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杉山真宏や岸本勇太らが新たな“Kステ”をつくり上げる。舞台『K -RETURN OF KINGS-』開幕

杉山真宏や岸本勇太らが新たな“Kステ”をつくり上げる。舞台『K -RETURN OF KINGS-』開幕

3月1日(金)東京・天王洲 銀河劇場にて、舞台『K -RETURN OF KINGS-』が開幕した。原作は7人からなる作家集団「GoRA」と実力派スタジオ「GoHands」によるオリジナルアニメ。2012年10月に放送開始したTVアニメ第1期より独特の世界観とミステリアスなストーリーが話題を呼び、昨年2018年にも新作が公開されるなど、今も人気を誇っている。
舞台シリーズは今作が第5弾。TVアニメ第2期「K RETURN OF KINGS」の舞台化となり、お馴染みのキャラクターに加えて新キャラクターたちが続々登場して、大きな対決の時を迎える。
新キャストの伊佐那社 役・杉山真宏や夜刀神狗朗 役・岸本勇太をはじめ、本シリーズを支えてきたキャストたちがずらりと揃って登壇した囲み会見のコメントと、初日直前に行われたゲネプロの模様をレポートする。

取材・文・撮影 / 片桐ユウ

いろんな色が絡まり合った乱戦が見どころ

「K」の舞台化は2014年8月の初演以降、2017年10月までに計4作品が上演されている、長く愛されているシリーズだ。今作はメインキャラクターに新キャストたちを迎えて、激動の展開となるTVアニメ第2期「K RETURN OF KINGS」の世界を描く。

ステージ上で行われた囲み会見には、伊佐那社 役・杉山真宏、夜刀神狗朗 役・岸本勇太、ネコ 役・柴 小聖、櫛名アンナ 役・桑江咲菜、草薙出雲 役・寿里、八田美咲 役・椎名鯛造、鎌本力夫 役・高田 誠、宗像礼司 役・小野健斗、淡島世理 役・茉莉邑薫、伏見猿比古 役・木戸邑弥、比水流 役・吉高志音、御芍神紫 役・佐々木喜英、磐舟天鶏 役・和泉宗兵、五條スクナ 役・とまん、メインキャスト14名が登壇した。

まずは新キャストとして伊佐那社 役に臨む杉山真宏が「本作の見どころはシロ(伊佐那社)が帰還することと、それを迎え入れてくれるクロ(夜刀神狗朗)やネコ、そこから動き出す物語です。そして《緑のクラン》の全貌が明らかになるので、それも注目ポイントだと思っています」と、見どころを明かす。
杉山と同じく、新たに夜刀神狗朗 役を演じる岸本勇太も「各《クラン》内の対人関係と、《白銀のクラン》としてはシロの帰還が見どころかなと思います。個人的には御芍神紫との殺陣シーンも見どころだと思っております!」と、作品・クランズマン・キャラクターとしての見せ場をアピールした。
前作からネコ 役を演じている柴 小聖は「今作はやっとシロが帰ってくるのですごく嬉しいです! 大好きなアニメ作品を大好きなみんなと一緒に演じられることもとても嬉しく思います」と幸せいっぱいの表情を浮かべた。

その次は《赤のクラン》メンバーが意気込みを見せる。
今作から櫛名アンナ 役を演じる桑江咲菜は「冒頭から原作ファンの方が心躍る演出になっているのではないかと思います。また、今まで守られてばかりだったアンナですが、《赤の王》になったことでアンナらしい力の使い方をしています。《吠舞羅》(ホムラ)の絆、そして私たち舞台『K』カンパニーの絆を見ていただけたらと思います」と笑顔。
八田美咲 役に臨む椎名鯛造は「舞台ならではの演出方法はもちろん、原作にも忠実につくられているので、原作ファンの方も楽しく見ていただけると思います。今まで多くの方が積み重ねてきたものを全部受け継いで、新たな”Kステ”をつくり上げたいと思っております」と、シリーズの歴史に敬意を払ったうえで意欲を燃やした。

初演から今作まで、計4作品で草薙出雲 役を演じている寿里は「各《クラン》内の出来事や《クラン》同士の出来事など、いろいろな関係が交錯していくので、一挙手一投足を見逃さずに見ていただきたいです。スタッフさん、アンサンブルさんたちの力を借りて舞台に立っているのだと実感していますので、お客様にも何かを受け取っていただけたら嬉しいです」と意気込み。
鎌本力夫 役を演じる高田 誠は「白銀、赤、青、緑と、いろんな色が絡まり合った乱戦が見どころになっていると思います! 人間関係やキャラクター性を大事にしながら演じて、お客様に何か伝えられたらなと思っております」と、各《クラン》のカラーを挙げながら力強く語った。

