Interview

特撮俳優物語:地球と呼ばれる光の巨人を演じた「吉岡 毅志」の真実

特撮俳優物語:地球と呼ばれる光の巨人を演じた「吉岡 毅志」の真実

『ウルトラマンガイア』天才少年・高山我夢として走り続けた1年

『ガイア』の現場はいかがでしたか。プレッシャーとかは感じていたんでしょうか。

吉岡 何が一番危険だったかって、僕が演じる高山我夢が天才少年の役だったことですよね。もう地球で1、2を争うほどの天才を、高校をギリギリ卒業したぐらいの僕が演じる。我夢は量子物理学のスペシャリストと聞いたので、本屋さんに行って量子物理学の本を買ってきて……見てはみるものの、意味がわからない(笑)。

芸能界に入って最初に撮った宣材写真

あぁ……!(笑)それで撮影に入られて、第1話はスムーズにいきましたか?

吉岡 第1話ではまだそんなに難しいことをしゃべってなかったので、とにかくセリフを覚えて。その時点では役づくりも何もなかったです。ただただ真っ直ぐ走るしかなかったですね。共演の渡辺裕之さん、宇梶剛士さん、平泉成さんというベテラン俳優陣にそうとう引っ張られている状況でした。

演技的な指導はどうしてもらっていたんでしょうか。経験値がなかなか追いつかないと思うんですけど、どういうふうに克服していくんですか。

吉岡 渡辺裕之さんが、すごく僕のクセを直してくれたんです。僕のことを我夢、我夢って呼ぶんですよ。で、「我夢、お前は姿勢が悪い。まず歩くときガニマタになってるのを直せ」「敬礼するときはこうだ!」とか。あとはセリフの言い回しですね。「僕は君になりたい」ってセリフがあるとすると、当時「ンぼくは、ンきみに、なりたい」というふうに溜めちゃう変なクセがあったんですよ。本人としては一生懸命やってるだけだったんですが。そうすると渡辺さんが僕のマネをして。「お前はこうなってるんだよ、この頭の“ン”がカッコ悪い」と指摘してくださる。

そうやって徐々によくなっていくわけですね。

吉岡 先輩たちと芝居を重ねていく中で……スポーツと一緒で、うまい人の中にいると、だんだん動きがわかってくるんです。あとはやっぱり主人公だったので、監督もカメラマンも、スタッフさんみんなの「コイツをなんとか育てなければ!」っていう空気感もあり(笑)。もう、日々学校に通ってた感じですね。

そして『ガイア』といえば、ライバルのウルトラマンアグル=藤宮博也役を演じた高野八誠さんについてもお聞きしたいです。最初はどんな出会いだったんですか。

吉岡 制作発表のときですね。そのときはもう第1話の撮影中だったので、渡辺裕之さんたちとはコミュニケーションを取ってた頃です。発表会の控室で、脇のほうにポツンと黒い服のヤツがいて(笑)、寂しそうにしてるわけですよ。それが、青いウルトラマン(アグル)として登場することになる藤宮だったんです。

八誠さんの印象、ファーストインパクトはいかがでしたか。

吉岡 僕とまったく真逆で、社交的な要素がいっさい感じられなかったんです。内向的な、暗い寂しい感じの人に見えたかな。でもそれは後々本人に聞いたら、「みんなは基地でワイワイしてて本当に楽しそう」っていう……。

「自分だけアウェイじゃないか!」みたいな。

吉岡 そうそう(笑)。役的にも、後々1年続けていくと僕はたくさん絡みますけど、それまではなんだか常に一人でフラフラしてるようなヤツでしたし。ただ彼は子役時代からの経歴もあって、芝居の本番のスイッチの入れ方がとんでもなかったんです。急にワーッと泣き出す演技ができたり。それを目の前で見たときに、「これが役者なんだ」って驚きました。僕はそういう、感情のコントロールがなかなかできなかったんです。

そうすると、ご自身の役づくりはやはり難しかったですか。

吉岡 難しかったですね。我夢って、“喜怒哀楽”というよりも“悩む”キャラクターだったので。例えば怒るっていうときも僕の持ってる怒る、怒鳴るとかとは違う感情なんです。何かを護るために拳を握るというような思考回路。今思うと、喜怒哀楽の表現は難しかったです。

そんな『ガイア』と高山我夢を1年演じてみて、ご自分の成長は実感できましたか。

吉岡 『ガイア』の放送が始まった当時って、ちょうどネットで「2ちゃんねる」が流行りはじめた頃だったんです。で、これを(『ガイア』関連のスレッドを)、つい気になって見ちゃう。

見ちゃいましたか!

吉岡 「この主役はなんなんだ!」って非難とかがもう、スゴかったです。ただ、それを初めの頃に見たことによって「悔しいな」と意識するようにもなりました。なるべく毎回オンエアも観るようにして、「今度は自分がどう映ったらこの感情が伝わるんだろう?」というのを、すごく自分で研究するようになったんです。やっぱりたくさん撮られてるから、それだけ発見するチャンスもいっぱいあって。先輩の方々の演技を見て、「あ、俺もこれやってみよう」となるんです。そうして1年間自分のセリフと芝居、全部を見て自分でダメ出ししながら、成長できたと思います。

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