Interview

特撮俳優物語:地球と呼ばれる光の巨人を演じた「吉岡 毅志」の真実

特撮俳優物語:地球と呼ばれる光の巨人を演じた「吉岡 毅志」の真実

本格的アクションと剣殺陣に挑んだ激動の00年代

『ガイア』が終わって以降のお仕事で、印象に残っている作品などは。

吉岡 そのあと、僕はアクション物にハマるんですよ。というのも、『ガイア』の我夢が、何か事件が起こると解析するアナライザーの役割だったこともあって。我夢はもちろんウルトラマンに変身して戦うんですが、自身がアクションするといったキャラクター設定ではない。そのあたりからの反動もあって、ジークンドーを習ったり、アクション稽古に行ったりして……アクション物の映画で主演を何本かやっています。

代表的なもので『疾風 Basement Fight』(2004年)。『仮面ライダー龍騎』(注10)に出てた松田悟志と、僕と、大谷みつほちゃんという3人が戦っていく作品なんですけど。ブルース・リー的なアクションを自身で演るというものでした。そして、『猿飛佐助 闇の軍団』(2004年)。これは松方弘樹さん、菅原文太さん、千葉真一さんも出てる作品で。共演者に弓削智久、天野浩成(注11)だったり、泉政行(注12)がいたり。特撮界隈の俳優がけっこう出てたんです。この作品で、市瀬秀和くん……『ウルトラマンコスモス』(注13)にも出てた、殺陣のスゴイ人がいるんですけど。その市瀬くんが刀一本で向かってくるのに対して僕は二刀流で戦うというアクションをやりました。

注10:『仮面ライダー龍騎』。2002年~2003年にTV放送された平成仮面ライダーシリーズ第3作。
注11:天野浩成。『仮面ライダー剣(ブレイド)』(2004~2005)橘朔也/仮面ライダーギャレン(声)役、『仮面ライダーフォーゼ』(2011~2012)速水公平/リブラ・ゾディアーツ(声)役などで知られる俳優。
注12:泉政行『仮面ライダー555(ファイズ)』(2003~2004)木場勇治/ホースオルフェノク(声)役で知られる俳優。
注13:『ウルトラマンコスモス』。2001年~2002年にTV放送された平成ウルトラマンシリーズ第4作。

へぇ~……! でも、ガチで殺陣をやるというのは、それまでのお仕事とジャンル的に違うところもありますよね。

吉岡 はい。実は『リボンの騎士』の舞台(2001年)の経験が大きくて……この振付師が新堀和男(注14)さんだったんですよ。ここで新堀さんに殺陣を教えていただいて、鍛えられました。その後、2003年あたりからアクションのお仕事が本格的に入ってきて。『猿飛佐助 闇の軍団』のときはGocooっていうスタントチームに、もう本当にみっちり稽古してもらって。

注14:新堀和男。1970年代より活躍するアクション俳優/アクション監督。『秘密戦隊ゴレンジャー』のアカレンジャー(スーツアクター)役をはじめヒーロー作品に多数出演しているほか、東映特撮作品のアクション監督やさまざまな舞台の殺陣師としても知られる。

アクションって大変ですよね。息もあがるでしょうし、その中でセリフ回したりしなきゃいけなかったり。

吉岡 一番キツかったのは、『青の祓魔師(エクソシスト)』の舞台(2014年『舞台「青の祓魔師」〜青の焔 覚醒編/京都 不浄王編〜』)のときですね。『仮面ライダーディケイド』(2009年)を演っていた井上正大が主役のひとりで、僕が悪の大ボス役だったんですよ。そこで僕と井上のけっこう長い殺陣のシーンがあって……舞台の殺陣のシーンって、カット割りがないから一番キツいんです。しかも僕は強い役だから、息が切れてちゃダメなんですよ。ずっと鼻で呼吸して、なるべく肩を動かさないように立ち回って、ちょっと客席を後ろにしたときに息を大きく吸ったりしながら。

それはキツそうですね。あと、舞台ってロングランで続くじゃないですか。「これはヤバイぞ」という状況になったりしたことはありますか?

吉岡 中日劇場でやった、ウルトラマンのステージ(2008年『ウルトラマンプレミアステージ2』)ですね。最後の公演で、ステージ上でギックリ腰になっちゃったんです。ひととおりアクションをやったあとに、「あれ、動かない、ヤバイ!」と。そのあと、なんとか舞台をハケることはできたものの……最後のカーテンコールではもう、腰が曲がらなかった。それが舞台上では一番大事故だったと思います。

それは大変でしたね……。あと、吉岡さんの経歴の中に個人的に1つすごく気になるお仕事があって。“『メタルギアソリッド4』(2008年、PlayStation®3用ゲームソフト)に出てくるキャラクター「雷電」のモーションアクター”っていう。つまりあの「雷電」の動きを吉岡さんが演じられたということですか?

吉岡 やりました。クルクル回るような激しい動きはもちろんアクションチームがやってるんですけど。当時、モーションキャプチャーの技術がとにかく進化していて、小島さん(小島秀夫。『メタルギア』シリーズなどを手掛けたゲームクリエイター)がぜひ役者さんにお願いしたいと。そのオーディションに行ったら受かって。最初はちょっと抵抗があったんですけどね。

自分自身として出演できるわけではないですからね。当時は、まだ顔の表情のモーションキャプチャーまではついてないですよね?

吉岡 そうですね。でもけっこう細かくカット割りして、芝居を要求されました。結果的には貴重な経験をさせていただけたと思います。

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