Interview

永野芽郁×北村匠海、映画『君は月夜に光り輝く』撮影で大の仲良しに!「“芝居が気持ちいい”と思った。」

永野芽郁×北村匠海、映画『君は月夜に光り輝く』撮影で大の仲良しに!「“芝居が気持ちいい”と思った。」

映画『君の膵臓をたべたい』『響 –HIBIKI-』の月川 翔監督の最新作『君は月夜に光り輝く』(通称“君月”)。発光病という不治の病を患ったヒロインのまみずを演じるのは、朝ドラ『半分、青い。』の終了後、映画の撮影は本作が初となる永野芽郁。そして、病室から出れない彼女の“代行体験”を頼まれる同級生の卓也に扮するのは、“キミスイ”でアカデミー賞新人俳優賞を受賞した北村匠海。

二人の対談は、和気藹々とした、常に笑いの絶えない楽しい時間となった。同じ事務所で同世代ながらも初共演となる二人が、まるで幼馴染かのように気兼ねがなく話せるようになったきっかけとは——。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 斎藤大嗣


いろんな奇跡や偶然が起きた現場だった

まず、本作のオファーを受けた際の心境からお伺いしたいんですが、芽郁さんは朝ドラ後、初の映画作品となりますね。

永野 そうですね。本当に久しぶりで、1年以上ぶりになる映画の現場でした。朝ドラのスピード感や撮る量にようやく慣れてきた頃だったので、1シーンにたっぷり時間をかける映画の現場に戸惑うかなっていう不安もあったんですけど、以前、月川さんとCMでご一緒した時から「今度はお芝居の現場でご一緒したい」って思っていたので、監督が月川さんって聞いた時点でやりたいなって思いました。それと、まみずは余命がないところから始まりますけど、それでも一生懸命に生きている彼女の生き様を私が演じたいなって思ったんです。

一方の匠海さんは“キミスイ”に続く月川監督のタッグで、余命幾ばくもないヒロインに翻弄されるという、“キミスイ”の“僕”に表面的には似ている役どころとなっています。

北村 お話をいただいたときに、まず、「僕でいいのか?」という話はしました。命を扱っている原作で、(キミスイと)共通点が多い中で、僕がこういう立ち位置の役をやっていいのか? と話したんですけど、監督から「北村匠海以外に考えられなかった」っていう言葉をいただいた時にハッとして。あえて差別化は図らず、好きなように演じていいっていうことだったので、「やらせていただきます」と答えました。最初は自分の中でいろいろ考えた部分もありましたけど、また月川さんとやれるっていうことが何より嬉しかったですし、同じ事務所の永野芽郁ちゃんと共演できるということがすごく楽しみでした。

芽郁さんは匠海くんとの共演が決まってどう感じました?

永野 一緒にお芝居をするのが初めてだったので、「どんなお芝居をするんだろうな?」って思ってたんですけど、監督やプロデューサーさん、みんなが「絶対に匠海はなんでも受けてくれるから」って言ってたんです。だから、まだお会いする前だったんですけど、じゃあ、大丈夫だって思ってました(笑)。これまでにいろんな作品を作ってきた大人たちが「絶対に大丈夫」って言うってことは、絶対に大丈夫だなって思ったし、私も頑張らなきゃいけないなっていう気持ちで、すごく楽しみになりました。

匠海くんが月川監督から絶大な信頼感を得てることが伝わってきますが、「自由に」と言われて、どういう風に役を作っていこうと思いましたか? 監督との話し合いの中で何か印象に残ってることは?

北村 本当に自由にやらせて頂きました。卓也は、「キミスイ」で演じた“僕”ほど塞いでいるわけでもなくて。1つ大きく違うのは、彼は家庭の中でいろんな問題があって、家族の問題で過去に何かを抱えているんです。そういう含みをもたせたりする部分では、僕がお芝居でプレゼンテーションした部分もありました。意外と母親との家のシーンが難しかったんですけど、僕は月川監督が何を求めているのか、月川監督は僕がどんな芝居をしてくるのか、お互いに想像できている部分もあったので、逆にそれを超える現場マジックみたいなものが起こることを感じながらやってました。案の定、芽郁ちゃんとのシーンも含めて、いろんな奇跡や偶然が起きた現場だったんです。(取材をしている)本日もスーパームーンですし。

永野 え、そうなの!?

北村 そうだよ。すごくない?

永野 スーパームーンってスーパーな月でしょ?

