Interview

オカルト要素にエモい歌詞 セプテンバーミーって何者?

オカルト要素にエモい歌詞 セプテンバーミーって何者?

アルバム「絶対的未来奇譚」をリリース。新作とバンドのプロフィールを聞く。

ポップとロックを自由に行き来するバンドサウンド、生々しいラブソングからオカルト的なテーマまで幅広い世界観を描き出す歌、そして、アグレッシブ&キャッチ—なステージングによって確実に注目度を上げている4ピースバンド“セプテンバーミー”。サポートギターだったタナカ・ターナ(G)が正式加入してから初の音源となる4thミニアルバム「絶対的未来奇譚」で彼らは「セプテンバーミーは一新したと思います」(ドイヒロト/V&G)というほどの飛躍を果たした。際立った個性を持ったメンバー4人の存在感を含め、2010年代後半の要注目のバンドのひとつであることは間違いないだろう。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 森崎純子

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まずはセプテンバーミーのこれまでのキャリアについて聞きたいと思います! 結成は2012年なんですよね?

ドイヒロト(vo & g) はい。僕とベース(ココナッツ先輩)が前身バンドをやっていて、そのときはレディオヘッドみたいなバンドを目指してたんです。でも、すぐに「誰もレディオヘッドにはなれないんだな」とわかって(笑)。

実験的な要素を含んだバンドということですか?

ドイ そう、ホントにそんな感じで。洋楽をベースにするっていうのは、常にあるんですけどね。

岸波藍(ds) シューゲイザーとかね。

なるほど。レディオヘッド、サマソニに来てましたけど「Creep」聴きました?

岸波 聴きました! 良かったですよね(以下、ドイと岸波によるレディオヘッドに関するトークが続く…)

さすが、詳しいですね! でも、現在のセプテンバーミーの音楽はグッとポップになってますよね。

ドイ はい。バンドの名前がセプテンバーミーになったタイミングで「もっとリスナーを意識した曲を作っていかないと認知されないのかな」と思って。そこからですね、いまの感じになってきたのは。
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岸波さんはどんな経緯で加入したんですか?

岸波 もともとは別のバンドをやってたんです。地元の(東京)立川のBabelというライブハウスで対バンしたことがあって、お互いに認識はしてたんですよね。で、前のドラムの人が抜けるタイミングで誘ってもらって。最初はmixiのメッセージだったんですけど(笑)。

ドイ (岸波は)当時から華があったんですよね。どうしても目が行っちゃう人っていると思うんですけど、岸波はまさにそういう感じで。

岸波 ドイさんの印象は……顔が覚えづらかったんですよ、良い意味で。

ココナッツ先輩(b) 良い意味ある?(笑)

ドイ ハハハハハ。

岸波 髪も長かったから(笑)。ちょっと病的というか、危ない雰囲気もあったんですよ。白い衣装を着て、ドラムから背面ダイブしたり。音楽性もポップになる前だったし。

ドイ なんでそんなことしてたか、自分でもわからないんだけど(笑)。

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ドイさんとココナッツ先輩はいちばん付き合いが長いんですね?

ドイ そうですね。6年くらいかな。

岸波 前はメロコアバンドのベース・ボーカルだったんですよ。

ココナッツ先輩 最近よく持ち出すよね、その話(笑)。メロコアが好きでバンドをやってたんですけど、いろいろあってニートみたいな生活をしているときに(ドイから)「サポートでいいから、ベースやって」と声をかけてもらって。

好きな音楽はぜんぜん違うんですね。

ココナッツ先輩 そうですね。レディオヘッドの「Creep」と言われても、「クリープハイプ?」と思うくらいなんで(笑)。

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(笑)そしてタナカ・ターナ(g)さんは2年ほど前からサポートギタリストとして参加し、2016年3月に正式加入。

タナカ はい。インディーズのバンドをチェックしているなかで、セプテンバーミーの名前はよく聞いていて。前のバンドをやっていたときに対バンしたのが知り合うきっかけですね。

岸波 ライブに勝ち負けはないかもしれないけど、そのときは敗北感がすごくあったんですよ。とにかく「あのギターの人はヤバい」って。ココナッツ先輩 ギラついてたよね。

ドイ 上手いし、存在感もあって。「あのギターひとりに負けた」という感じでした。

岸波 で、こっちのギターが抜けたときに「ぜひタナカさんとやってみたい」って。

音楽的にも共通点があったんですか?

タナカ いや、重なってるのはレディオヘッドくらいですね。僕はいろんな音楽を幅広く聴くほうなんですけど…。

ココナッツ先輩 いちばん好きなのはフィッシュマンズでしょ?

