黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 53

Column

平成の家庭用ゲーム機・ハードウェアを振り返り未来を予測する 3+1選

平成の家庭用ゲーム機・ハードウェアを振り返り未来を予測する 3+1選

2019年が始まったと思ったのも束の間、もう3月です。
本年4月に発表が予定されている日本の新元号。そして、5月からは平成から新しい時代へと変わります。皆様にとって、平成の30年間はどんなものだったでしょうか。

さて、このエンタメステーションでの「黒選! メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1 コラム」も残すところ1回となりました。今回は平成のゲーム・エンタテインメントをハードウェア面から振り返ってみたいと思います。

思えば、ゲーム業界も8ビット、16ビット、32ビット、次世代ハードへと、いくつもの主役級ハードが入れ替わって来た歴史です。1983年に発売された任天堂のファミリーコンピュータを筆頭に、日本のみならず、世界のメーカーが参戦、ゲームハード乱世、下剋上の様相を呈した時期も見て参りました。

また、ハードの歴として任天堂のライバルと言っても過言ではないセガ(エンタープレイゼス/当時)は、ハード事業撤退に至りました。しかも、そのハードのライバルは任天堂ではなく、新参者だったソニー・コンピュータエンタテインメント(当時)だったのは誰もが予想だにしなかった事でした。

また、それまで日本メーカーが主導的に世界のゲーム市場を席巻していた時代から、米国企業であるマイクロソフトからXboxが発売され、徐々に市場でのシェアを固めつつあります。
気づけば、アップルのiPhone、グーグルのAndroidなど、スマホ市場のゲームアプリのシェアも大きくなってきました。

それに伴って、従来課金型ゲームの筆頭だった、アーケード市場は縮小し、米国や欧州ではほぼ消滅してしまいました。日本においても、まだメーカー直営系アーケード店は残ってはいますが、以前ほどの勢いを感じません。

この平成の30年で日本は大きく変わりました。そして、世界も大きく変わって来たのです。

今回は、平成の30年間をゲーム・ハードウェア面から振り返りたいと思います。
ではどうぞ!

©Nintendo
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平成の先駆け!任天堂のゲーム機

1989年4月21日に任天堂から発売された携帯ゲーム機の「ゲームボーイ」。
モノクロ液晶を搭載した、アルカリ単三電池4本で約35時間もプレイ可能な初の本格的携帯ゲーム機の登場でした。

発売当初の定価は12,800円(税抜)と、大変お求めやすい価格設定で、同時発売の『スーパーマリオランド』も定価3,800円だったため、同時購入をした人が多かったようです。

「ゲームボーイ」

また、同年6月14日に発売された『テトリス』によって、「ゲームボーイ」の販売は爆発的ヒットを記録します。この後、『星のカービィ』や『ポケットモンスター』など、今現在も新作がリリースされるゲームは、この「ゲームボーイ」から生まれたソフトでした。

この成功により、それまで携帯ゲーム市場に冷ややかだったソフトメーカー、そして問屋や小売店の視線が大きく変わる事となりました。このあたりの市場の変化は、その後に起こるガラケーへのゲームシフト、さらにはスマホゲーム・アプリへの市場の変化のときにはデジャヴュ(既視感)を感じさせたものでした。

そして翌年には大量のゲームボーイ対応ゲームソフトが発売され、競合しているセガからはカラー液晶を搭載した「ゲームギア」、NEC-HEからは据え置き機と同スペックの「PCエンジンGT」が発売され、携帯ゲーム市場もシェア獲得の争奪戦が繰り広げられるのです。

1990年11月21日に任天堂から発売された「スーパーファミコン」。

それまで、何度も発売予定延期が繰り返され、「いつ発売されるのか…?」市場関係者とユーザーから熱い視線が集まっていました。

満を持して発売された「スーパーファミコン」は、『スーパーマリオワールド』を武器に、ポスト「ファミコン」の座を射止め、発売と共に爆速の勢いでシェアを拡大して行きます。

「スーパーファミコン」

それまで先行していたNEC-HEの「PCエンジン」、セガの「メガドライブ」をあっという間に追い抜き、発売されるソフトのほとんどが「スーパーファミコン」向けタイトル一色となります。

また、時代のニーズは「RPG」だった事もあり、数多くのRPGやSLRPGが発売されました。
『ドラゴンクエスト』シリーズ、『ファイナルファンタジー』シリーズ、『ファイヤーエムブレム』シリーズなど、プレイされたユーザーも多かったのではないでしょうか。そして、アーケードで旋風を巻き起こしていた格闘ゲーム『ストリートファイターⅡ』が最初に移植されたため、ハードの販売台数をさらに押し上げる結果となりました。

音源にDSPチップを搭載しており、この機能を発揮したのが『実況!パワフルプロ野球』でした。この「実況して、しゃべる」という点が野球ファンの心をつかみ、『ファミスタ』の販売を凌駕した歴史的転換点でもあります。この他にもハードのグラフィック処理能力の特徴である「回転機能」を見事に駆使して作り上げた『マリオカート』も大ヒットして、現在までつづく数多くのヒット作が生まれたハードです。

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