LIVE SHUTTLE  vol. 61

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藤原さくら初のワンマン・ツアー開催!表現力豊かな滋味深い歌、その魅力

藤原さくら初のワンマン・ツアー開催!表現力豊かな滋味深い歌、その魅力

藤原さくらワンマンツアー2016「good morning」〜second verse〜@恵比寿ザ・ガーデンホール 2016.09.10

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / Otatsu

藤原さくらが、9月10日に恵比寿ザ・ガーデンホールにて<ワンマンツアー2016「good morning」〜second verse〜>の記念すべき第一夜を迎えた。

当初は今年2月にメジャー1stアルバム『good morning』をリリース後、3月6日から4月 10日にかけて、全国6ヵ所を巡るワンマン・ツアーが予定されていたが、月9ドラマ『ラヴソング』にヒロインとしての出演が決定。ツアーは急遽延期となり、ドラマの放送終了後、6月25日と7月1日の2日間で、初のワンマンライブ・ツアー<「good morning」〜first verse~>を福岡と東京のみで開催。本公演は、メジャー1stフル・アルバム『good morning』を携えたツアーの第2弾という位置付けで、当初は全国8ヵ所9公演だったが、即日ソールアウドとなり、追加公演が実現。11月27日に彼女の生まれ故郷である福岡で迎えるファイナルまで、全国13ヵ所14公演、2ヵ月間に及ぶ開催に拡大。ドラマを通して彼女の音楽に魅了されたファンが増えたことを知らしめるツアーとなっている。

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ドラマで彼女の歌声に初めて触れたという観客は、赤のロングスカートに白い丸襟のシャツを身につけ、常時、椅子に座ってマイクに向かい、軽やかにアコースティック・ギターを爪弾く彼女の生のパフォーマンスを観て、どう感じただろうか。

この日は、メジャーデビュー・ミニアルバム『à la carte』のオープニングを飾っていた英語歌詞のジャジーなカントリー・ポップ「Walking on the clouds」や静かに熱いアーバンソウル「maybe maybe」、高校時代に母への感謝を込めて作ったという、自身の生まれ年をタイトルに関した「1995」、福山雅治が書き下ろしたドラマ主題歌「Soup」、かわいいと言って欲しいという女心を書いた『「かわいい」』などを披露。独特のスモーキーでアンニュイな歌声で、時には切なくやるせなく、時にはほがらかでなごやかなムードで会場の雰囲気を満たし、満員の観客から大きな拍手を受けていた。

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彼女をドラマで知った方も多いと思うが、彼女の魅力は歌声やギターを含む、音楽の豊かさにある。本ツアーで彼女のバックを支えるのは、1stアルバムにプロデューサーとして参加したマルチプレイヤーのmabanua(ds、per)をはじめ、関口シンゴ(g)、Shingo Suzuki(b)というOval/origami PRODUCTIONSの面々に加え、mabanuaと共にCharaのライブにも参加していたKan Sano(key)という、先鋭的なクリエイティブ集団とも言うべき5人編成。オリジナルでは、バンジョーやフィドル、バイオリンなどが入っていた楽曲も5人だけの生音で演奏し、リズムからリアレンジされた楽曲もあった。藤原もアコースティック・ギターだけではなく、<1st verse>で披露したカズーに加え、ウクレレにも挑戦するなど、楽曲や演奏そのものを楽しませてくれるライブとなっていた。

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歌とアコギを軸とした軽やかだけど深みもあるグルーヴ、カントリーやフォーク、ジャズや民族音楽もポップに昇華できる伸びやかな楽曲、演奏とアレンジのバリエーション。そして、これはドラマによって間違いなく増したヴォーカルの表現力と、英語も多く、決して赤裸々に“私”の生き方や愛し方を歌わない、押しつけがましくない歌詞の絶妙な距離感……。何よりも藤原さくら自身が歌を、ギターを、バンドとのアンサンブルと男性4声にもなるコーラスワークを心から楽しんでいるのが伝わってくる、楽しく、豊かなライブとなっていた。

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MCでは、この日のライブが行われた恵比寿ザ・ガーデンホールについて、「すごく思い入れがあって。初めて東京に来たのが高校1年生の冬で。今の事務所に入るきっかけとなったオーディションだったんですけど、ちょっとだけ時間があったので『どこか好きな場所にひとつだけ連れてってあげる』って言われて。私、ドラマ『花より男子』が好きなんですけど、道明寺とつくしが待ち合わせする場所なんですよ! お母さんと一緒にこの恵比寿ガーデンプレイスにだけ来たんです。だから、ここでライブができて嬉しいです」と思い出を語った。

さらに、ドラマについては、「ずいぶんツアーが延期してしまいました」とファンに対して謝ったうえで、「きっとドラマを観て私のことを知ってくれた方もいると思うんですけど、自分にとってもすごく大きな出来事で、めまぐるしい半年だったんです。藤原さくらじゃない、佐野さくらという女の子を演じて、自分が感じたことのないような感情を持ってる女の子で、最初はどうしたらいいんだろうって思っていたんですけど、佐野さくらが歌を歌う女の子であったこと、佐野さくらが(福山雅治演じる)神代先生に出会って前に歩き出したように、私もヴォーカルスクールの先生に出会ったことで、それまでコンプレックスだった自分の声に自信を持てるようになりました。重なり合うところもあって、もう終わってから3ヵ月経ちますが、決して忘れられない経験になるんだろうなと思いました」と初めての挑戦で得た体験の貴重さをしっかりと述べた。

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また、アンコールでは、2017年2月3日に大阪・NHK大阪ホール、2月18日に東京・オーチャードホールでのスペシャルライブを開催することを発表した。「新しい私が見せられるような気がします。新しい何かが先行で聴けちゃうかもよ」と笑顔でコメント。こちらも楽しみにしていて欲しい。

ライブ情報

藤原さくら Special Live 2017

2017年2月3日(金)大阪・NHK大阪ホール
2017年2月18日(土)東京・オーチャードホール

プロフィール

藤原さくら


1995年12月30日生まれ、福岡県福岡市出身。父の影響により10歳でギターを手にし、幼少の頃より洋邦問わず多様な音楽に親しむ。高校進学後、オリジナル曲の制作を始め、地元で音楽活動を開始。2014年に高校卒業と上京を機に、オリジナル・アルバム『full bloom』でインディーズ・デビュー。その後、日本テレビ『学校のカイダン』挿入歌をはじめ、テレビ・ドラマへの曲提供やCM出演での歌唱などが話題となる。2015年3月にスピードスターレコーズよりミニ・アルバム『à la carte』でメジャー・デビュー。2016年2月には初のフル・アルバム『good morning』をリリース。また、今春オンエアされたフジテレビ系月9ドラマ『ラヴソング』のヒロイン“佐野さくら”役に抜擢され、注目を集め、6月に1stシングル「Soup」を発表した。本ツアー<藤原さくらワンマンツアー2016「good morning」〜second verse〜>は11月27日の福岡公演まで、全国13ヵ所14公演行われる。

http://www.fujiwarasakura.com

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