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『テイルズ オブ ヴェスペリア REMASTER』ユーザーを魅了する完成形RPGの真価

『テイルズ オブ ヴェスペリア REMASTER』ユーザーを魅了する完成形RPGの真価

魅力溢れるキャラクターやそのキャスト(声優)が大好きなライトユーザーから、「ゲームはやり応えあってナンボでしょ」なゲーマー気質のヘビーユーザーまで、幅広いユーザー層を魅了した名作RPGが10年ぶりに最新ハードで蘇った。最新作ではない。レトロゲームでもない。肩書きだけ考えれば中途半端な存在なのかもしれない。しかし、10年まえの名作RPGだからこそ、今おすすめしたい理由があるのだ。先に公開された前編となる記事に続き、今回は『テイルズ オブ ヴェスペリア REMASTER』(以下、『TOVR』)のさらなる魅力を伝えつつ、良き時代のRPGの魅力や歴史的な立ち位置についても述べていこう。

文 / 屋城 敦


お手軽コンボを覚えてサクサク冒険

バトルは『TOVR』の半分を占める要素。難易度ノーマルでプレイしていれば、クリアーまでに1000回近くこなすことになる。コンボのつなげかたにさえ慣れてしまえば、アクションがそこまで得意でない人もそれなりに上手く、カッコよくプレイできてしまうのが面白いところだ。上級者になると、“キャンセルプラス”などのスキルや“スキル変化技”といった要素も組み込んで、さらなる多段ヒットを目指せるという底の知れない奥深さもたまらない。また、ボス以外の敵なら一撃で葬り去ることができる実用性満点の“フェイタルストライク”や、カットインが挿入されるなど見た目がとにかくハデな“秘奥義”もあり、それらを狙って出せるようになると本当に楽しくなる。

▲ランダム性が強くて若干扱いづらいが、プレイしていて楽しいのがPlayStation®3版から追加されたキャラクターのパティ。なんと、バトル中にロケットに乗ってどこかへ飛んでいってしまう技(しばらくすると何らかの効果をもたらし帰ってくる)もあるのだ

先述のとおり、アクションが苦手な人にも簡単に使えて、見た目も実用性もすぐれたコンボを堪能できるのが『TOVR』のいいところ。特におすすめなのは、もっとも使いやすく、強力なキャラクターのユーリが繰り出す各種コンボだ。まずは、通常攻撃×3~5→円閃牙→爪竜連牙斬。この繰り返しだけで、空中戦以外のあらゆる戦いに対応できる。隙が小さいのでコンボ中に敵に割り込まれにくく、しかもヒット数が多いのでとにかく気持ちいい。ボス戦でもひたすらこれを使っていればいいくらいだ。円閃牙はレベル26、爪竜連牙斬はレベル22で習得するので、だいたい幽霊船アーセルム号あたりから使えるようになるはず。

▲ふたつの技でTPを31も消費するが、攻撃が全部当たると20コンボ近くにもなるので、実質消費は10ちょっとで済む。何より出していて気持ちいい!

そしてもうひとつ。スピードが魅力のラピードのコンボ、流影牙→閃空烈破もおすすめ。これもひたすら繰り返すだけでいい、誰でも使いこなせるコンボとなっている。ふたつの技が、いずれも青の“フェイタルストライク”耐久値を減らすものというのがコンボのキモで、数回当てればもうフェイタルストライクが発動可能になる。これを発動させれば、ボス以外の敵ならどんなにHPがあっても一撃で倒せるので、特にゲーム後半で重宝する。そしてこちらも、フェイタルストライク発動時の快感がたまらないのでクセになる。ただ、ヒット数が少ないのでTP消費量から見るとコストは高い。

▲こちらもレベル26で使用可能になるコンボ。ラピードもかなり操作しやすい部類のキャラクターなので、ぜひ使ってみてほしい

これらのオススメコンボは、10年まえにオリジナル版『TOV』をプレイしていたユーザーたちが研究、検証を繰り返して編み出し、ネットでの意見交換を通じてファンに浸透していったものなのだが、一連のアプローチがじつに格闘ゲームっぽい。本作には大量に用意された術技(もっとも使われるであろうユーリだけで30以上ある)、それらの連携をサポートする装備やスキルがあり、自由に組み合わせて戦うことができるため、バリエーションだけでもとんでもない数になる。誰かが敵のタイプに合わせてコンボを開発しネット上で披露すると、それに対して他のユーザーが意見をしたり、また別のコンボを提示したりして競うように有効なコンボ開発が進んでいった。コンビニの新商品の開発競争のような激しさがあり、それを眺めているのは面白いし、自分でもオリジナルのコンボを編み出してそれで戦うのもなかなか楽しい。このように他のRPGよりもユーザー間の交流が多く、攻略テクニックを始めとした情報が得やすかったのも特徴だと言える。このあたり、ソーシャルゲームにも通じるものがあってプレイしやすさを感じる人もいることだろう。

▲使えるコンボを活用していけば、ほとんどのバトルをほぼ無傷で乗り切れるようになる。わかりやすく上達が感じられるのでバトルがより楽しくなるぞ

見た目が変化する“お遊び”的な要素が多いのも特徴だ。衣装をチェンジすることができるだけでなく、武器もそれぞれ異なるグラフィックが設定されており、なかには“スルメ”や“ネコじゃらし”のようなユニークな外見のものもある。衣装や武器をチェンジすると、アニメムービーを除くすべての場面でその姿が反映されるので、いろいろ試してみると面白い。ただし、シリアスなシーンでふざけすぎた恰好をさせると台無しになってしまうこともあるので、ほどほどに。

▲メイド服でデッキブラシを持たせてバトルなんてことも。じつは、デッキブラシはとても強い装備だったりする

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