Interview

『とある魔術の禁書目録』『ダンまち』… 声優・井口裕香、自身ゆかりの2大ヒット作への関わりと最新楽曲を語る

『とある魔術の禁書目録』『ダンまち』… 声優・井口裕香、自身ゆかりの2大ヒット作への関わりと最新楽曲を語る

2017年にアーティスト・デビュー5周年という節目を迎え、充実した1年を過ごした井口裕香。2017年から続く全国各地をまわったファンミーティングに始まり、ワンマン・ライブのほかに国内外数々のフェス出演、さらに年末にはアコースティック・セットでのクリスマス・ライブと、ライブだけでもあらたなチャレンジが見て取れた1年だった。

その締めくくりとして自身初の2枚同時リリースとなったニュー・シングル「終わらない歌」「おなじ空の下で」で、彼女は何を想い、歌ったのか。『とある魔術の禁書目録』と『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』という自身にもゆかりの深い作品の楽曲から見る井口裕香の現在、そしてすでにスタートを切っている7年目という未来に向けて話を聞いた。

取材・文 / 澄川龍一


アーティスト活動5周年プロジェクトを締めくくったクリスマスライブ

アーティスト活動5周年となった一昨年からを振り返っていかがでしたか?

井口裕香 振り返るといろんなことをさせていただきましたね。

2018年の締めくくりは、クリスマス・ライブ。こちらも盛り上がりましたね!

井口 しかもアコースティック・セットという。いやあ楽しかった!

井口さんのライブでこうした構成は新鮮なだけに、ステージ上の井口さんと、それを見守るお客さんの、独特な緊張感が印象的でした。

井口 そう! ドキドキ感、探る感じ(笑)。今回クリスマス・ライブは(2017~18年に行った)ファンミーティングに近い感じで、250人ぐらいのコンパクトな会場で距離も近くて……というライブでした。チケットもいろんな方たちがクリスマスに予定を空けてくださって、応募してくださったのもあって、倍率もそこそこあったんです。なかには初めて私のライブに初めて来てくださるのもたくさんいたみたいです。

私を応援してくださる方たちはいい人たちばかりで、それもあって私が戸惑ったら一緒に戸惑うみたいな(笑)。一緒にドキドキして一緒に楽しんでっていう気持ちを共有してくれる方たちばかりなので、それも幸せだなって噛み締めながら、穏やかで温かい時間を過ごせました。

またアレンジも一風変わっていて、実際に井口さんが歌い出すまで、なんの曲かわからないぐらいで。

井口 そう、それはちょっと狙っていました。

そんななかパフォーマンスする井口さんも心持ちとしては普段とは違っていた?

井口 違いましたね。イヤモニもせず同期もなくクリックもなかったし。ステージ上のメンバーから出てくる音だけで出来上がるライブ……というか、そもそもバンドさんとやる経験もそこまでないので私も手探りでしたが、すごくいい経験ができたし、昼・夜公演とやって「楽しかった」って思って終えられたのは本当によかったと思います。

ギター、キーボード、バイオリンという構成で、井口さんもメンバーとコミュニケーションを積極的にとっている姿が印象的でした。

井口 リハでも繰り返し一緒にやっていたメンバーで仲も良かったんですけど、私ひとりじゃできないステージで、それを支えてくださっているメンバーみなさんの魅力もお伝えしつつ、楽しいアットホームなステージにしたいなと思っていました。なのでメンバーにも積極的に無茶振りを交えつつ(笑)。

MCは台本もなくその場の雰囲気でメンバーと喋っていたんですね(笑)。

井口 はい、台本はなかったですね(笑)。

あとは、井口さんのフェイバリットであるNEWSのカバーもありつつ。

井口 アコースティック・ライブで真っ先にやりたかったのがカバーなので、そこで大好きなNEWSのカバーできたので……あれは味をしめましたね(笑)。

今後も期待しています(笑)。さて、そんなライブと並行して、年末年始はニュー・シングルのレコーディングをしていたんですよね。

井口 そうなんです。2019年もレコーディングから仕事始めでした。2018年はクリスマス・ライブで終わりつつ、区切ることなく2019年に臨めたので……まさに“終わらない歌”ですね!(笑)。

