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『ガンダムSEED』伝説のユニットSee-Sawが一夜限り復活! 全曲レポで振り返る、フライングドッグ10年祭「犬フェス!」の衝撃

『ガンダムSEED』伝説のユニットSee-Sawが一夜限り復活! 全曲レポで振り返る、フライングドッグ10年祭「犬フェス!」の衝撃

株式会社フライングドッグの設立10周年を記念して豪華なアーティストが勢ぞろいした“フライングドッグ10周年記念LIVE ―犬フェス!―”が2019年2月2日、東京・武蔵野の森 総合スポーツプラザ メインアリーナにて行われた。

坂本真綾、梶浦由記/FictionJunction YUUKA、中島愛、May’n、ワルキューレなどのアーティストが出演したほか、声優・山寺宏一などフライングドッグにゆかりのある人々もプレゼンターとして登場。さらにシークレットでTridentなどが一夜限りの復活をするなど歴代のアーティストも登場し、レーベルの歴史を感じさせるライブとなった。また、ライブの最後には秋に“犬フェス2!”が開催されることが発表された。

取材・文 / 金子光晴


レーベルを代表するアーティストたちの饗宴

株式会社フライングドッグは2019年1月に設立10周年を迎えた。ビクター音楽産業、ビクターエンタテインメント時代を含めると40年ちかくの歴史があり、アニメやアニソンの発展に貢献してきた。ちなみに社名やレーベル名の“FlyingDog”はビクターのシンボルである犬に由来するといわれ、今回の“犬フェス!”というライブの名称にも使われている。そんなレーベルを代表する数々のアーティストたちが10周年を盛り上げた。

開演するとまずプレゼンターとして登場したのが作曲家の田中公平だった。田中は1985年のテレビアニメ『夢の星のボタンノーズ』で現在のフライングドッグの佐々木史朗社長と出会い、代表作の『サクラ大戦』OPテーマ「檄!帝国華撃団」も実はビクター時代の佐々木社長が携わっていたという秘話を明かした。

そして田中公平による代表作のひとつである1997年のテレビアニメ『勇者王ガオガイガー』の話題の後、サプライズで遠藤正明が登場し、田中と共に「勇者王誕生!」を熱唱するという予想外の幕開けとなった。20年以上も前の曲ではあるが、印象的なイントロは現在のアニソンファンにもなじみがあるようで、サビでは大合唱が起きていた。

意外な幕開けにざわつきが収まらない中、続いて登場したのはやはりフライングドッグの歴史を語るうえで欠かせないアーティストであるMay’n。「Chase the world」、「射手座☆午後九時Don’t be late」を歌い、「みんな!天井までぐらいに!」と大きなジャンプを要求して会場を大いに盛り上げた。

さらに「この曲と出会ってMay’nは生まれました」という「ダイアモンド クレバス」を披露。“シェリル・ノーム starring May’n”としてリリースしたアニメ『マクロスF』の楽曲であり、彼女が“May’n”として世に出るきっかけとなったこの曲で記念すべき“犬フェス!”の出番を締めくくったのだった。

ナノはまずTVアニメ『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』のOPテーマ「SAVIOR OF SONG」を披露すると、「こんな大舞台で皆さんにお会いできるとは思っていなくて、朝からずっと泣きそうでこらえてここに立っています」と感激した様子だった。次のシングル「KEMURIKUSA」で11枚目の作品となるというと大きな拍手が送られ、TVアニメ『BTOOOM!』のOPテーマ「No pain, No game」でさらに熱いステージを展開した。

続いて登場したのは梶浦由記/FictionJunction YUUKA。まずはオペラ歌手の笠原由里をボーカルに迎え、TVアニメ『ノワール』の楽曲「salva nos」で圧巻の歌声と演奏で観客を圧倒した。梶浦は「私たちアーティストとレーベルの関係は、同じ地平を目指してはいるけれど、違う場所で戦っているような戦友」とお互いに違う視点で高め合える存在としてフライングドッグとの関係性を表現。

次の曲は梶浦のピアノの音色に導かれてYUUKAが登場し、FictionJunction YUUKAとしてTVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』挿入歌「暁の車」を披露した。そして3曲目、造語コーラスで広く知られる「nowhere」では観客のクラップも起きていた。

