Interview

木村達成が、“恋”の手ほどき。恋を読む『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の再演まもなく!

木村達成が、“恋”の手ほどき。恋を読む『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の再演まもなく!

今年の春先の東京・有楽町には切ない恋愛前線が接近しそうだ。
昨年8月に初演を迎え大盛況に終わった、恋を読む『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』が、熱いラブコールに応え、3月12日(火)からオルタナティブシアターにて再演される。京都の美大に通う大学生・南山高寿、とある秘密を抱えた女性・福寿愛美が描くファンタジックなラブストーリーで、今回も8組の俳優・声優の男女が、8通りの高寿と愛美を演じる。
そんな舞台で初演にも出演している木村達成が、恋愛の心得を語ってくれた。誰よりも力強くて、恋に悩むあなたを勇気づけてくれるインタビュー。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 岩田えり


初演を踏まえてさらに良い作品にしたい

初演からわずか半年ほどで再演される恋を読む『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』がオルタナティブシアターに帰ってきます。今のお気持ちを聞かせてください。

まず、多くのお客様に愛されて再演ができることに感謝しています。お客様を魅了した世界観をしっかり再現しながら、初演を踏まえてさらに良い舞台にしたいと思います。

やはり、どうしてここまでお客様に愛されたのか気になります。木村さんは実際に演じられて、分析してみるといかがですか。

第一に脚本がものすごく良くて。リアルなお話ではないのですが、その中に、日常でも起こりそうなピュアなシーンが効果的に差し込まれている。普通に過ごしていれば自然と通り過ぎてしまう出来事を心から大切にする高寿と愛美の姿に、お客様は感動されたのだと思います。

木村さんは初演が初めての朗読劇だったんですね。

そうです。映画を観させていただいて、そのあと脚本が届いたときに、どうすればいいのか途方に暮れました(笑)。会話がメインですから、「ト書きを読む必要があるのか」「ナレーションは高寿の声色のままでいいのか」といろいろ悩んだりもして。稽古に入る前も、ふたりだけで本を持って朗読しながらストーリーを進めていくのは難しいかもしれないとか、声だけでお客様を魅了できるのか不安がありましたね。だけど、ストレートプレイと朗読劇の間のような作品で、本を離して動いたり、台詞を言うシーンもあったので、不安は払拭できました。

清水くるみさんの福寿愛美との相性も抜群だったと思います。

ありがとうございます。相手役が変わったり、新しい役者が入ってくるなかで、初演とペアが同じなので演じやすいですね。それだけに、初演を上回らなければいけないプレッシャーも感じています。それでも、お互いどれだけ成長したのかも確認できるだろうし、そんな清水さんとどんな作品に仕上げられるか楽しみです。

清水さんはどんな印象の方ですか。

優しくて気さくで、フレンドリーな方です。僕の好きな愛美の台詞があるのですが、あるとき、それを清水さんに伝えたら、彼女が照れてました。再演にもその台詞があるので、お客様にも見つけて欲しいですね。

初演時は、どのような稽古で進めていったのですか。

初演のときは、僕たちが最初に稽古をすることができたんです。なので、僕たちの動きが、それ以降のペアに反映されたそうで、舞台の基盤をつくることができて嬉しかったです。

恋をするのに理由はいらない

初演を拝見させていただいたのですが、ふたりの描く恋愛模様に見入ってしまいました。

僕は、高寿のように一目惚れの経験はないのですが、一目惚れをした女性にアタックできる勇気に感動します。素朴な美大生といった佇まいですが、素直な気持ちを相手に伝えることはなかなかできませんよね。その姿が男性からするとカッコいいんです。

ロロの三浦直之さんの演出はいかがですか。

高寿のお母さんとお父さんが登場するのですが、最初はどうやってふたりで演じるのだろうと思いました。そこは、声ではなく、僕らの後ろ姿で伝える演出になっていました。ふたりの距離を近づけたり、だからといって近づけすぎずに、高寿と愛美の模様を描いていく距離感の表現に感動しました。

三浦さんから言われたことはありますか。

主に役のテンションに関することで、愛美に強く言って欲しい部分や、ストーリーの中で、最初はアワアワしながら彼女に接して欲しいということは言われました。

手に汗握る気持ちを声だけで伝えたい

そして実際に朗読劇を経験していかがですか。

楽しかったし、思わず泣いてしまいました(笑)。脚本を読めば自然に泣いてしまうので。他の舞台であれば、多くのキャストが板の上にいるので、ふたりだけでシーンをつくることはなかなかないんです。それがふたりだけで舞台が成立してしまう面白さと、同時に、自分の演じ方次第でシーンの意味がまったく変わってしまうという重要な役割をいつもよりも担っている責任感が芽生えました。とはいえ、やはり緊張と恥ずかしさが前面に出てしまいましたね。本を持っていた手が震えてページが一枚ずつうまく捲れなかったり……。ただ、緊張感が必要なお話なので、愛美に初めて出会うところは特に、高寿の手に汗握る気持ちを緊張感を持って声だけで伝えたいと思っていました。

舞台上でのご苦労はありましたか。

なかなか水を飲むタイミングが掴めませんでしたね(苦笑)。水を飲んでいいと言われたのですが、ブレイクを挟んでしまうと前のめりになっているお客様の気持ちを削いでしまうような気がして、あえて飲まなかったんですけど。

松田 凌さんの回をご覧になったそうですね。

僕の演じた高寿とは全然違いました。高寿が一日進むと愛美は一日戻ってしまう、いわばすれ違っていく悲しいストーリーだから、僕は男らしく彼女を全身で受け止めようと役づくりをしていたんですけど、(松田)凌くんは雰囲気から美大の大学生らしくて、声色も台詞を読むスピードも違って勉強になりましたね。

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