Interview

FINLANDS よりバンド感を深めた新作のサウンドはしかし、なぜこんなにも切なく響くのか?

FINLANDS よりバンド感を深めた新作のサウンドはしかし、なぜこんなにも切なく響くのか?

前作も前々作もずうっとそうですけど、一つ何かテーマがあって、この「UTOPIA」では絶対的な孤独ということで。

ところで、FINLANDSは、暇な時間にガールズトーク的な話で盛り上がったりすることはあるんですか。

コシミズ ありますよ。もちろんバンドの話もしますけど、二人でいるときはけっこうお互いのプライベートな話もしますし。

そういうコシミズさんから見て、この4曲の中に塩入さんらしさと言うか、塩入さんならではだなと思うところはありますか。

コシミズ 一瞬気が抜けるとぬるま湯に浸かっているような感覚になると思うんですけど、「UTOPIA」の歌詞を聴いて、「ぬるま湯に浸かってるんじゃねぇぞ!」って自分たちに対する戒めのようにも受け取れるなと思ったんです。『BI』のツアーが終わった時に、満足感とともに“まだやれるぞ”と思ったという話がありましたけど、満足した時に一瞬ぬるま湯に浸かった感があったのを立て直すぞ!みたいな感じを私は受けました。

「衛星」はサポートの二人の要素もよく表現されている曲という話がありましたが、僕は「天涯」のギター・ソロもすごくいいなと思いました。この曲はどういうふうに生まれた曲ですか。

塩入 「天涯」という曲は、7年前くらいに作った曲で、1 stアルバムに収録した曲です。私はCDを作る前に自分がそれまでやって曲を聴くことがけっこうあるんですけど、その中で「天涯」をすごく久しぶりに聴いて、この3曲に合うなと思って。この曲の主人公はすごく独りよがりだなあと思ったんですよ。自分のことを好きになれない余りに他人に執着することがすごくあって、そういう独りよがりな孤独感が、他の3曲が描いているいろんな種類の孤独にマッチしていると思ったので選びました。

とすると、その時点でこのEPのテーマというか、基本にあるトーンとしては主人公の孤独ということになると思っていたわけですね。

塩入 そうですね。それは、特に出来上がってから強く感じました。

そういう作品を作ってしまったことについては、どんなふうに感じましたか。

塩入 前作も前々作もずうっとそうですけど、一つ何かテーマがあって、それはきっとその年齢でその時期に自分が気になって対峙していることだと思うんです。前作は二面性ということで、この「UTOPIA」では絶対的な孤独ということで、ただその絶対的な孤独というのは悪いものでもなくて、だからこそちゃんと対峙しようと思って考えついたテーマだろうし、だから対峙しなきゃいけないものというのは年々変わって来るんですよね。気づくだけかもしれないですけど。それでも、その記録を残していけば、後で答え合わせみたいなこともできると思うし。だから、今この年齢でこういう作品を作れたことは良かったなと思います。

対峙する対象が変わっていくのと同様に、対峙することの先に塩入さんが求めていることも変わってきているんじゃないですか。

塩入 今は、必ずしも意味を求めたり、具体的に乗り越えなきゃいけないという気持ちはなくて、ただ理解はしていたほうがいいだろうとは思っているんです。どんなことでも、理解すれば恐ろしくなくなるということがあると思っていて、答えが見つからなかったとしても、考えることによって少しずつ理解はできてくるんですよね。その事柄が自分のなかに落とし込まれていくというか。そういうことが大切なんじゃないかなと今は思っています。

リリース後には、ツーマン・ツアーが決定しています。3、4組での対バンではなくて、ツーマン・ツアーとなると1対1ですから、特に意気込んだり、逆に相手のことを考えたりすることもあるんじゃないですか。

コシミズ 『BI』のツアーの時はワンマンを各地で組んだりもしたんですが、そこでFINLANDSのライブを見にきてくれる人たちがありがたいことにすごく増えたなと感じているんですね。そういうなかで敢えてツーマンでやるということを聞いた時には“ワンマンでいいんじゃないかな”と一瞬思ったんですけど、でもよく考えてみると確かに敢えてツーマンをやるのは面白そうだなと思いました。しかも、意外性のある方たちに集まってもらったので、どういう空気感のライブになるのか、今までにない楽しみも感じています。

塩入 ツーマン・ライブでないと出ない熱量というのはやっぱりあると思うんです。ワンマンは最初から最後まで全部、自分たちだけでやりきるわけですけど、ツーマンは自分たちの要素だけでなく、相手の要素もいただいて作り上げるものなので、我々の熱量もきっと化学変化的に変わっていくと思うんです。そういったところを見ていただきたいなと思いますね。

FINLANDSのツアーだから、出番は必ずFINLANDSが後になるんだと思いますが、そのことについてはいかがですか。

塩入 相手の素晴らしいライブを見て、その直後に出ていくというのは、先にやるよりもプレッシャーが大きいと思うんです。ただ、それは心地良い緊張感であるかもしれないですし、そういった意味でももっと強くなれるんじゃないかなと思っています。

では、5本目の東京公演時にはいっそうたくましくなったFINLANDSを見ることができそうですね。

塩入 ツアーは5本だけですが、その他にもたくさんライブをやるので、相当たくましくなって東京に戻ってくると思います。

期待しています。ありがとうございました。

その他のFINLANDSの作品はこちらへ。

ライブ情報

“UTOPIA ツーマンツアー”
3月15日(金)福岡Queblick W:TENDOUJI
3月19日(火)大阪JANUS W:Wienners
3月21日(木・祝)愛知・名古屋JAMIN W:マイアミパーティ
3月30日(土)宮城・仙台 HOOK W:THE イナズマ戦隊
4月10日(水)東京・渋谷クラブクアトロ W:indigo la End

FINLANDS

塩入冬湖(Vo、Gt)とコシミズカヨ(Ba、Cho)からなる女性ロック・バンド。全国各地で話題のフェスやイベント、大型サーキットフェスに多数出演。エモーショナルなライブには定評があり、2017年は出演したサーキットフェス全てで入場規制となった。2015年に『ULTRA』『JET』と2枚のミニアルバムを、また2016年にはフルアルバム『PAPER』をリリース。『JET』収録の「さよならプロペラ」は北海道日本ハムファイターズのテレビCMに起用され流など、ポピュラリティも併せ持つ。2018年のフルアルバム『BI』リリース・ツアーのワンマン・ライブは、渋谷クラブクアトロを始め、追加公演も含め全てソールドアウトさせた。

オフィシャルサイト
http://finlands.pepper.jp

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