Review

プレイヤーは見た!『キャサリン・フルボディ』愛憎渦巻く四角関係の修羅場サスペンス

プレイヤーは見た!『キャサリン・フルボディ』愛憎渦巻く四角関係の修羅場サスペンス

より遊びやすくなったアクションパズル

ヴィンセントが見る悪夢のなかで毎夜行われるブロック登り、これがアクションパズルのパートです。
積まれた石を押したり引いたりして階段状の足場を作り、それを登りながら頂上の扉まで到達できればヴィンセントの勝ちで、翌朝も生きることができます。ここで死んでしまうとリアルの世界でも死んでしまうという、命を懸けたゲームです。前作『キャサリン』では結構難しかった印象のアクションパズルですが、今回は“Easy”、“Normal”、“Hard”という既存の難易度に加え、“Safety”という時間制限はなく罠も発動せず絶対にゲームオーバーにならない……それに加え、なんとアクションパズルパートそのものをスキップすることもできるという、驚きの難易度が追加されました。

▲オートプレイでサクサクと登っていくヴィンセントを眺めるのも楽しいです

さらに“Safety”に限らず、R1ボタンを押すことでオートプレイが可能。そんなのアリ!? とびっくりはしましたが、実際にオートプレイを試してみると、なかなかこれが使える機能なんです。攻略に行き詰まったときにはプレイの参考にできます。特にマルチエンディングの本作では、別エンディング到達を目指すためすでにプレイしたところを飛ばしたい場合、アクションパズルパートで頭を使うことなく次のストーリーを見たい場合……そんな、さまざまなプレイスタイルに対応できるのです。オートプレイは途中で停止することもできるので、どうしても越えられない箇所をオートでクリアして、その後は自分でプレイする、ということもできます。アクションパズルパートのスコアがエンディングの分岐に影響することはなく、とにかくクリアしさえすればOKですから、アクションパズルをやり込みたい人はじっくりと、とにかく早くストーリーの続きを見たい人はさらっと飛ばして……好きな配分でゲームを組み立てられます。オートプレイでひとつ注意しなければならないのは、おそらく最短の手数でのクリアとなるので、進路上にないアイテムや金塊、コインはスルーしてしまうということ。スコアを稼ぎたい、コインをたくさん集めたい、という場合は自分でプレイしましょう。

▲繋がった宝石のようなブロックが特徴的な “Arrange”

動かすブロックの形についても、今作では“Standard”、“Arrange”の2種類から選ぶことができます。 Standardが前作と同じ仕様になるので、今回は繋がったブロックが登場するArrangeを先に選んでみました。両方遊んだ印象は、個人的に難度は両者大差ないと感じたものの、繋がったブロックが含まれていることで動かしかたのポイントは多少変わるかと思います。Arrangeは、大胆に大きなブロックを動かして一気に階段を作れる気持ちよさがあるので、ぜひどちらもプレイしてみてください。そして、腕に自信のあるプレイヤーは、チェックポイントというインターバルなしのチャレンジモード“Babel”、オンライン対戦モードの“Online Arena”にもぜひ挑戦を。

▲使えるテクニックについては、ステージとステージの合間にある踊り場で羊たちが研究しています。彼らの会話に加わると、いろいろな技を知ることができます

ブロックが辺と辺で繋がること、ふちを掴んで他のブロックに水平移動できることなど、石自体の特性は基本。これを踏まえて、何度か乗ると壊れたり、つるつる滑ったり、罠が仕掛けられていたりという特殊ブロックの効果などを理解して、ときには利用しながら臨機応変に登っていくこと。カッチリ決まった攻略法が存在せず、プレイヤーの工夫やひらめきで何通りもの道が作り出せること。これらが、アクションパズルパートの面白さだと思います。素早く美しい流れで足場を組み、見事登り切ったときの達成感は格別。ゲーム中のヴィンセントと一緒に、思わずガッツポーズをしてしまうのです。先ほど、アクションパズルパートのスコアがストーリーのルート分岐に関係することはないと書きましたが、ステージとステージの合間に訪れる“告解室”での選択は、大いに関係します。

▲「特殊なプレイに興味がある?」という質問。うーんわかりませんねえ、私には何のことだかサッパリ……

謎の“大いなる存在”から二択の質問が出され、どちらかを選ばなくてはなりません。選んだ結果によって中央から青と赤に分かれたメーターの針が左右に振れ、このメーターがどうなるかによって、主人公の身の振りかたや周囲への反応が変化していきます。このほかにも、はっきりとしたルート分岐の決め手になる質問がありますから、慎重に選びましょう。新キャラクター“リン”のエンディングに分岐させるのが一番難しいです。キャラクターの性格に寄り添った回答を心がけると、リンとの未来へ道が開けるでしょう。
既存のストーリーに新キャラクターのストーリーを組み込む、という大胆なリメイクを施した『キャサリン・フルボディ』は、新キャラクター・リンとのエンディングもかなりブッ飛んでいて、正直全く予想できませんでした。いや、正直に言うと、リンの正体までは予想できた……というかトレーラーなどで匂わされていたのでなんとなくわかっていたのですが、エンディングの展開まで予想できた人はほとんどいないのではないでしょうか。ヴィンセントの彼女である眼鏡キャサリン、理想の金髪美女キャサリンはどちらも一筋縄ではいかない魅力的なキャラクターですが、リンもそれに負けない個性と魅力を兼ね備えたキャラクターです。現実的でシビアな描写がメインとなる本作のなかで、リンのシナリオはやや浮いて見えるという感じも少ししますが、しかしそれこそがリンの魅力であり……というか、リンの本質から言うと、“そうでなくてはならない”のです。これ以上はネタバレになるのでコメントを控えますね。眼鏡キャサリンとの過去、修羅場の描写、エンディングの変化など、眼鏡キャサリンと金髪キャサリンについてもムービーがいくつか追加されています。キャラクターの魅力をもっと知ることができ、きっと前より板挟みの悩みは深くなるでしょう……。

筆者は女性で、よりヒロインたちの立場に近いからなのかもしれませんが、優柔不断ゆえにキャサリン(たち)を傷つけてしまうヴィンセントには、ずっと釈然としない気持ちを持っていました。実は今でも少し同じ気持ちです。しかし、3人のキャサリンのなかで迷い苦しみ、自身の道を生きるヴィンセントの姿をエンディングまで見届けて、自分はどう考えどう生きるのか、という幾通りもの可能性を示したヴィンセントというキャラクターは、やはり魅力的だとも感じました。打算的だったり、その場の感情に流され後悔したり、嘘をついてしまったり。決してスマートにいかないのが、人生なのかもしれないですね。

フォトギャラリー

■タイトル:キャサリン・フルボディ
■メーカー:アトラス
■対応ハード:PlayStation®4、PlayStation®Vita
■ジャンル:アクションパズル・アドベンチャー

■対象年齢:15歳以上対象
■発売日:発売中(2019年2月14日)
■価格:通常版(パッケージ版・ダウンロード版) 7,980円+税

PlayStation®4版

PlayStation®Vita版

『キャサリン・フルボディ』オフィシャルサイト

©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

< 1 2