Interview

大原櫻子が5年間の“ありがとう”を込めた初のベストアルバム『CAM-ON!~5th Anniversary Best~』

大原櫻子が5年間の“ありがとう”を込めた初のベストアルバム『CAM-ON!~5th Anniversary Best~』

主演映画『カノジョは嘘を愛しすぎている』(通称:カノ嘘)の劇中バンド、MUSH&Co.のボーカルとしてシングル「明日も」(2013年12月4日発売)で女優&歌手デビューしてから5年。今年1月に23歳の誕生日を迎えた大原櫻子が、自身が選曲した23曲とデビュー映画の人気曲を新録した3曲を含む全23曲入りの初のベストアルバム『CAM-ON!~5th Anniversary Best~』をリリースした。
昨年6月には3rdアルバム『Enjoy』をリリースし、全国ツアーを開催。ミュージカル『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』、新感線☆RS『メタルマクベス』disc2という2本の舞台にも出演し、現在は戸田恵梨香とのW主演を務めている映画『あの日のオルガン』が公開中。シンガー、女優、ミュージカルと多方面で活躍する彼女に5年間を振り返ってもらった。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 冨田望

すごく濃厚な5年間。本当に感謝感謝です

まずは、ベストを出す心境から聞かせてください。

嬉しいっていうひと言ですね。「CAM ON!」っていうタイトルにしたのも、ベトナム語で“ありがとう”っていう意味で、音読みだと英語の“カモン”とも読めて“こっちにおいでよ”と2つの意味を表現できて。“ありがとう”をいろいろ調べていたら出てきたんですけど、この言葉に出会ったのは大きいなと思っています。まず、“ありがとう”を伝えたいなと思っていたので、こういうタイトルを名付けたんです。

ベスト盤のタイトルを考えたときに、最初に“ありがとう”っていう言葉を伝えたいと思いました?

そうですね。ファンの人だけではなくて、応援してくれてるすべての人に伝えたい言葉を考えていて。“ありがとう”か、もしくは、ここからのスタート的な、未来に繋がるような言葉がいいなと思っていたので。だから、ツアーのタイトルに「〜FROM NOW ON!〜」と付けているのは、“これからも”っていう意味ですね。

大原櫻子名義でのデビューシングルも「サンキュー。」でしたね。

いい意味で、意味合いは変わっていないのかなと思います。ただ、より深くはなっていますね。自分で考えてみても、なかなか同じ人を5年間、応援し続けるってすごく体力がいることだなと思うので、本当に感謝感謝です。

映画公開から5年経ったことに関してはどう感じてます?

とにかくありがたいなって。本当にすごく濃厚な5年間だったんですよね。だから、早かったと言えば早かったですけど、自分としてはまだまだ未熟なところが多いので、まだ5年だなっていう感じです。でも5年やってきて、今、「5年目です」って言えるのはすごく嬉しいですし、6年、7年、10年、20年って、節々で感謝を言い続けていきたいなって思います。

ご自身で振り返ってみて、どんな5年間でした?

なかなかできない経験をさせてもらったと思っています。私、大学にも行かせてもらったんですよ。学生生活としても新しい扉を開いて、卒業までさせてもらえたことも大きくて。学生の自分としても、仕事をする自分としても、濃すぎる5年だったなって思います。

特に印象的な出来事を挙げるとすると?

たくさんありますけど……やっぱりまず、「カノ嘘」のオーディションに受かったこと。初めてテレビで「ヒロインが大原櫻子という女の子に決まりました」って放送される日があったんですけど、世の中に初めて自分が出るっていうことにドキドキしてて、そのテレビを観るために朝5時に起きたんですよ。しかも、「オーディションを受けたら」って私に勧めてくれた子にもその日まで何も言えずにいたので、朝イチで「実はオーディションに受かったの」っていう電話をして。あの慌ただしい一日は忘れられないですね。

当時、5年後の自分は想像してました?

「どうなるんだろう?」とは漠然と考えていましたけど、想像まではできなかったですね。オーディションに受かった頃は、まだ音楽活動をするっていうことも決まっていなかったので、自分がこれからどういう立ち位置で活動していくのかもわからないままで。とにかく未知でしたし、まずは「カノ嘘」の撮影を頑張ることしか考えていなかったです。

映画は大ヒットし、劇中バンドのMUSH&Co.としてのデビュー曲「明日も」もヒットしました。すごく順調なスタートを切った印象ですが、内心はどう感じてました?