2人目のプレゼンターとして登場したのはなんと『マクロス』、『アクエリオン』シリーズを手掛けた河森正治監督で、客席からは大きな驚きの声があがった。ビクター時代から37年の付き合いになるとのことで、『マクロス』シリーズでは歌だけで200曲以上にもなるという深い関わりがある。

『超時空要塞マクロス』は「なぜアイドル歌手はヒロインにならないのか?」という素朴な疑問から始まったが、「戦闘シーンの間は歌の口パクをやらなくて済むという予定だったんですが、戦闘シーンも大変で結局2倍大変になりました」と当時の苦労を語りつつ、楽曲なしには『マクロス』はありえなかったとフライングドッグに感謝を述べた。

「『マクロスプラス』ではAIが作り出すバーチャルアイドル。当時の作画スタッフからは『コンピュータがやっててみんなが盛り上がってるのおかしくない?』と言われましたが、そんなイカれた時代が来てしまっていますね(笑)」とも語っていたが、いかに時代を先取りした作品だったかよくわかる回想だった。そして、菅野よう子(インフルエンザにより、急遽出演がキャンセルとなった)をはじめとする作品に関わるアーティストを次々と振り返った後、最後に「あと1人、大切な歌姫。AIバーチャロイドの影の存在。スッと心に染み込むような彼女の歌声を聞け!」と次のアーティストを呼び込んだのだった。

登場したのは新居昭乃。歌ったのは菅野よう子作曲によるOVA『マクロスプラス』のOPテーマ「VOICES」で、アカペラの神秘的な歌声に観客は聴き入り、曲が終わると拍手が鳴りやまなかった。「菅野よう子さんの曲を歌わせていただいて、河森さんのお話の後にこの曲を歌うことができて、今までがんばってきてよかったなと思いました」とこのライブへの思いを語った新居。さらにもう1曲、TVアニメ『ゼーガペイン』のOPテーマ「キミヘ ムカウ ヒカリ」も披露した。

一昨年に25周年を迎えたという歴史があるALI PROJECT。軍服姿の宝野アリカがドラァグクイーンを引き連れて濃いパフォーマンスを見せた。まずTVアニメ『.hack//Roots』のEDテーマ「亡國覚醒カタルシス」を披露すると、日本刀を振りかざしてTVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』のEDテーマ「勇侠青春謳」を歌唱。会場はALI PROJECT独特の怪しい雰囲気に包まれたのだった。

「みんな! 抱きしめて! 銀河の果てまで!」とおなじみのフレーズで登場したのは中島 愛。1曲目はTVアニメ『マクロスF』の挿入歌であり、彼女が“ランカ・リー=中島 愛”として歌った「星間飛行」で、“キラッ☆”のポーズで緑色のサイリウムに染まった会場のファンを魅了した。去年でデビュー10周年を迎えた彼女は、まさにフライングドッグの歴史と共に歩んできたアーティストといえる。2曲目は土曜日ということで「サタデー・ナイト・クエスチョン」を歌い、ここで中島はステージを後にした。

この2曲で終わりと思いきや、すぐさまMay’nと共に再登場。ふたりで歌う曲は多くの観客の期待通り『マクロスF』の新OP「ライオン」で、イントロと共にものすごい歓声が起こった。久しぶりにライブでこの曲を歌ったふたりには特別な感慨があったようで、歌い終えると感極まったMay’nは涙を浮かべ、中島を強く抱きしめた。10年間の想いがこの瞬間に凝縮されたような感動的なステージで、前半戦を終えたのだった。

後半に入る前にはkz(livetune)による30分間のDJタイムがあった。まず『カードキャプターさくら』の「Catch You Catch Me」から始まり、『ちょびっツ』の「Let Me Be With You」、そして最新曲『私に天使が舞い降りた!』の「気ままな天使たち」へとつながるなど、フライングドッグの新旧の名曲を堪能できる至福の時間だった。このDJタイムでは客席の電気がつけられており、観客のリラックスタイムとして設けられたのだと思うが、休むどころかサイリウムを振り続ける観客の姿が数多く見られた。

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