続いて《青のクラン》メンバーがコメント。
宗像礼司 役の小野健斗は「今作では結構立ち回りがあるので、各セクションとシンクロした迫力のある立ち回りが見せられたらと思っています。いろいろな人が繋いできたバトンと絆を引き継ぎ、未来のゴールへと運んでいけるように全力を尽くしたいと思います」と、クールな佇まいの中に熱い心意気を覗かせる。
初演から通して淡島世理 役を務めてきている茉莉邑薫も「今作では新しい《クラン》が登場したり、いつも冷静な《青のクラン》にいろいろなことが起こったりしますので、注目していただけたらと思います。今回5作目となる“Kステ”をみんなで、全力で繋いでいきたいと思います」と、次作にも期待を寄せた。
そして伏見猿比古 役の木戸邑弥も「ようやくTVアニメ第2期のストーリーに突入します。《緑のクラン》が本格参戦するなど、これまでの“Kステ”とは少し違ったとても色鮮やかな舞台になっていると思います。映像もとても迫力がありますし、舞台ならではの演出とそれがマッチしたときにお客様に何か伝わるものがあるんじゃないかなと思っています。次に繋がるように大成功させたいです!」と、本作の成功とシリーズの継続を熱望した。

最後は初登場となる《緑のクラン》のメンバーたちが見どころを語った。
《緑の王》比水流 役の吉高志音は「原作アニメの世界観を大切にして、今日という日までキャスト・スタッフ一同で稽古に励んで参りました。それを皆さんに見ていただけるとことをとても嬉しく思います。舞台『K』シリーズの世界観を大切にしながら頑張っていきたいと思います」と意気込み。
今作で再び御芍神紫 役としての姿を見せてくれる佐々木喜英は「前回の公演では仲間である《緑のクラン》が揃っていなくて寂しかったのですが(笑)、今回は揃いますので、《緑のクラン》の結束力をぜひ見て欲しいと思います。本作は僕にとって、怪我の治療を無事におえて約1年ぶりの舞台となります。華やかに舞台上に“RETURN”したいと思いますので楽しみに待っていてください」と爽やかに微笑み、全快ぶりをアピールした。

磐舟天鶏 役の和泉宗兵は「見てのとおりキャラクターの濃い人がいっぱいいるので、そんな周りに負けないように頑張っていきたいと思います。比水流の親代わりとして、舞台袖でも献身的に面倒を見ていますので、見えないところが見どころです(笑)」と会場から笑いを誘いつつ、「人気と伝統のある“Kステ”という作品はお客様の期待値も高いと思いますが、稽古からその期待を上回れるように頑張ってきました。ぜひ劇場でそれを確認してください。絶対観に来て……ね!」と自信を覗かせる。
続いて五條スクナ 役のとまんが「《jungle》が初登場します! 《jungle》のメンバーは4人ともすごく強くてかっこいいのですが、基地の中ではほのぼのとしていますので、そこが見どころかなと思います。全17公演、舞台ならではの毎日違うステージが見られるかと思います」と、《緑のクラン》の絆を見どころに挙げた。

締めの挨拶では、主演の杉山が「このカンパニーでつくり上げた最高の“Kステ”をお客様に届けるために、千秋楽まで精一杯全力で、誰ひとり欠けることなく駆け抜けたいと思います。応援のほどよろしくお願いいたします」とメッセージを送った。

新キャストたちも落ち着いた物腰。総勢14名という大人数での取材ながら、各意気込みがしっかりと伝わってくる囲み会見となった。
この後はゲネプロの模様をレポートする。

因縁を踏まえたストーリーを各自で咀嚼して練り込み、丁寧な演技で、観客をしっかり掴んでいく

「K」の舞台となるのは、現実とは微妙に異なった歴史を歩んだ現代日本。

巨大な異能の力を持つ7人の《王》が、その力を分け与えたクランズマンたちと共に《クラン》を形成。異なる能力を持つ《クラン》はそれぞれのカラーを持ち、時にいがみ合い、場合によっては結託するなど、絶大な力を牽制し合っていた。

《白銀のクラン》のクランズマンであるネコと夜刀神狗朗は、先の戦いで行方不明となった《白銀の王》伊佐那社の生存を信じ、行方を探している。
一方、《青のクラン》=《セプター4》を率いる《青の王》の宗像礼司は、先代《赤の王》周防尊を殺めたことにより生じた《王》殺しの負荷を背負いつつ、《黄金の王》國常路大覚の管理下にあった御柱タワーと、《王》を生む謎の聖遺物であるドレスデン石盤を管理するなど、重責に晒されていた。
そして《赤のクラン》=《吠舞羅》(ホムラ)のクランズマンであった櫛名アンナは新たな《赤の王》として覚醒し、《吠舞羅》の仲間たちと再び強固な絆を結んでいた。

そんななか、《緑のクラン》=《jungle》がゲームを媒介にして一般人たちを操り、《白銀の王》を見つけ出そうと画策していた……。

舞台はごくシンプルな平面舞台。そこにパネル式の舞台装置が交差して、場面や能力を表現する。舞台後方も全面スクリーンとなっており、各《クラン》の基地や過去エピソード、時には青空が広がる。奥行きのある銀河劇場のステージに映し出される青空は特に爽快で、その中で赤い番傘を差す白髪の伊佐那社が際立つ。