北村 作品に出てきて、一緒に見に行ったでしょ。今日、それだよ。

永野 屋上に行ったやつでしょ。へー、すごいね!

北村 (笑)。監督ってそういう引き寄せる力があるんですよね。監督が作り出す空気感も、月川監督にしかできない温かさがって。主題歌もすでに存在していた素敵な曲がこんなにハマることもないじゃないですか。

SEKAI NO OWARIに依頼したところ、ニューアルバム『Lips』の収録曲として製作中の楽曲の中に、まるで書き下ろしたかのようにぴったりな曲があったそうですね。タイトルも『蜜の月 -for the film-』と“月”が入ってますし。

北村 そうなんですよ。そういう引き寄せの力がある監督だなって思ってて。僕はそこに乗っかっていく感覚でした。

永野 私たちが提案したことを受け入れて、柔らかく包んで、さりげなく進める監督なんですよね。否定を全くしない。だから、監督についていくっていうよりも、ついて行っちゃうっていう現場の流れだったなって思います。そういう、監督の居方にも感動しましたし、私たちがお芝居したのを見て、涙する監督がいるんだっていうことにも驚いて。

北村 屋上のシーンの時にボロボロ泣いていて…。

永野 そう。自分で脚本を書いて、自分で生み出した言葉もあるし、物語の展開ももちろん全部わかってるのに、私たちがお芝居したものを見て、あそこが良かったって泣いてくれる。こんなに俳優側に寄り添ってくれる監督と今の私が出会えたことは、すごく嬉しかったし、月川監督だからこそできた「君月」の世界観があったなって思います。

具体的にはどんな提案をしたんですか?

永野 提案したわけではなくて。まず、最初に監督に「やってみてよ」って言われるんですね。何も決めずに、二人で動いてみて。本当に全てのシーンで、一回、二人でやってみて、監督がじゃあ、こうしようかっていう流れだったので、どのシーンを見ても、その時に動物的に動いているものがスクリーンに出てるんです(笑)。それが、なんかちょっと面白いなと思いましたね。

(笑)。それぞれの役柄についてはどう捉えてますか?

永野 まみずが余命ゼロでも笑ってられるっていうのは、死ぬから悲しい、毎日しんどい、毎日泣いてるって、全部イコールで繋げるのはものすごく作り物っぽくて嫌だなと思ったんですね。余命ゼロってわかってから、ずっと病室の中で自分自身と向き合って。逃げる場所は読書することだったり、たまに来るお母さんとの会話だったりしかない中に、突然、卓也っていう人物が現れて。彼の存在に救われる部分が多かったはずだけど、人を好きになるっていうことは、もっともっと自分の死を近くに受け止めなくちゃいけないことでもあって。そこで葛藤している方が人間ぽいなと思ったんです。笑ってる方が、泣いた時が悲しいし、思ってることと表情が食い違ってる方が面白いとずっと思っていて。全部をシナリオ通りにするのは、今回、絶対に嫌だなって思っていたので、そこだけは意識的に、ぐちゃぐちゃにしてやろうと思ってました。

台本通りじゃなく動いたシーンというのは?

永野 泣いてるって書いてなくても泣いてるシーンはあるし、笑ってるって書いてなくても、わざと笑ってごまかしてるところもあります。でも、それは、多分、卓也を大切に思うが故に生まれる行動だったり、表情であって。だから、途中から軸をどんどん卓也にしていきました。私が死んだら卓也は悲しくなるし、かわいそうだから、私はこうする、みたいな風に、どんどん考えを変えていこうと。

卓也の方はどうして代行体験を始めたんだと思います?

