Interview

ましまろの「ツアーにおける目標」、このインタビュー中に決まる!

ましまろの「ツアーにおける目標」、このインタビュー中に決まる!

ヒックスヴィルの真城めぐみ&中森泰弘とザ・クロマニヨンズの真島昌利で結成、2015年9月にファースト・アルバムを発表、そのツアーを行ったましまろが、2016年8月31日にセカンド・アルバム『ましまろに』をリリースする。25年以上にわたってあらゆるステージに立ってきた国内屈指のシンガー、真城めぐみがマーシー(真島昌利)の曲を歌うということ。そのマーシーの曲がかつてはソロワークなどで聴くことができが、現在は他にアウトプットしていない、ファンにはもうたまらない「あの感じ」のものであるということ。中森泰弘のオーセンティックなフレーズを新鮮に響かせるギターを堪能できるということ。初期ザ・ハイロウズ以来久々にマーシーが「自分でも歌う」場であるということ。

などなどを鑑みるに、もうなんか、活動してくれること自体、音源を作ってライブをやってくれること自体に価値がある、とさえ言えるバンドだが、それぞれの本業もあるのに、わずか1年のインターバルでセカンドアルバムが出るとは、誰も思っていなかったのではないか。少なくとも、僕は思っていなかった。というかそれ以前に、次作があるのかないのかもわからなかった。なので、そのあたりも含めて3人に訊いた。

取材・文 / 兵庫慎司 撮影 / 荻原大志


ましまろとしての初ライブが2015年の「ARABAKI ROCK FEST.」で、その時、ものすごく緊張されたそうですが──。

真城めぐみ ええ。今まで一回も一緒にステージ立ったことないじゃん!っていうことに、急に気がついて(笑)。一緒にレコーディングとかの作業をするのと、人前で何かをやるっていうのは、やっぱり全然違うでしょ? 前日とかほんと一睡もできなくて。想像がつかなかったんですね、同じステージに立っているところが。ステージ上でのやりとりみたいなのも、なんにも決めてなかったし。「ステージでも、いつもみたいな感じで話しかけてもいいのかなあ?」とか、そんなことまで考えちゃった(笑)。

真島さんも?

真島昌利 うん、やっぱ緊張しましたね。なんか、「どうしたらいいんだろうなあ?」って。ライブ中も、ずっと緊張してましたね。

中森泰弘 ほら、ステージで急に変わる人、いるじゃないですか? 「そういう人だったらどうしよう?」みたいな(笑)。

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あの、素朴な疑問として、「ARABAKI」の前に下北沢のライブハウスで一回やってみよう、みたいなことを考えそうなもんですけども……。

真城 そう、試しにどなたかの前座で出させてもらおう、っていうのはずっとあったんです。ただ、ちょうどいい人が見つからなくて。フラカン(フラワーカンパニーズ)とか、とってもいいなと思って、頼んだら、「今年はワンマン、日比谷野音と日本武道館しかない」って言われて「それは無理だわ」って(笑)。自分たちが頼める感じのバンドで、お客さんも温かく迎え入れてくれるんじゃないかって想像できるバンドが、フラカンしかいなくて。

中森 結局その機会もないまま、「ARABAKI」の当日を迎えて。

真城 で、私たちが緊張してるっていうのもあるんだけど、久しぶりにマーシーが違うバンドをやるっていうので、お客さんもすごい緊張してて。その緊張がこっちにも伝わってきて……すごかったよね?

真島 うん。お客さんも緊張してた。

あと、くるりの「京都音博」の時に気づいたんですけど、マーシーが歌う人であるということ自体を知らない世代のお客さんもいるんですよね、もう。「そうか!」と思って。

真城 そうですよね。だからいろんなお客さんの思いが渦巻いていて、すっごい圧がステージに(笑)。ワーッと喜んでる人もいれば、すっごい顔して観てる人もいれば、泣いてる人もいて。「困ったなあ」とか思って。無我夢中で終わったっていう感じでしたね。私はもう、声が震えないようにしようっていうことだけで精一杯で。

