Interview

特撮俳優物語:地球と呼ばれる光の巨人を演じた「吉岡 毅志」の真実

特撮俳優物語:地球と呼ばれる光の巨人を演じた「吉岡 毅志」の真実

幼少期に触れたヒーローは、たとえ大人になってもずっとヒーローのままである。

特撮ヒーローを演じた俳優。
もしも街中、ふと視線を横にすると、紛れもない変身前のあのヒーローが居たとする。2度見3度見どころではない、ギョッとするはずである…。「やべー!ウルトラマンいる!(ここでは便宜上ウルトラマンとする)」と間違いなく役名、しかも変身後のヒーロー名が浮かぶはずだ。

現実と非現実がオーバーラップする感覚。
もしも彼らに遭遇する機会があるならば、間違いなく演じたヒーローとオーバーラップしてしまう感覚に見舞われるだろう。

そんな”ヒーロー”の姿を背負うことになる特撮俳優の人生。いったいそれはどんな運命として紡がれているのだろうか…。

吉岡 毅志。
平成になってからのテレビシリーズ三作目。20世紀最後を飾ったウルトラマンとしての主人公の名を背負うのは、言わずもがな彼しかいない。
彼がこれまで背負ってきた人生、そしてこれから背負う人生。
そんな一人の特異な人生に少し触れてみようと思う。(敬称略)

取材・文 / 市野ルギア、柳 雄大
撮影 / 松浦文生


「ジャンプ」黄金期を過ごし、少年時代は漫画家になりたかった

今日はよろしくお願いします。まずはご出身のこと、幼少期のことからお聞きしていきたいんですが。

吉岡 出身は、東京の新宿ですね。実家も、このお店(四ツ谷にある吉岡さんのお店:後述)から歩いて15分ぐらいのところにあります。小っちゃい頃からヒーローものが大好きで。デパートの屋上とかでやっているヒーローショーに連れて行ってもらってました。たぶんウルトラマンのショーも行ってるはずです。3歳ぐらいのときの、スペシウム光線のポーズをとった写真も残ってるぐらいなので(笑)

物心ついたときにはもう特撮に触れてたんですね。

吉岡 特撮というか、ヒーローものを観てる感じでしたけどね。僕は1979年生まれなんですが、夏休みに再放送でよくやっていた『ウルトラマンA(エース)』(注1)、『タロウ』(注2)あたりを観てました。リアルタイムの放送で記憶に残ってるのは『アンドロメロス』(注3)とか。

3歳のころ ウルトラマンに憧れた幼少期だった

注1:『ウルトラマンA(エース)』。1972年~1973年にTV放送されたウルトラシリーズ第5作。
注2:『ウルトラマンタロウ』。1973年~1974年にTV放送されたウルトラシリーズ第6作。
注3:『アンドロメロス』。円谷プロダクション制作によるウルトラマン関連メディアミックス作品。雑誌での展開を経て、1983年にTVシリーズも放送された。

スーパー戦隊シリーズとか、その他のヒーローものはいかがでしたか。

吉岡 『サンバルカン』(注4)、『ギャバン』(注5)が好きでしたね。雑誌の「てれびくん」とかを買っては、付録で遊んだりしてました。そのあとの『ダイナマン』(注6)~『フラッシュマン』(注7)あたりも世代です。ただ当時は完全にウルトラマン派だったんですよ。小学校卒業時点でも137cmと背が小さかったこともあって、“大きくなりたい願望”がすごかった。

幼稚園の『サンバルカン』にハマっているころ

注4:『太陽戦隊サンバルカン』。1981年~1982年にTV放送された東映スーパー戦隊シリーズ第5作。
注5:『宇宙刑事ギャバン』。1982年~1983年にTV放送された東映メタルヒーローシリーズ第1作。
注6:『科学戦隊ダイナマン』。1983年~1984年にTV放送された東映スーパー戦隊シリーズ第7作。
注7:『超新星フラッシュマン』。1986年~1987年にTV放送された東映スーパー戦隊シリーズ第10作。

子どもの頃に触れたエンタテインメントで、人格形成に影響したなっていうものは他に何がありますか?

吉岡 そういう意味では、完全に(週刊少年)「ジャンプ」の黄金期世代なんですよ。僕が読んでた頃は『北斗の拳』、『キン肉マン』『ドラゴンボール』『キャプテン翼』。小学校の高学年になると『スラムダンク』とか『ろくでなしBLUES』がはじまったり、もう夢中でしたね。小学生のときは漫画家になりたかったんですよ。

ホントですか!

吉岡 小さい頃から絵が好きで。ロットリングのペンと雲型定規とスクリーントーンをおばあちゃんに買ってもらって、何かひたすら絵を描いてましたね。鳥山明さんが出していた、漫画家になるための本を見ながら、トレーシングペーパーで写して……単行本の扉絵にしか載ってないカットが大好きで、それをとにかく描いてました。

幼少期から漫画家になりたかったんですね。

吉岡 ただ、当時は今と違って漫画好き、アニメ好きっていうのは完全に日陰の存在でした。ちょうどいろいろ事件なんかもあった頃で、マイナスイメージが特に強くて。中学に入ったぐらいのときには、アニメ雑誌を買って読んだりしながらも、だんだん「俺はこっちじゃないな」って感じるようになってました。やっぱりスポーツやったり、友だちとワイワイ外で遊んでるほうがいいな……なんて思い始めてて。

なるほど。ちなみに、勉強はどうだったんですか?

吉岡 勉強は本っ当にダメで(笑)。まあ、ひどかったです。親父からはとにかく勉強しろ勉強しろ、勉強して何かになれ、と。あんまり言われるので、すぐに勉強が嫌いになってましたね。けっこう早い段階から反抗期みたいものが始まり。「勉強なんかするより、外で仲間たちと遊んでるほうがいい!」って強く思うようになっていました。

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