北村 卓也は過去にお姉ちゃんを失っていて、発光病自体が、岡田家にとってはタブーのようなものだったんですね。だから、卓也は発光病の人物と関わらないようにしていたと思うんですけど、まみずと会って、最初はきっと自分とお姉ちゃんを重ねた部分が絶対にあると思っていて。まみずが大切にしていたスノードームを壊した時に、何かを償わせて欲しいって言うのも、お姉ちゃんを止められなかった自分への後悔や懺悔、贖罪みたいなものが重なってた部分はあったと思います。でも、まみずの病室に行って、まみずのお父さんに対する思いも知ったりとか、いろいろと話していく中で、お姉ちゃんの存在を通り越して、まみずという人物だけが自分の目の前に現れていく感覚がきっと卓也の中にあったんだと思ってて。だから、まみずとは逆に、卓也はどんどん衝動的になっていくんですよね。最初はもしかしたら、淡々としてる人間に見えてたかもしれないけど、走ったり、面会謝絶でも病室に忍び込んだり、まみずのお父さんに会いに行ったり……。だんだん、感情的、衝動的になっていくのが卓也だったかなって思います。でも、まみずの前にいるときは、どこか平静を装ってて。それはまみずを大事に思うからの行動で、まみずの前で涙を流したりとか、マイナスな感情を出さないのは卓也の優しさだったのかなって思います。でも、そうじゃないところでは、例えば、お父さんに「あなたしかできないことがある」って言ったり、「病室に閉じ込められて死ぬのを待つだけなんて!」っていうセリフがあったりして。その時の顔は、決してまみずには見せない表情にしているんです。最初はすごく受け身な卓也が、どんどん前に出ていくっていうことが、この映画において、僕がやったことかなって思います。

仲良くなれたきっかけはプレゼント? 「(芽郁ちゃんに)餌付けされたんです(笑)」

代行体験はすごく面白かったですが、どの体験が印象に残ってますか?

北村 遊園地が「としまえん」だったんですけど、僕、昔よく家族と行っていたので、やっぱり一人で行くのは恥ずかしかった(笑)。

永野 そこなの?

北村 そこだよ(笑)! やっぱ遊園地は一人で行くものではないなと思いましたね。後半は胸ポケットに携帯を入れてるので、一人じゃない感覚ではあったかな。意外とバッティングセンターも楽しかったし。

永野 いいな〜。私は病院から出られなかったから。

北村 楽しかったですね。基本的に一人で撮影してたことが多かったので、「私、これから1週間休み〜」とか言ってて。何してたの? そのときは。

永野 そういうこと言わなくていいの! すごい休んでる人みたいじゃん。

北村 すごい休んでる人でした(笑)。

永野 ふふふ。うん、私、休んでた、しょっちゅう。私はバンジーが面白かったですね。病室で声をとってたんですけど、病室から「うわ〜〜〜〜〜」っていう声が聞こえて。私の病室で何やってるんだろうって。しかも、感動的なクランクアップの直前だよね。

北村 そうそう。僕は撮影が終わっていて。感動的なシーンの前に、一人でずっと叫んでて、こっぱずかしかったです。

(笑)。ジュリエットにも扮してましたが、ご自身ではどう感じました?

北村 いけてるなって思ってました(笑)。でも、本編には出なかったんですけど、芽郁ちゃんもジュリエットの衣装を着てたんですよ。

永野 使われてないのショックだった。

北村 ね。これがジュリエットか! って本気で思いました。自惚れてたなって。結構、いけてるなと思ってたけど、上には上がいた。

永野 うん、無理だったよ(笑)。いいカメラで撮らせてもらったんだけど、ひどかった。

北村 ひどかったね。ボロボロだったね。

永野 あははははは。何日か笑えましたもん、その写真で。

北村 あの日で距離が縮まった感ありました。しかも、ぼく、誕生日だったんですよ。誕生日の日に初めて女装のまま誕生日ケーキをもらって。観客役のエキストラさんがいる中、大人数の人に「ハッピーバースディー」を歌ってもらって。

永野 シュールだったね。

北村 それまで芽郁ちゃんともそんなに話してなかったですけど、突然、誕生日プレゼントをくれて。

永野 誕生日だったから。仲良くなったのそこなの?

北村 最初からフランクな印象ではあったけどね。いろいろくれるんですよ。

永野 ものあげたから仲良くなれた?

北村 餌付けされたんです(笑)。いや、ものくれることじゃなくて、気遣いが嬉しくて。

永野 そんなに大したものあげてないじゃん。そんなに重いものではない。

北村 ちょっと疲れてた時、「エナジードリンク、はいどうぞ」みたいな。

永野 そうそう。軽く。

北村 そういう気遣いができる子なんだなって。そういうのを知ってから、よりもっと話したいってなっていきましたね。

芽郁さんが思う、二人の距離が縮まった出来事は?

永野 完全に仲良くなれたのは、地方に行った時ですね。二人で大きな会議室みたいなところが控え室だったんですけど、撮影は巻くことが多かったので、巻いた時間を二人でゆっくり、ダラダラ会話してて。そこで、お互いのことは全然知らないはずなのに、気取らずに一緒に居られる、幼馴染みたいな感じになりましたね。

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