今回の見どころは、そんな伊佐那社が率いる《白銀のクラン》、そして《青のクラン》、《赤のクラン》、《緑のクラン》……色鮮やかな各《クラン》の志、それによって白銀、青、赤の三者が結託して緑に立ち向かうという、共闘の盛り上がりだ。

《青の王》である宗像礼司を演じる小野健斗以外の《王》は新キャストという顔触れだが、一歩も怯むことのない姿勢が心地良い。これまでの因縁を踏まえたストーリーを各自で咀嚼して練り込んできているのが端々から伝わってくる丁寧な演技で、観客をしっかり掴んでいく。

伊佐那社 役の杉山真宏は、まず声がよく通る。どこか飄々とした物腰で周りを翻弄する雰囲気を持ちながら、《白銀の王》としての風格が漂っていた。
夜刀神狗朗 役の岸本勇太は、クールで生真面目ゆえに状況に振り回されることもある、といったクロの性格がまっすぐに伝わってくる。
続投キャストであるネコ役・柴 小聖の愛くるしさはもちろん、微笑みを交わす3人の場面では、こちらも自然と顔が綻んでしまうような、温かい絆が見えた。

《赤の王》櫛名アンナ 役・桑江咲菜が率いる《赤のクラン》の絆も負けていない。草薙出雲 役の寿里、八田美咲 役の椎名鯛造、鎌本力夫 役の高田 誠には抜群の安心感があり、つねに緊張感のあるストーリーの中において、ほっこりした賑やかさを担っていた。
過去に登場したメンバーについてアンナが語る場面も、原作&シリーズファンには嬉しい場面だろう。

そして今回、最も激動の渦中にあるといえるのが《青のクラン》。《青の王》である宗像礼司 役・小野健斗が苦悶と激情を露わにする場面、淡島世理 役・茉莉邑薫を中心とした《セプター4》の美しい“抜刀”シーン、伏見猿比古 役・木戸邑弥がクライマックスで見せる衝撃の展開など、随所に《青のクラン》の見せ場が光る。

その3色に対して喧嘩を売る《緑のクラン》は、ミステリアスでありながら親近感も湧くような、不思議なポジションだ。拘束服で車椅子に腰掛けている《緑の王》比水流 役の吉高志音は、淡々とした口調で指示を出す不気味さの中にもどことなくあどけなさを感じさせ、彼の世話を焼く磐舟天鶏 役の和泉宗兵が生み出す可笑しみとベストマッチ。彼らの基地が狭いアパートの一室風であることも、絶妙な“抜け感”を醸し出していた。

また、緑のクランズマンである五條スクナ 役・とまんも小柄な身体で立ち回りをこなし、強敵ぶりを体現。小悪魔的なキャラクターを活き活きと演じている様が印象的だった。
その中でも、御芍神紫を演じる佐々木喜英を再び目撃できたことを喜びたい。佇まいと殺陣の美しさは追随を許さない。

それぞれの活躍を追いかけるだけでも充実感を味わえるステージだが、ストーリーも重厚だ。先が気になる展開に、次回作に備えて原作を振り返りながら待つか、劇場に何度も足を運んで解釈を積み上げていくのか……様々な楽しみ方ができるだろう。

東京公演は3月10日(日)まで上演。大阪公演が3月15日(金)~17日(日)大阪メルパルクホールにて上演される。

舞台『K -RETURN OF KINGS-』

東京公演:2019年3月1日(金)〜3月10日(日)天王洲 銀河劇場
大阪公演:2019年3月15日(金)〜3月17日(日)大阪 メルパルクホール

原作:GoRA×GoHands
脚本・演出:末満健一

出演:
伊佐那社 役:杉山真宏
夜刀神狗朗 役:岸本勇太
ネコ 役:柴 小聖
櫛名アンナ 役:桑江咲菜
草薙出雲 役:寿里
八田美咲 役:椎名鯛造
鎌本力夫 役:高田 誠
宗像礼司 役:小野健斗
淡島世理 役:茉莉邑薫
伏見猿比古 役:木戸邑弥
比水流 役:吉高志音
御芍神紫 役:佐々木喜英
磐舟天鶏 役:和泉宗兵
五條スクナ 役:とまん

アンサンブル:
日南田顕久 村上 渉 高士幸也 松木里功 永井 良 佐藤佑樹 中西智也 新保瑞陽

主催:マーベラス/キングレコード/アルテメイト

オフィシャルサイト
Twitter(@stage_k11)

©GoRA・GoHands/k-project© GoRA・GoHands/stage k-project

舞台『K -RETURN OF KINGS-』Blu-ray&DVD発売

発売日:2019年7月24日(水)
価格:Blu-ray ¥9,800(税別) DVD ¥8,800(税別)
発売元:株式会社マーベラス
販売元:キングレコード株式会社