インデックスと当麻の歌でありつつ、いろんなキャラクターたちの想いが歌詞に入っているなって

うまい具合にシングルの話に繋げましたが、今回は「終わらない歌」と「おなじ空の下で」の2枚同時リリースとなりました。しかし、2枚分の制作となると作業量も単純に……。

井口 倍になるということです。「おなじ空の下で」のほうが制作は先に始めていて、カップリングの「Treasure」は去年の春ぐらいに録っていたんですね。ふたつを同時進行というのは初めてでしたけど、いい感じにライブで2018年が終わり、その楽しかった気持ちや感覚を持って熱が冷めないうちに2019年のレコーディングが始まったんですね。なので、歌も声優のお仕事もチャレンジしていけるのかな、新しいことができる一年になったらいいかなってワクワクして制作できましたね。

まずは「終わらない歌」ですが、この曲は前作「革命前夜」に続いてTVアニメ『とある魔術の禁書目録Ⅲ』の新EDテーマとなっています。

井口 2クールという長い作品だからできる挑戦なのかなって思います。「革命前夜」のときは、長く続いている作品で久しぶりのインデックスでドキドキしながらのアフレコがあって、初めてのエンディング主題歌という緊張もありました。今回は順調にアフレコも進んで物語の流れもキャラクターも増えてきて、現場の雰囲気も、アニメの視聴者のみなさんのリアクションも感じたうえで制作に迎えたのはすごく大きいというか。

「革命前夜」ではインデックスを思わせる強さや優しさが感じられるサウンドや歌唱でしたが、「終わらない歌」ではいかがでしたか?

井口 やっぱり私としては当麻とインデックスの関係性という目線で見がちなんですけど、「革命前夜」も「終わらない歌」もインデックスと当麻の歌でありつつ、いろんなキャラクターたちの想いが歌詞に入っているなと思っていて。キャラソンではないので毎回気をつけていることなんですが、インデックスだけではなく作品全体のことを偏らずに歌えたらなってレコーディングしました。

そんななか井口さんのボーカルは、力強さを感じさせる「革命前夜」とはまたアプローチが異なる印象です。

井口 当麻を見守るインデックスという、凛とした女性を感じられるのが「革命前夜」で、「終わらない歌」は包み込むだけじゃなくて一緒に歩んでいくような、前向きな光が感じられる曲だと思っています。“1人じゃない”っていう歌詞も、ここから先当麻ひとりが頑張るのではなくて、ほかのキャラクターたちと協力していくという場面が増えていくので、そういうところにも当てはまるのかなって思います。

実際のレコーディングのときは、どんな歌い方を心がけましたか?

井口 まずは気負わずに、っていう感じですね。でもこの曲も……難しかったんですよ。明るい曲だから前向きに歌いたいけど、AメロBメロの気持ちで切なげな歌詞に引っ張られると、サビも切なくなってっちゃうんですよ。「違う違う、もっと温かいほうを見なきゃ!」っていう気持ちの組み立てには時間がかかりました。「革命前夜」のように凛々しく前を向いて戦うというよりは、自然体で力を抜いてなるべく歌うことを意識しましたね。

『禁書目録Ⅲ』も2クール目に入って怒涛の展開を見せていますし、そのなかで流れる「終わらない歌」がどう聴こえるか、というのもきになるところです。

井口 ちょうど今日『禁書目録』のアフレコがあったんですけど、とにかくクライマックスに向けて内容が盛りだくさんなんですよ。この先当麻も視聴者のみなさんも“1人じゃない”って思える瞬間がどんどん出てくると思うので、ぜひアニメーション含めてどんな感じで「終わらない歌」が流れるのか楽しんでいただければと思います。

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