Interview

呉島貴虎が帰ってくる。久保田悠来が、舞台『仮面ライダー斬月』 -鎧武外伝-で紡ぐ、新たな物語

呉島貴虎が帰ってくる。久保田悠来が、舞台『仮面ライダー斬月』 -鎧武外伝-で紡ぐ、新たな物語

平成仮面ライダーシリーズが初の演劇作品化! 舞台版の主人公に選ばれたのは、2013年10月~2014年9月にTV放送された、平成仮面ライダーシリーズ第15作『仮面ライダー鎧武/ガイム』に登場した仮面ライダー斬月・呉島貴虎(くれしまたかとら)。
TVシリーズの脚本も手がけた少年社中の毛利亘宏が脚本・演出を担当。シリーズ原案・監修にはニトロプラスの虚淵 玄、脚本協力に鋼屋ジンと、『仮面ライダー鎧武/ガイム』のスタッフが揃い、これまで描かれていないオリジナルストーリーで演劇作品としての新たな「鎧武外伝」を作り上げる。
主演はTVシリーズから同役を演じる久保田悠来。ミュージカル『テニスの王子様』、舞台『戦国BASARA』シリーズや、映画『新宿スワン』『三十路女はロマンチックな夢を見るか?』など、舞台と映像の双方で活躍する久保田が、本作に出演することを決めた理由や見どころをユーモアたっぷりに語ってくれた。

取材・文 / 片桐ユウ 撮影 / 中原幸


このタイミングでならば、やる意味がある。今だからこそ、もう一度貴虎をやれる

情報解禁の際に発表された、「私だ。」から始まる久保田さんのコメントがとても面白かったです。Twitterなどの発言もいつも機知に富んでいますが、ああいったコメントは瞬時に思いつかれるのですか?

はい、瞬時です。貴虎でコメントを出すならば「私だ。」から始めるしかないと。もともと、キメ台詞でもなんでもなかったんですけどね(笑)。TVシリーズで演じているときから、「私だ」と言って電話に出るのに違和感がありつつも、気に入っていた台詞だったので、イベントなどのたびに使わせていただいていたんです。今回も彼が帰ってくるからには、やはり「私だ。」から始めようと思ってコメントしました。

TV放送から数えると約5年ぶりに仮面ライダー斬月・呉島貴虎が帰ってきます。平成仮面ライダーシリーズ初の演劇作品化という記念すべき作品に『仮面ライダー斬月』が選ばれた理由を、ご自身ではどう分析されていますか?

『仮面ライダー鎧武/ガイム』でいろいろな派生作品をやらせてもらって、その時点で僕らは嬉しかったんですけど、そのなかで……うーん、なんでだろう?(笑)『斬月』はスピンオフのVシネマの『鎧武外伝』もやらせてもらったり、僕はこれまでいろいろな舞台にも出ていて、普段からアクションもやっている……というところとかですかね? 僕としては、平成仮面ライダーシリーズが20作品目を迎えて、平成も終わるこの時期に“新しい試み”をするというオファーだったので、「このタイミングでならば、やる意味がある」と思いました。これが2020年に上演するという話だったらやっていないんじゃないかな。今だからこそ、もう一度貴虎をやれるなと思いましたね。

現場で「新しいものに取り組んでいるな」という感覚はありますか?

そうですね、やっぱり舞台上で変身するシーンなんかもそうですし、そもそも“ライダー”という言葉が演劇の舞台で出るのも初めてでしょうし。僕、“新しい試み”に対する想いは結構強いんです。初モノ好きと言いますか……。昔、「牛角」で働いていたんですけど、オープニングスタッフだったんですよ。だから「牛角」からの血筋ですかね(笑)。

新規オープン(笑)。

そう(笑)、新しいところで新しい歴史をつくる、というものが好き。立ち上げる瞬間のみんなで試行錯誤している感じが好きなので、それで今回も「ぜひ」とお受けしたところがあります。とは言え、一番頭を使っているのは脚本・演出の毛利さんだと思いますけどね(笑)。「なるほど!」「こうするんだ!」という刺激がたくさんあるので、とても楽しい現場です。

毛利さんの演出は初めてですか?

朗読劇(『緋色の研究』12年)で一度ご一緒させていただいたことがあるのですが、お芝居としてガッツリ一緒にやるのは初めてです。すごく俯瞰でバランスを取りながら見ている方だなという印象で、効果的な盛り上げ方をしてくれますし、なによりも“カッコよさ”を大事にしている方。『仮面ライダー鎧武/ガイム』のときも、ファイナルステージ(=TVシリーズ放送終了後に、東京・大阪で開催されたイベントのショー)を毛利さんが手がけてくれていたので、今回はまさしく毛利さんの本領発揮!……という意気込みをご本人が語っていました(笑)。

「呉島貴虎」という人物についてのイメージは共通していました?

最初の本読みの時点で、毛利さんが第一声で「とりあえず一人称は全部“私”にしておいたけど、これまでも使い分けているようだから、そこは任せます」と言ってくださったんです。僕も最初にそれを聞こうと思っていたんですね。「貴虎の一人称はどうしたらいいですか?」って。そこですでに共通理解があったから、入りもスムーズでした。

脚本については「初めての人にもわかりやすいように」というリクエストをされたとお聞きしました。

はい。今回のストーリーは、シリーズをご覧になってきた方も初めて目にする過去のエピソードをたくさん交えてくださっています。ただ、どうしても特有の言葉が多いというのは事実なので、そこをいかにクリアにしていくかですね。もともとの世界観があるものなので、うまく伝わったらいいなと思うんです。以前は僕自身、独自の言葉がある世界観を毛嫌いするタイプだったので。例えば「インベス(=『仮面ライダー鎧武/ガイム』に登場する敵怪人の総称)」とか。『仮面ライダーシリーズ』の中で人間を襲ってくる相手という括りは一緒なのに、作品によって違う呼び方なんですよね……(笑)。そういう特有の言葉を伝わりやすくできたらな、と思っているところです。

「鎧武外伝」というサブタイトルですが、TVシリーズから登場するのは呉島貴虎のみです。そのあたりの馴染み感はいかがですか?

そこに違和感は少しも感じていなくて、むしろ新しい世界に貴虎が入っていくストーリーなので、貴虎が外様の人間なんですよ。なので、僕が「お邪魔します」という感じでちょうどいいのかなと。

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