タナカ うん。いまもライブを観るために地方に遠征してます。最初に聴いたのは渋谷のタワレコだったんですけど、その場で号泣してしまって。

岸波 マンガの主人公みたい(笑)。

メジャーな音楽、ポップに振り切ったものも好きなんですか?

ドイ うん、それはみんな大好きですね。J-POPで育ってるので。

ココナッツ先輩 親の影響でGLAYやスピッツも聴いてましたからね。あと、最近「ミスチルってすごいな」って改めて思うようになって。

タナカ うん、めっちゃいいよね。アイドルの曲も聴きますよ。欅坂46の「サイレントマジョリティー」もすごいと思いました。

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セプテンバーミーとして始動してからはポップであることを意識したということですが、具体的にはどんなふうに変化させたなんですか?

ドイ そうですね…。その頃に人気があったバンドを調べたり、アンテナは立ててましたね。ずっと洋楽ばっかり聴いてたから、日本の音楽を勉強しなくちゃいけないと思って。なぜか外人みたいになってました(笑)。ただ、ポップに切り換えられたかどうかは、ちょっとわからないんですよね。もちろん表現の方法はポップになってるし、ずいぶん変わったと思うんですけど、本質的なところはずっと同じじゃないかなって。

岸波 そうかも。歌詞もエモーショナルだし、オカルトの要素が入ってるも変わらないし。曲のテンポは速くなったけど。

ドイ そうだね(笑)。

歌詞は確かにエモーショナルですよね。個人的に印象的だったのは「テレキャスターマジック」。テレキャスターを武器にして、自分の運命を切り開くんだという意思も感じられて。

ドイ 僕もすごく気に入ってます。「テレキャスターマジック」もじつはオカルト的なんですよ。

え、そうなんですか?

ドイ セプテンバーミーの代表曲って、「幽霊ダイブ」「妖怪ダンス」みたいにオカルトの要素が入ってる曲が多いんですけど、「テレキャスターマジック」にもすごく含まれていて。「440」という歌詞があるんですけど、それはチューニングするときの周波数440ヘルツのことなんです。その数字を決めたのは誰だろう?と掘り下げていくと、やっぱりオカルト的になっていって。「黄色い目の奴ら」も調べるといろいろ出て来るんですよ。

岸波 分かる人には分かるっていう。

どうしてそんなにオカルトに惹かれてるんですか?

ドイ まず、オカルトって目に見えないじゃないですか。実体がなくて、理由がわからないものには興味があるし、どうしても気になるんですよね。音楽もそうだと思うんです。音は目に見えないし、実体もないので。未知なものに惹かれるんでしょうね、きっと。

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セプテンバーミーの音楽性、サウンドメイクも「これ、どうやって作ってるんだろう?」って興味を惹かれます。かなり緻密なアレンジなんだけど、ロック的なパワーもすごくあって。

ドイ まず、僕が基本となるメロディとコードを弾き語りでメンバーに聴かせるんです。そこからセッションというか、「よーい、ドン!」でアレンジしていくんですよね。すごくアナログで非効率なやり方なんですけど、どこに着地するかわからないっていうワクワク感があって。

タナカ 今回のミニアルバムの制作は、メロディもリズムもかなりこだわってますね。スタジオにあるホワイトボードにアイデアを書き出して、いろんなことを試したので。

岸波 ターナーが入ってから、作り方はだいぶ変わりましたね。

ココナッツ先輩 正式に加入してから、初の作品だから。

自分が加入した意義を示したいという気持ちもあった?

タナカ そうですね。音楽的な幅も広がったと思うし、「いままでになかったセプテンバーミーを表現した」と思ってたので。まだまだありますけどね、やりたいことは。

「絶対的未来奇譚」の収録曲のなかで、特に印象に残ってる曲というと?

