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錬金術士の活躍が止まらない『アトリエ』シリーズ20周年記念作品の面白さ

錬金術士の活躍が止まらない『アトリエ』シリーズ20周年記念作品の面白さ

『アトリエ』シリーズの歴代主要キャラクターが集まり、街を発展させていく『ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~』。前回の記事では、錬金術を利用して舞台であるヴェストバルトを発展させていくゲームの流れや、シリーズの垣根を越えたキャラクターたちの交流が描かれたイベントなどを紹介した。今回は、街をより発展させていくために必要な要素や、本作のもうひとつの目的である“グランツヴァイトの樹の調査”でも重要な“研究”について、魅力を交えつつ取り上げていこうと思う。

文 / 長田雄太


さらなる発展のために

ヴェストバルトは発展させていくと人口が増加し、シリーズの主要キャラクターたちも次々とやって来る。それはとてもうれしいことだが、施設を建築できる範囲には限りがあるし、アトリエや施設、栽培地にキャラクターを配置していると毎ターンで雇用費もかかってくる。

▲領主であるネルケの父からの課題内容は、どんどん高い難度になってくる

▲各キャラクターの雇用費は、レベルが上がるほど増加していく

そこで重要になってくるのが、より高額な商品の販売と区画の拡張、新たな区の開拓だ。各お店では商品を1種類ずつしか販売できないため、より高額で販売できるアイテムを錬金術でつくり、商品を更新していく必要がある。また、ストーリーを進めていくと普通のアトリエ→大きなアトリエ→豪華なアトリエと、より大きな施設を建てることが可能に。大きくなったアトリエでは、キャラクターとは別に“妖精さん”を配置できるようになり、アトリエなら一定の確率で調合を依頼したアイテムの作成数が増加することがある。例えば、妖精さんがいる大きなアトリエにアイテムの中和剤・赤を5個発注すると、次のターンで中和剤・赤の在庫数が5個ではなく6個になっている、といった具合だ。しかも、妖精さんのおかげでつくれたアイテムの増加分については必要な材料が消費されないので、非常にお得。妖精さんは大きくしたお店や栽培地にも置くことができ、お店なら商品の販売数、栽培地なら栽培している素材の生産数を一定の確率で増やしてくれるので、アイテムを減らすことなく収入を増やせるといった、より楽な経営が望めるようになる。

▲施設は大きくなるほど建築費がかさむ。より大きな施設を建てるためにも、常に黒字になる街の経営を心掛けたい

▲大きな施設や栽培地は建築に必要な面積も増えるため、小路を一度撤去したりほかの施設を移動させたりと、大きな工事が必要になることも。根気のいる作業だが、自分の手で行うことで「今、街の経営をしている」、「街が大きくなっている」とより実感できるのが面白いところだ

建築範囲については、ひとつの区画が複数のマス目で構成されており、一定以上のマス(面積)が施設などで埋まると“拡張”が可能になる。区画を広げると人口の上限が増えてより多くの人が住むようになり、さらにマスを埋めていくと別の場所に新たな区を“開拓”できる。区画の拡張や新たな区の開拓には、お金や特定のアイテムをつくる必要があるが、そのぶんより多くのお店を建てて収入を増やしたり、大きな施設を建築するための範囲を確保したりと、行えることも増えていくのだ。

▲複数の区を開拓することで、ある区は施設をたくさん建てたり、またある区は栽培地だけののどかな田園風景にしたりと、より自分好みの街づくりが可能となる

ただし、区画を広げるために施設や栽培地を無計画に建てていると、配置するキャラクターが足りなくなり深刻な人員不足に悩まされる。シリーズのキャラクターは、人口が増えていくと少しずつヴェストバルトにやって来て滞在するようになるので、人口や雇えるキャラクターの数を考えつつ街を広げていく必要がある。錬金術の力を使うことで街を短期間で大発展させることが可能だが、緩く構えているとすぐに破綻してしまう。少しシビアなバランスだが、これが街づくりをやり応えのある面白いものにしているのだ。

▲お店や栽培地とは別に、教会や噴水広場、ケーキ屋などの“ランドマーク”が建築できる。ランドマークの建築には素材や大金が必要になるが、お店の売り上げが上昇したりとさまざまな恩恵が得られるうえ、景観にアクセントを加えられるので、余裕があれば建てておきたい

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