Interview

チャンスは必ずある。“声優アーティスト・下野紘”の力強き言葉

チャンスは必ずある。“声優アーティスト・下野紘”の力強き言葉

チャンスは必ずある。“声優アーティスト・下野紘”の力強き言葉

声優デビュー15周年 ANNIVERSARY プロジェクトとして、2016年3月16日、シングル「リアル-REAL-」でソロメジャーデビューを果たした下野紘。そして8月31日、早くも2ndシングルとなる「ONE CHANCE」がリリースされた。“ワンチャンス”という言葉は、今や当たり前のように使われている。そんな巷に溢れたフレーズに、下野が着目した真意とは? 「人生においては様々な逆境が訪れるが、可能性は低くとも一発逆転できるチャンスは必ずある。そのチャンスを見逃すな」。そう語った彼を、楽曲を通じ紐解きたい。

取材 / 西原史顕 文 / 神林華奈 撮影 / 山本哲也
メイク / 中島康平 スタイリング / SUGI

無駄かもしれないけど遠回りしているうちに、 何かが自分の力になっていることがある

ソロシンガーとしてデビューしてから早くも半年が経ちますが、この間を振り返ってみていかがでしょうか。

 この半年間がものすごく濃密だったので、「デビューを発表してからまだ半年しか経ってないのか」という思いと、「あっという間に半年が経ったな」という思いの両方がありますね。何をやったらいいのかもわからない、ゼロからのスタートだったものが、徐々に慣れてきたなっていう感じです。

シンガーデビューしたことによる、声優仲間やファンの反響は?

 声優仲間たちからは、からかわれます(笑)。もちろん冗談なんですけど、顔を合わせたときに「あ、リアルの人だ」とか、「リアル下野だ」っていうふうに言われたり。ファンの方たちについては、直に聞いたり、ファンレターを読んだりしたなかで、「ずっと待ち望んでいてくれていたんだな」と実感しました。

4月に行われたバースデーライブイベントも大盛り上がりでした。

 2日間のうちに大阪2公演、東京3公演で、各公演につき2回も「リアル –REAL-」を歌いました(最終公演は3回)。2日間で10回以上歌うって、正直驚きましたね。バースデーライブをやる前までは、自分がみんなの前で歌う姿が想像できなかったので、このライブを経て、ちょっと自信がついたかなと思います。

最終公演では、エモーショナルな場面があったそうですね。

 ラストの「リアル –REAL-」を歌ったときに、恥ずかしながら泣いてしまいました。ちょっと感極まりましたね。声優として15年やってきて、いろいろなことがあったなという想いが込み上げてきました。

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そして2ndシングル「ONE CHANCE」のリリースが決定。2枚目を出せることへの感想は?

 なんとなく、ポニーキャニオンの方々とは「この先こうしましょう」みたいな話をしていたので、「2枚目を出すんだ!」という感激よりは、「次のCDを出すためにどんなことをやってこうかな」という心境でした。めまぐるしく駆け抜ける制作の日々がまた来たなっていう感じです。

2ndシングルではこんなことをやってみようというプランはあったのでしょうか?

 いや、基本的にはなかったですね。ただ、夏にリリースするっていう話はしていたので、夏っぽさは入れられたらなと思っていて、疾走感があるような感じとか、そういうざっくりしたテーマからのスタートでした。あとは「リアル –REAL-」を作ってみて、改めて自分の声の特性を認識することができたので、そこも活かしていけたらなと。

今回も作編曲が高橋諒さん、作詞が下野さんとRUCCAさんとの共作でしたが、制作はスムーズに?

 高橋さんに「こういう方向性の歌にしたいんだ」とイメージをお伝えしたら、思った通りのもの……いや、思った以上の素敵なフレーズが出てきたので、いやぁ、わかってるなと(笑)。

タイトルに込められた意味は?

 もう一度とか、返り咲くとか、そういうふうな詞にしたいなと思っていた部分もあるんですけど……うーん、とにかく響きですかね。よく使われる言葉だよなって思ったし、身近なところでも「ワンチャンワンチャン」といつも言っているスタッフがいるので、余計に刺さったんだろうな(笑)。「リアル –REAL-」もそうですけど、耳馴染みというか、みんなが使ってる言葉をタイトルにしたかったんですよね。

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歌詞中に“REAL以上に輝きだすその瞬間”というフレーズもあり、「リアル –REAL-」から「ONE CHANCE」とへの繋がりのようなものも感じました。

 そういう繋がりは、少しイメージしましたね。「リアル –REAL-」に関しては、デビュー前だったりデビューしたての頃だったり、初めてアニメの声優をやったときの話だったりを歌詞にした部分もあったので、「ONE CHANCE」は“その次”にしたいと思っていました。今回も自分の経験を中心に、一度成功したからといってそれがずっと続くわけではない現実とか、「今日はよかったな、楽しかったな」という一日があっても、翌日からはつらい日々が続いたりする現実をイメージして。でも、そんな人生のなかでも、何をすればいいのかわからないなりにもがいたり、無駄かもしれないけど遠回りしているうちに、いつの間にか何かが自分の力になっていたりすることがあるんですよね。僕自身、何度も「(声優を)辞めよう」と思う瞬間もあったんですよ。でもなんとか15年もやってこれた。人生においては様々な逆境が訪れますが、可能性は低くとも一発逆転できるチャンスは必ずあるんです。そのチャンスを見逃さないでほしいなっていうのが、この歌のメッセージなんですよね。

迷える子羊たちの背中を、そっと押すような?

 あはは! そうですね。「リアル –REAL-」と「ONE CHANCE」を作って改めて思ったのは、自分の言葉を伝えるには自分自身のことを歌うのがいちばんってことですね。

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