上と膨大だ。

▲親しい人からは “爆弾娘”とも呼ばれているマリー。ネルケとの出会いでは、さっそくお手製の爆弾で大きな魔物を吹き飛ばし、いつもと変わらぬ姿を見せてくれる

▲『アトリエ』シリーズのなかでも、『ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術士~』をはじめとする『アーランド』シリーズから触れてきた筆者としては、ロロナたちとの出会いだけで感動と初めてプレイした当時の記憶がよみがえってくる

錬金術士の力を借りて街を大発展

担当管理官のネルケが主人公である本作は、ヴェストバルトの運営がゲームの基本。調査や戦闘などで素材を集め、調合でアイテムをつくるといった従来の流れとは別に、錬金術士が調合をするために必要なアトリエや果物などが手に入る栽培地、品物を売るお店を建築し、より良い街を目指していく。そこで重要になってくるのが街の収支だ。

▲本作で建築できるのは、果物や野菜が採れる“野菜畑”、木材などが採れる“林”、毛皮などが手に入る“牧場”とさまざま。また、同じ林でもシリーズではお馴染みの“うに”やリンゴと多種多様なものを栽培できる

施設を建てるにも、人を雇うにもお金は必要。支出を補うだけの収入がなければ、街の経営は成り立たなくなってしまう。収入を得るいちばん手っ取り早い方法は、畑などで採れたものをそのままお店で売ることだが、これでは大した収入を得ることはできない。ここで重要になってくるのが“錬金術”というわけだ。

▲栽培地、商店にはそれぞれ住民(キャラクター)を“生産者”、“店主”として配置することが可能。誰を配置するか指定しない場合は“臨時お手伝いさん”が切り盛りしてくれるが、住民を配置したほうが各栽培地での生産数、各商店での販売数が増加する。また、アトリエには錬金術士を置くことで調合ができる

アトリエにいる錬金術士に調合を依頼することで、調査地で採れたものなどを材料にアイテムをつくってもらえる。つくったアイテムは、素材自体よりも高値で販売できる。要するに、本作は調査地などで素材となるものを集め、その材料をもとに調合できるアイテムを錬金術士に依頼。錬金術で生み出されたアイテムをお店で売り利益にするというのが、経営の大きな流れとなる。

▲林から採れたリンゴを売っても、残念なことにたいした売り上げにはならない

▲だが、小麦粉などと組み合わせて調合することで“リンゴのタルト”が完成。売り上げは300倍以上に!

このように、錬金術を利用した『アトリエ』シリーズならではのひと味違う街づくりが楽しめるのが大きな魅力。また、過去のシリーズをプレイしていた方は、今までつくったアイテムを使って自身の手で施設を建てたり、流通させたりすることはなかったので、本作では新感覚の『アトリエ』を楽しめるはずだ。

▲各キャラクターには適性があり、野菜畑での生産数がほかの栽培地に配置したときよりも多かったり、錬金術士でも一度に調合できるアイテムの数がキャラクターによって違ったりと、得意分野が異なる

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