タナカ 俺は「New World Order」ですね。

岸波 ターナーが作った曲ですね。

タナカ 最近、改めてポップスの良さに興味があって。そういうモードが出せた曲だなって思います。カントリーっぽいスネアのリズムもやってみたかったんですよね。

ココナッツ先輩 自分は1曲目の「27club」ですね。スカのリズムも初めてだったし、そこにちゃんと“らしさ”も入っていて。1曲目から新しいセプテンバーミーをしっかり示せたのは良かったかな、と。こだわりの一品です(笑)。

岸波 「LOVE DIVER」は「まさか自分たちがこういう曲をやる日が来るとは!?」という感じでした。同期のリズムを使ったり、ボーカルもデジっぽい感じなんですけど、もともとそういう曲が好きだったんですよね。他の人がやっているのを聴いて「いいな」って思ってたんだけど、自分たちでやるってなると、やり方がわからなくて。今回の制作にはキーボードの方にも参加してもらっていて、その方の協力もあって出来た曲だと思います。ドラムもただの4つ打ちではなくて、跳ねるリズムも意識していて。こだわった曲のひとつですね。

ドイ アレンジに関しては、全曲すごくこだわってるんですよ。タナカが入ってくれたことも大きいし、それぞれが持っている引き出しをいい感じに出せて。「セプテンバーミーを一新できた」という感じもありますね。

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「絶対的未来奇譚」というタイトルからも、ここから新しい場所に向かうんだというイメージが伝わってきます。

ドイ この4人でやっていくっていう前向きな気持ちを物語にしていきたいっていうか。そういう感じはありますね。

タナカ 飽きられないバンドでいたいなって思いますね。アルバムのたびにいろんなことをやって、「この頃のセプテンバーミーも好き、この時期もいい」という感じになりたいなって。くるりが好きなんですけど、あのバンドはまさにそうじゃないですか。俺もいろいろやりたい人間なんで。

ココナッツ先輩 音楽を始めるきっかけになるようなバンドになりたいですね。バンドをやってる人って、ほんどは「このバンドを聴いたのがきっかけ」ということがあると思うので。そういうところが見えると「もっとやってやろう」という気持ちになれるし。

岸波 私は「お茶の間にも流れるバンドになりたい」って思ってます。「彼女inワンダーランド」が地上波のテレビ(フジテレビ系「全力!脱力タイムズ」エンディングテーマ)で流れてるんですけど、そんなことは初めてだったし、すごく新鮮で。年齢とかに関係なく、どんなところでも自然に聴いてもらえるバンドになりたいので、その第一歩なのかなって。

ドイ 「絶対的未来奇譚」を繰り返し聴いているんですけど、もっと身近に感じられるような音楽をやりたいなって思いますね。歌、歌詞、アンサンブルを大事にしながら、長く続けていきたいです。

リリース情報

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2016年9月21日
4th mini album
『絶対的未来奇譚』

¥2,000 (税込)

【収録曲】
1.27club
2.彼女inワンダーランド
3.テレキャスターマジック
4. LOVE DIVER
5.夕闇とサイレン
6.CRシュレディンガーの猫
7.New World Order
8.unicorn

プロフィール

2012年11月東京都立川にて結成。幾度かのメンバーチェンジを重ね、2014年4月よりドイヒロト(vo、g)、ココナッツ先輩(b)、岸波藍(ds、cho)の3人編成で活動。2015年4月より全国47都道府県ツアーを敢行し、9月にはバンド史上初となるワンマンライブを下北沢シェルターにて開催(SOLD OUT)。同年11月には最新ミニアルバム「Godspeed you!」をリリース。全国ツアーも終わらぬまに2016年3月、かねてよりセプテンバーミーのサポートギターを務めていたタナカ・ターナ(g、cho)が新メンバーとして加入、現在の編成に至る。

オフィシャルホームページ=http://september-me-me.com

ライブインフォメーション

リリースツアー CRセプテンバーミー 〜にゅーわーるどおーだー〜

9月30日 (金)  千絶対的未来奇譚葉LOOK
【出演】ANGRY FROG REBIRTH / NECOKICKS / アンテナ
10月1日 (土)  広島CAVE-BE
【出演】CRAZY VODKA TONIC / LINE wanna be Anchors / グッバイフジヤマ / bobupDJ and more…
10 月2日 (日)  岡山PEPPERLAND
【出演】CRAZY VODKA TONIC
10月14日 (金) 福岡Queblick
【出演】ANGRY FROG REBIRTH / Amelie / 神はサイコロを振らない
10月15日 (土)  高松MONSTER
【出演】ANGRY FROG REBIRTH / Amelie and more…
10月29日 (土) 名古屋APOLLO BASE
11月3日 (木)  静岡Freakshow
11月5日 (土)  仙台enn3rd
【出演】アンテナ / NECOKICKS / The Floor
11月6日 (日)  新潟 CLUB RIVERST
【出演】午前四時、朝焼けにツキ / MAGIC FEELING / NECOKICKS
11月11日 (金)  神戸 太陽と虎
11月20日 (日)  札幌COLONY
【出演】The Floor
11月25日 (金)  新代田FEVER
※ワンマン公演