中森 でもね、終わってみたら、なんかうっすら「楽しいな」って思えて。みんなの緊張した姿も見れたし、まあおもしろかったなって。

真城 まあ、あんだけ緊張すりゃいいでしょ、あとはもう大丈夫でしょ、っていうぐらいの緊張だったので。そのあとも、3回目のライブがチャボさん(仲井戸“CHABO”麗市)と2マンだったりとか、緊張するライブは続いたんですけど、ツアーをやる頃には、「バンドになったな」って思えましたね。ツアーは、「こっちがもっとリラックスしたら、お客さんもリラックスして、こういうライブに慣れてくれるかな」って。まず、座ってお酒を飲みながら観るライブっていうのが、大半のお客さんの中にはなかったと思うので。

中森 まあ、こっちも飲んでますからね。

そう、今日、ファーストアルバムの時のインタビューを読み漁ってから来たんですけど、「酒の話が多いなあ」と思って(笑)。

真城 まあ、ましまろ自体が飲んでる席で決まった話だったし。たとえば、飲みながら楽しくライブやってるミュージシャンいるでしょ? 「あれぐらいのゆるさでライブできたらいいねえ」っていうのはあったんで。

それぞれ、それまでそういうライブ、やったことないですよね。

真城 ないですね。

中森 怒られちゃいますもんね、普通は。

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なぜこのキャリアで今になって──。

真城 ねえ? 酒デビュー(笑)。まあ、バキバキのロックとかだと無理でしょ? やっとそういうのが似合うバンドができたかな、という。憂歌団とか、いいじゃないですか。適当なことをしゃべりながらね、1曲始まったと思ったら1番だけで終わっちゃう、みたいな。「そういうのもいいなあ」と思ってたんだけど、いざやったら、到底そんなゆるくはできなくて(笑)。

で、ファーストアルバムの頃は、今後の予定は何も決まっていない、とおっしゃっていましたが──。

真城 1枚目が終わってからは、何も考えてなかったですね。スケジュールも何もなかったし、少なくとも私は「またいつあるかわからないなあ、しばらくお別れだなあ」と思って、せつなかったですけど。

中森 でも、と言いながら、曲がどんどんできてくるので、「貯まったらやるのかな」くらいには思ってましたけど。

真島さんがどんどん書いてくる?

真島 そうですね。去年ツアーをやった時に、新曲も3、4曲やったのかな。「せっかくだからこれもレコードにしよう」みたいなことになって、あと数曲あればアルバム1枚分になるかも、っていう感じで。

真城 それで「じゃあ、たまには集まろうか」「うん、僕、曲あるよ」「それはうれしいなあ」って。で、音が出せる場所なんで、その場でギターで披露してもらって。

その集まる号令はどなたが?

真城 あのねえ、水島さんって人がいて。結成のきっかけになった人で。

 ああ、最初に「一緒にやってみなよ」って勧めたという、共通のお友達の。

真城 そう。生業はデザイナーなんですけど──。

真島 昔からの友達。

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その方はなぜにそんなに熱心にましまろをやらせたがるんですか?(笑)。

真城 っていうかまあ、共通の友達っていうのもあるし……(ふたりに)本当は一緒にやりたかったんだよね?(笑)。

真島 え、そうなのかなあ?

真城 なんか私、そう思ってるんだけど。だって、なんとなくベース持って近寄ってきたりしてたじゃん(笑)。「♪ボン、ボン」ってちっちゃく音出したりなんかして。

中森 あ、昨日も「俺、ドラムの練習して入れてもらおうかな」って言ってたよ(笑)。

真城 私のドラムが見てらんなかったのかなあ(笑)。ただ、彼が言い出してくれなかったら、こんなふうに集まって一緒にやることはなかったから。

それで2枚目も?

真城 そうですね、彼が「またそろそろちょっと集まろうよ。とりあえず飲もうよ」みたいな。で、集まって、曲を聴かせてもらって……プリプロっていうのかな、それはその人のお家でやってるから。

スタジオなんですか?

真城 ううん、住宅。その人の趣味のもので固められた部屋で。楽器とか、レコードとか、自転車とか。

音を出しても大丈夫なんですか?

真城 大丈夫です。いや、大丈夫じゃないけど出してる(笑)。普通の住宅街なんですけど。

中森 隣がね、老人しかいなくて、耳が遠いみたい(笑)。逆にあっちからも、すっごいピアノの音がきこえてきますもん。だから大丈夫なんじゃないかな。

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