完成披露の舞台挨拶に立ったときとか、すごく変な感じでしたね。お客さんがいっぱいいるんだけど、もうアウェイでしかないというか。だって、ほかのキャストの方にはファンがいて(笑)。

当たり前じゃないですか、そのときの大原さんはまだ新人なんですから(笑)。けどそこで、佐藤 健さんや三浦翔平さん、窪田正孝さんらと並んで。

まず、そんなスターの方と一緒に道を歩くことが不思議でしたし、最初は「私でいいんだろうか?」っていうことをずっと思っていましたね。でもそのあと、いろんな仕事をさせてもらえるようになって、どんどん責任感が出てきて。責任感と同時に、自分のやりたいことも出てきて、ナヨナヨはできなくなったので、気持ち的にもすごく強くなった気はしています。

生で何かを伝える、嘘のない世界が好き

どこかで、自分のやりたいことが明確になった転換期がありました?

やっぱり初めてツアーをやったときかな。私は生で何かを届けることが好きだなと思ったので。CDとか映像とか、フィルターを通した作品ももちろん大事だし、素敵なものだと思うんですけど、生で何かを伝える、嘘のない世界が好きだなと。それをツアーで実感して、かつ、舞台をやらせていただくようになったことも大きかったです。めちゃくちゃ厳しい世界ですけど、やっぱり舞台という場でしか鍛えられないことって本当にたくさんあるなということを実感する日々ですね。

ちなみに、昨年の『メタルマクベス』disc2ではどんなことを感じましたか?

いろんな舞台、いろんな仕事をさせていただいた中でも、とてつもなく大きな壁を与えられて。それをひとつ乗り越えられたかなっていう感覚が今はあります。

それは、どんな壁でした?

一公演4時間もある舞台で精神的にも体力的にも鍛えられました。改めてお芝居の幅というか、演技力も鍛えられたと思います。とても大きい壁でしたけど、いい経験だったなって思います。

前半はコメディもあり、メタルロックを歌うシーンもあって、次第に狂気に触れていく大変な役柄だったと思いますが、大原さんは舞台に出てきた瞬間に華やかさを感じるんですよね。それはツアーでも同じですが、いつも眩しいエネルギーを放出されているのを感じてます。

本当ですか? ありがとうございます!

ファンの方が喜んでくれる顔をずっとイメージしていた

話をベスト盤に戻しますと、本作は23歳になった大原さんが23曲を選んだということですが、どんな基準で選曲しましたか?

ファンの方が喜んでくれる顔をずっとイメージしていたので、ライヴで盛り上がる曲というか、お客さんが笑顔で一緒に乗ってくれる楽曲を中心に考えました。“ありがとう”という意味が含まれているベスト盤なので、「サンキュー。」から始めるのはどうかなと思って、私なりにバランスを考えて組み立てていきました。

〈Disc-1〉の3曲目が大原家の定番を歌った「のり巻きおにぎり」って早くないですか?

あはは。いいんです! 私の素の性格を知ってもらえたらいいなと思って、早めに用意しました(笑)。聴かせる曲は後半にしたいなと思ったので、「私はこうだから!」っていうのを先に出していこうと思って。

シングル曲以外でこだわって入れた曲はありますか?

うーん……「Joy&Joy」は絶対に入れたいなと思っていました。最新アルバム『Enjoy!』に入ってる曲なんですけど、5年目にしてやっと歌えるようになったというか、今の自分を見てもらいたいっていう気持ちがあって。ベスト盤を通して聴いたときに、「この曲だけ曲調がなんか違うな」とも思ってもらいたかったし、それが、「最近の曲なんだ」って思ってもらえたらいいなって。いろんな楽曲との違いを楽しめるんじゃないかと思って入れました。

EDMになっているので驚く人も多いかもしれないですね。〈Disc-2〉では?

こっちも3曲目に大好きな砂肝への想いを歌った「いとしのギーモ」が入ってますけど(笑)、〈Disc-2〉のほうがよりライヴっぽい感じですね。熱くなれるような曲順にしています。

「Jet Set Music!」「READY GO!」はまさにライヴの定番曲ですが、今はもっとオラつく盛り上がり曲になってますよね。

そうですね。今のライヴで聴く曲の雰囲気と音源は違うと思います。だけど、前はこんなに可愛らしく歌ってたんだなって感じも面白いのかなと思って(笑)。

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