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橋本さとし&岸祐二が熱唱&熱演。兄弟愛を軸に描く画家・ゴッホの半生

橋本さとし&岸祐二が熱唱&熱演。兄弟愛を軸に描く画家・ゴッホの半生

橋本さとし&岸祐二が熱唱&熱演。兄弟愛を軸に描く画家・ゴッホの半生

2014年に韓国・ソウルで初演された人気作『ミュージカル「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ」』の日本版が、いよいよ幕を開ける。これは画家であるゴッホの半生が弟のテオとの深い絆を軸に描かれる二人ミュージカルで、上演台本と演出を手がけたのは河原雅彦。キャストは兄のヴィンセントに橋本さとし、弟のテオに岸祐二が扮するのだが、ヴィンセント役で泉見洋平と野島直人、テオ役で上山竜治と入野自由という若手4名も日替わりで登場することでも話題の舞台だ。9月7日の東京公演初日開幕を前に公開された、橋本・岸ペアによるゲネプロを観た。

取材・文 / 田中里津子 撮影 / 桜井隆幸

“背景”として、物語を彩る“小道具”として駆使されるプロジェクション・マッピング

ステージにあるのは机と数脚の椅子、あとは何枚もの白いキャンバスと、それを立てるイーゼル。壁や床、ドアや窓もすべてが白い、シンプルな部屋。開演すると同時にこの部屋全体がスクリーンとなり、ゴッホ作品の特徴的なタッチや色合いで描かれた絵が映し出される。濃い青色、鮮やかな黄色やオレンジ色で描かれた空や街並み。それらが映像として動き出し、まるでゴッホの絵の中、もしくは彼の脳内世界へと連れていかれるような気分になるオープニングだ。 gogh_repo0828 物語は1891年、弟・テオの部屋から始まる。兄・ヴィンセントの回顧展を実現させようとするテオがこれまでの兄との思い出を振り返るという構成で、牧師だった厳格な父と兄との確執、画家を目指しながらも不遇だった様子や自らの耳を切るなどの奇行も含めたゴッホの有名なエピソードが、兄弟の会話や交わした手紙のやりとりを歌詞にした楽曲をたっぷり盛り込みつつ描かれていく。 gogh_repo3831 兄・ヴィンセントを演じる橋本の情熱的で心がこもった歌と豊かな表現力、弟・テオ、そして彼らの父親から友人のゴーギャンなども巧みに演じ分ける岸の演技力と力強い歌声が、なんといってもこの舞台最大の魅力だ。これまで何度も共演経験があり、付き合いも長い二人だけあって兄弟役にはとても説得力があり、声のハーモニーも絶品。
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そこに加えて画期的なのが、“背景”として、また物語を彩る“小道具”としても駆使されるプロジェクション・マッピングの効果だ。背景の映像がストーリー展開や俳優の動きに合わせて動くというのは単純に新鮮でもあり、白いキャンバスに<タンギー爺さん><郵便夫ジョセフ・ルーラン>など見覚えのあるゴッホ作品が次々と映し出されて、名画それぞれのエピソードが劇中に語られるのも楽しかった。またヴィンセントが狂気に陥る場面ではプロジェクション・マッピングを使うからこその独特のパフォーマンスが味わえ、まさに効果倍増だった。 gogh_repo1994t このあと東京公演は9月24日まで紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで上演されるが、おそらくどのキャスト、どの組み合わせで観るかによって、キャリアだけでなく各自の役に対する解釈の違いも反映されるため、各回かなりイメージの違う作品になりそう。観比べてみるのも一興だ。いずれにしても、これまで体験したことのない進化系ミュージカルが味わえることは間違いない。ぜひ、劇場へと足を運んでみてほしい。 gogh_repo2992

ステージ情報

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ミュージカル『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ』

2016年9月7日〜9月24日 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

【STORY】 韓国創作ミュージカルを演出家・河原雅彦が日本版として手がける。 画家・ヴィンセント・ヴァン・ゴッホと、彼を支え続けた弟・テオが交わした約700通もの書簡をもとに彼らの半生を描く二人芝居。

【作】チェ・ユソン 【音楽】ソヌ・ジョンア 【映像】コ・ジュウォン 【上演台本・演出】河原雅彦 【訳詞】森 雪之丞

【キャスト】 橋本さとし 岸 祐二 泉見洋平 野島直人 上山竜治 入野自由 ※本作は、橋本(ヴィンセント役)&岸(テオ役)バージョンのほかに、泉見(ヴィンセント役)&上山(テオ役)、野島(ヴィンセント役)&入野(テオ役)、泉見&入野、野島&上山の4バージョンでも上演される。

【企画・製作】キューブ

『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ』オフィシャルサイト https://musical-gogh.themedia.jp/

≪9月1日プレビュー公演最終リハーサルのダイジェスト映像≫ ※出演俳優は、ヴィンセント役・橋本さとし、テオ役・岸祐二